【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間においては、連結売上高は、昨年12月に医薬品受託製造会社を買収した効果があったものの、樹脂・化成品セグメントにおいてナイロンポリマー・カプロラクタム等の販売数量が減少した影響が大きく、減収となりました。
連結営業利益は、機能品セグメント、機械セグメントの販売が堅調に推移し、また医薬品受託製造会社を買収した効果があったものの、樹脂・化成品セグメントにおいてナイロンポリマー・カプロラクタム等の販売価格が下落した影響が大きく、減益となりました。
連結経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、セメント関連事業(持分法適用関連会社)において石炭等エネルギー価格高騰を反映させた販売価格への是正等を進めたことにより持分法投資損益が改善し、増益となりました。
この結果、当社グループの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ267億2百万円減の2,180億7千9百万円、連結営業利益は32億9千8百万円減の52億2千1百万円、連結経常利益は140億4千7百万円増の113億3百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は102億7千7百万円増の90億1千9百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
機能品
ポリイミド事業は、ディスプレイ需要減退の中、総じて販売が横ばいで推移したことから、前年同四半期連結累計期間並みの連結売上高となりました。
分離膜事業は、バイオガス関連用途を中心に需要が好調に推移したことから、増収となりました。
セラミックス事業は、軸受や基板用途の需要が好調に推移したことから、増収となりました。
セパレータ事業は、自動車生産が低調に推移した影響等を受け、減収となりました。
機能品セグメント全体としては、連結売上高については分離膜事業、セラミックス事業の増収をセパレータ事業等の減収が上回りましたが、連結営業利益については分離膜事業、セラミックス事業の需要好調の効果が大きく、減収増益となりました。
この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ4億9千4百万円減の312億6千5百万円、連結営業利益は1億3千4百万円増の56億5千万円となりました。
樹脂・化成品
パフォーマンスポリマー&ケミカルズ事業
コンポジット事業は、海外市場における自動車生産の回復により販売数量が増加したことから、増収となりました。
ナイロンポリマー事業は、食品包装フィルム用途等の需要が減退したことに加え、原料カプロラクタムの市況下落等により販売価格も下落したことから、減収となりました。
カプロラクタム・硫安事業は、需要減退により販売数量が減少し、ベンゼンやアンモニア等原料市況の下落等により製品の販売価格も下落したことから、減収となりました。
工業薬品事業は、アンモニア工場で隔年実施の定期修理がなく販売数量が増加したことから、増収となりました。
ファインケミカル事業は、製品市況下落に伴い販売価格が下落したことに加え、需要減退により販売数量も減少したことから、減収となりました。
エラストマー事業
海外拠点の拡販により販売数量が増加したことから、増収となりました。
樹脂・化成品セグメント全体としては、アンモニア工場における隔年の定期修理はなかったものの、需要減退によるナイロンポリマー・カプロラクタムの販売数量減少及び販売価格下落の影響等が大きく、減収減益となりました。
この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ293億3千万円減の1,201億5千7百万円、連結営業損益は47億9千8百万円減の23億9千3百万円の損失となりました。
機械
成形機事業は、自動車産業の設備投資が減速したことから、減収となりました。
産機事業は、機械製品に対するメンテナンス等サービスが堅調に推移したことから、増収となりました。
製鋼事業は、国内外の需要減退により販売数量が減少したことから、減収となりました。
機械セグメント全体としては、成形機事業や製鋼事業における減収が大きく連結売上高は減少しましたが、連結営業利益については成形機事業、産機事業ともにサービスが堅調に推移し、また製鋼事業において原材料価格が下落したことから、増益となりました。
この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ26億5百万円減の426億5千3百万円、連結営業利益は9億3千1百万円増の21億5千2百万円となりました。
その他
医薬事業は、昨年12月に医薬品受託製造会社(㈱エーピーアイコーポレーション)を買収した効果により、増収となりました。
電力事業は、石炭価格の下落に伴い売電価格も下落したことにより、減収となりました。
その他セグメント全体としては、医薬品受託製造会社を買収した効果が大きく、増収増益となりました。
この結果、その他の連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ46億1千6百万円増の379億7千7百万円、連結営業利益は1億9千5百万円増の14億1千8百万円となりました。
セメント関連事業(持分法適用関連会社「UBE三菱セメント㈱」)
国内市場では、セメントの販売数量は減少しましたが、石炭等エネルギー価格高騰を反映させた販売価格への是正とコスト改善を行いました。海外(北米)市場では、前年第4四半期連結会計期間に天候不順により滞っていた生コンの出荷があり、また販売価格も上昇したことにより、採算が改善しました。これにより、セメント関連事業の損益は大幅に改善しました。
この結果、同事業に係る持分法による投資利益は前年同四半期連結累計期間に比べ195億6千1百万円増の68億7千4百万円となりました。
財政状態は次のとおりです。
総資産
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ106億5千3百万円増加し、7,433億3千4百万円となりました。これは受取手形、売掛金及び契約資産が減少したものの、投資有価証券等が増加したこと等によるものです。
負債
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ95億1千1百万円減少し、3,415億3千9百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が減少したこと等によるものです。
純資産
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ201億6千4百万円増加し、4,017億9千5百万円となりました。これは為替換算調整勘定の増加や、親会社株主に帰属する四半期純利益が剰余金の配当等を上回ったため利益剰余金が増加したこと等によるものです。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度に比べ1.9ポイント増加し、51.3%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は234億3千1百万円(前年同四半期連結累計期間に比べ121億7千万円の増加)となりました。これは税金等調整前四半期純利益、減価償却費、運転資金の増減等から法人税等の支払額を控除した結果となります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は176億9百万円(前年同四半期連結累計期間に比べ119億1千6百万円の増加)となりました。これは設備投資による支出等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は91億4千8百万円(前年同四半期連結累計期間に比べ57億4千7百万円の減少)となりました。これは配当金の支払いや有利子負債の減少等によるものです。
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額等を含め、前連結会計年度末に比べ22億1千万円減の284億9千3百万円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、51億6百万円です。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。