【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進む中、政府の経済対策による下支えもあり、企業収益の改善や個人消費にも持ち直しが見られるなど、緩やかな回復基調で推移しました。
一方、世界経済は、欧米各国は金融引き締めの継続、中国の不動産市場の動向、ロシアのウクライナ侵攻に加えて、イスラエル・パレスチナの衝突も勃発するなど、先行きは非常に不透明な状況が続いております。
このような経済環境の下、当社グループは積極的な販売活動を展開いたしました結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は79,115百万円と、前年同期比1.1%の増加となりました。
損益面につきましては、経営全般にわたる業務の効率化・合理化施策を推進してまいりましたが、経常利益は前年同期比4,319百万円減少の6,305百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期は多額の政策保有株式の売却益を計上していたことなどから、前年同期比11,190百万円減少の5,672百万円となりました。
セグメント別の概況
(ガラス事業)
建築用ガラスにつきましては、建築需要は前年を若干下回る状況で推移しましたが、前年に実施しました製品価格改定の浸透により、売上高は前年同期を上回りました。
自動車用ガラスにつきましては、前年同期は上海のロックダウンや半導体の不足などによる部品供給の問題で各自動車メーカーの生産調整の影響が残っておりましたが、当期は自動車生産台数の回復、及び原燃材料価格の高騰に対応し、製品価格改定を継続して実施してきましたことから、売上高は前年同期を上回りました。
ガラス繊維につきましては、電材分野では需要が減少しましたが、自動車分野における生産台数の回復により、売上高は前年同期を上回りました。
以上、ガラス事業の売上高は28,890百万円(前年同期比14.0%増)となり、損益につきましては939百万円の営業利益(前年同期比90百万円の減少)となりました。
(化成品事業)
素材化学品につきましては、ハイドロフルオロオレフィン製品が、主要国の住宅着工件数の低迷等から発泡剤原料の販売が落ち込んだことに加え、農薬関連製品が前年度末の前倒し出荷の反動により販売が減少し、売上高は前年同期を大幅に下回りました。
医療化学品につきましては、医薬関連製品の出荷は好調に推移しましたが、在外連結子会社の売上が低調に推移したため、売上高は前年同期を下回りました。
電子材料につきましては、半導体の世界的な需要低迷によるメモリー大手の減産などが影響し、半導体向け特殊ガス製品、レジスト材料ともに販売が減少しましたことから、売上高は前年同期を下回りました。
エネルギー材料につきましては、リチウムイオン電池用電解液製品の販売が好調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。
肥料につきましては、6月からの価格値下げに続き、11月からの更なる価格値下げを見込んだ買い控えのため、売上高は前年同期を大幅に下回りました。
以上、化成品事業の売上高は50,225百万円(前年同期比5.1%減)となり、損益につきましては5,071百万円の営業利益(前年同期比1,325百万円の減少)となりました。
(2)財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ、減収により受取手形、売掛金及び契約資産が3,630百万円、政策保有株式の売却などにより投資有価証券が815百万円それぞれ減少する一方、現金及び預金が 5,546百万円、棚卸資産が1,937百万円増加したことなどにより、1,923百万円増加し223,013百万円となりました。
負債は仕入債務が4,286百万円減少したことなどにより、5,036百万円減少し108,192百万円となりました。
純資産は親会社株主に帰属する四半期純利益を5,672百万円計上したことなどにより、6,959百万円増加し114,821百万円となりました。また、自己資本比率は2.5%増加し49.3%になりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ、5,490百万円増加し、22,162百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、税金等調整前四半期純利益8,174百万円、減価償却費4,517百万円、投資有価証券売却益1,855百万円、運転資金の増減(売上債権及び契約資産、棚卸資産、仕入債務の増減合計額)による支出1,510百万円などにより、9,576百万円の収入(前年同期は4,357百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、投資有価証券の売却による収入2,028百万円などの一方で、有形固定資産の取得による支出4,093百万円などにより、1,766百万円の支出(前年同期は555百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、配当の支払による支出1,920百万円などにより、2,621百万円の支出(前年同期は9,713百万円の支出)となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,148百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。