【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べ、12,902百万円増加の84,398百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加(5,138百万円)や商品及び製品の増加(3,791百万円)であります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ、939百万円減少の32,183百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の減少(2,071百万円)や有形固定資産の増加(1,156百万円)であります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ11,962百万円増加し、116,581百万円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べ、10,853百万円増加の45,547百万円となりました。主な要因は、短期借入金の増加(5,599百万円)や支払手形及び買掛金の増加(2,006百万円)であります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ、1,856百万円減少の8,028百万円となりました。主な要因は、長期借入金の減少(1,734百万円)であります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末に比べ8,997百万円増加し、53,576百万円となりました。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ、2,965百万円増加の63,005百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定の増加(4,713百万円)や自己株式の取得による減少(1,226百万円)、その他有価証券評価差額金の減少(1,150百万円)であります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の52.9%から49.7%となりました。
なお、自己株式の消却により、資本剰余金の残高が負の値となったため、資本剰余金を零とし、当該負の値を利益剰余金から減額しております。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりであります。
当第3四半期連結累計期間における当社グループ経営成績としましては、主力の船舶用塗料分野において、新造船向けでは、主に国内において出荷量が増加したことや、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったこと等により、全体として売上高が増加しました。修繕船向けにおいても、一定の需要が継続する中、販売価格の見直しや積極的な営業活動を推進したことから、国内や欧州を中心に堅調に推移しました。工業用塗料分野では、東南アジアにおける重防食塗料が堅調に推移したこと等により、売上高が増加しました。コンテナ用塗料分野では、価格競争の激化により低採算案件の受注抑制を行ったことから、販売が落ち込みました。
このような状況の下、当第3四半期連結累計期間の当社グループの売上高は70,981百万円(前年同期比14.2%増)となりました。利益面については、第1四半期においては原材料価格高騰に伴う調達コスト増により営業利益以下の各利益項目で損失を計上しておりましたが、第2四半期以降、販売価格の見直しが進んだこと等から採算が改善し、利益計上かつ増益に転じました。その結果、営業利益1,678百万円(同94.5%増)、経常利益2,790百万円(同104.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,076百万円(同350.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
船舶用塗料において、新造船向けの需要の回復に加え、原材料価格高騰を受けて新造船及び修繕船向けの販売価格の見直しを行ったこと等により、売上高が増加した他、工業用塗料においても、主に重防食用塗料の販売が堅調に推移したことから、売上高は27,618百万円(前年同期比19.4%増)となりました。一方、損益面では、販売価格の見直しを行ったものの主要原材料価格の高騰や円安となった為替影響による調達コストの上昇をカバーすることができず、セグメント損失は584百万円(前年同期はセグメント損失637百万円)となりました。
(中国)
船舶用塗料において、新造船及び修繕船向けともに、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったことや、円安となった為替の影響も加わり、売上高が増加したものの、工業用塗料においては、需要が低調に推移し、コンテナ用塗料においても、価格競争の激化により低採算案件の受注抑制を行ったことから、販売が落ち込み、売上高は11,152百万円(同12.5%減)となりました。一方、損益面では、主要原材料価格の高騰による調達コストの上昇から、セグメント損失は542百万円(前年同期はセグメント損失353百万円)となりました。
(韓国)
船舶用塗料において、造船所における工程遅延の発生により、主力の新造船向けの販売が低調に推移したことから、売上高は5,078百万円(同9.1%減)となりました。一方、損益面では、主要原材料価格の高騰により調達コストが上昇したものの、販売価格の見直しを行ったことから、セグメント損失は252百万円(前年同期はセグメント損失461百万円)となりました。
(東南アジア)
修繕船向けを中心とした船舶用塗料や重防食塗料において、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったことや、円安となった為替の影響も加わり、売上高は10,888百万円(同27.6%増)となりました。一方、損益面では、販売価格の見直し等により、セグメント利益は前年同期に比べ361百万円増益の1,547百万円(同30.5%増)となりました。
(欧州・米国)
船舶用塗料において、堅調な需要が継続する中、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったことに加え、高付加価値製品の拡販に注力したことや円安となった為替影響もあり、主に修繕船向けの販売が伸長し、売上高は16,243百万円(同33.7%増)となりました。一方、損益面では、販売価格の見直し等により、セグメント利益は前年同期に比べ222百万円増益の505百万円(同78.8%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は17,529百万円と前連結会計年度末に比べ380百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって使用されたキャッシュ・フローは、3,533百万円となりました。主な増加は、税金等調整前四半期純利益3,456百万円、仕入債務の増減額2,052百万円であり、主な減少は、棚卸資産の増減額4,817百万円、売上債権の増減額3,865百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって得られたキャッシュ・フローは、640百万円となりました。主な増加は、定期預金の払戻による収入3,712百万円であり、主な減少は、定期預金の預入による支出3,213百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られたキャッシュ・フローは、1,000百万円となりました。主な増加は、短期借入金の純増額4,537百万円、主な減少は、非支配株主への支払いを含めた配当金の支払額2,170百万円、自己株式の取得による支出1,226百万円です。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,169百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。