【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析
当第3四半期累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立が進行する一方で、地政学的リスクによるエネルギー価格の高騰等にともなうインフレの進行と各国の金融引き締め政策による景気減速に加え、いまだ新型コロナウイルス感染症への警戒感も払拭できない中、厳しい状況で推移しました。
このような経済環境の中で、当社の属するファインケミカル業界につきましては、円安の継続や原材料、エネルギー価格の高騰と供給不安等から売上・収益環境は極めて厳しい状況でありました。
具体的な当社の当第3四半期累計期間における業績は売上面では、化学品事業で主力製品である紫外線吸収剤に加えて電子材料や写真薬中間体が減収となったものの、受託製造製品等の増収でカバーし増収となりました。ホーム産業事業では、木材保存薬剤の販売減少が影響し減収となりました。売上高全体では、前年同四半期比137百万円増の7,360百万円(前年同四半期比1.9%増)で着地いたしました。利益面では、受託製造製品等の積極的取り込みを継続したものの紫外線吸収剤等の販売減少に加え、急激な製造コスト増加もあり営業利益は356百万円(同29.2%減)、経常利益は営業外費用として生産休止費用を135百万円計上し181百万円(同40.5%減)となりました。税引前四半期純利益については、特別損益の計上がなかったことから181百万円(同40.5%減)となりました。四半期純利益については、法人税、住民税及び事業税が32百万円、法人税等調整額が29百万円となり119百万円(同40.8%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当第3四半期累計期間の売上高は、主力製品である紫外線吸収剤が前年同四半期比45百万円減の4,046百万円(前年同四半期比1.1%減)となったことに加えて、電子材料が同63百万円減の80百万円(同43.9%減)、写真薬中間体22百万円減の163百万円(同12.1%減)となる一方で、受託製造製品が同269百万円増の1,569百万円(同20.7%増)、製紙用薬剤が同9百万円増の266百万円(同3.6%増)、酸化防止剤が同2百万円増の420百万円(同0.7%増)となり、全体では同158百万円増の6,601百万円(同2.5%増)となりました。また、セグメント利益は613百万円(同21.1%減)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当第3四半期累計期間の売上高は、木材保存薬剤の売上高が前年同四半期比15百万円減の598百万円(前年同四半期比2.5%減)、その他が同5百万円減の159百万円(同3.5%減)となったことから、全体では同21百万円減の758百万円(同2.7%減)となりました。また、セグメント利益は51百万円(同3.4%増)を計上いたしました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期末(以下「当四半期末」という。)の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という。)比469百万円増加し、13,922百万円となりました。流動資産は同627百万円増の8,549百万円、固定資産は同158百万円減の5,372百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、商品及び製品が812百万円、原材料及び貯蔵品が369百万円、その他の流動資産が136百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が767百万円減少したことなどによるものであり、固定資産の減少の主な要因は、有形固定資産のその他(純額)が121百万円減少したことなどによるものであります。
当四半期末の負債は、前期末比403百万円増加し、9,281百万円となりました。流動負債は同456百万円増の6,830百万円、固定負債は同53百万円減の2,451百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が503百万円、電子記録債務が180百万円それぞれ増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が87百万円減少したことなどによるものであり、固定負債の減少の主な要因は、長期借入金が115百万円減少したことなどによるものであります。
当四半期末の純資産は、前期末比66百万円増加し4,640百万円となりました。純資産の増加の主な要因は、四半期純利益を119百万円計上した一方で、配当金の支払66百万円があったことなどによるものであります。この結果、自己資本比率は33.3%となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は155百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。