【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の分析
当第2四半期累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立により正常化が進む中、持ち直しの動きが継続しました。しかしながら、世界的なインフレと各国の金融引き締め政策に加え、地政学的リスクがエネルギー価格等に与える影響が深刻となり、新型コロナウイルス感染症への警戒感も払拭できない中、経済動向は不透明かつ流動的に推移しました。
このような経済環境の中で、当社の属するファインケミカル業界につきましては、更なる円安の進行もあいまって、原材料やエネルギー価格の高騰と供給不安等が継続し、売上・収益環境は極めて厳しい状況でありました。
具体的な当社の当第2四半期累計期間における業績は売上面では、化学品事業で主力製品である紫外線吸収剤や受託製造製品、製紙用薬剤での増収が他の製品の減収をカバーし増収となりました。ホーム産業事業では、木材保存薬剤の販売減少が影響し減収となりました。売上高全体では、前年同四半期比480百万円増の5,293百万円(前年同四半期比10.0%増)で着地いたしました。利益面では、紫外線吸収剤等の販売増加に加え、受託製造製品等の積極的取り込みを継続したものの、営業利益は340百万円(同18.6%減)、経常利益は営業外費用として生産休止費用を99百万円計上し210百万円(同23.8%減)となりました。税引前四半期純利益については、特別損益の計上がなかったことから210百万円(同23.8%減)となりました。四半期純利益については、法人税、住民税及び事業税が56百万円、法人税等調整額が15百万円となり138百万円(同24.9%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当第2四半期累計期間の売上高は、主力製品である紫外線吸収剤が前年同四半期比344百万円増の2,910百万円(前年同四半期比13.4%増)となった他、受託製造製品が同224百万円増の1,155百万円(同24.1%増)、製紙用薬剤が同43百万円増の195百万円(同28.6%増)となる一方で、電子材料が同64百万円減の63百万円(同50.3%減)、酸化防止剤が同40百万円減の262百万円(同13.3%減)、写真薬中間体が同25百万円減の108百万円(同19.2%減)となり、全体では同485百万円増の4,728百万円(同11.5%増)となりました。また、セグメント利益は504百万円(同14.3%減)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当第2四半期累計期間の売上高は、木材保存薬剤の売上高が前年同四半期比9百万円減の442百万円(前年同四半期比2.1%減)となる一方で、その他が同3百万円増の122百万円(同2.9%増)となったことから、全体では同5百万円減の565百万円(同1.0%減)となりました。また、セグメント利益は45百万円(同11.9%増)を計上いたしました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期末(以下「当四半期末」という。)の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という。)比8百万円増加し、13,461百万円となりました。流動資産は同66百万円増の7,987百万円、固定資産は同57百万円減の5,474百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、原材料及び貯蔵品が383百万円、その他の流動資産が135百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が516百万円減少したことなどによるものであり、固定資産の減少の主な要因は、有形固定資産のその他(純額)が39百万円、投資その他の資産のその他が20百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
当四半期末の負債は、前期末比57百万円減少し、8,820百万円となりました。流動負債は同259百万円増の6,632百万円、固定負債は同316百万円減の2,187百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が302百万円、電子記録債務が156百万円それぞれ増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が137百万円、その他の流動負債が77百万円減少したことなどによるものであり、固定負債の減少の主な要因は、長期借入金が397百万円減少した一方で、その他の固定負債が71百万円増加したことなどによるものであります。
当四半期末の純資産は、前期末比66百万円増加し4,641百万円となりました。純資産の増加の主な要因は、四半期純利益を138百万円計上した一方で、配当金の支払66百万円があったことなどによるものであります。この結果、自己資本比率は34.5%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては252百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては100百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては670百万円の支出となった結果、前事業年度末に比し519百万円減少し、1,389百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、252百万円(前年同四半期比76.1%減)となりました。
これは主に、税引前四半期純利益が210百万円計上されたこと、減価償却費が237百万円計上されたこと、棚卸資産の増加額△405百万円、仕入債務の増加額459百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、100百万円(前年同四半期比32.3%増)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出99百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、670百万円(前年同四半期比5.3%増)となりました。
これは主に、短期借入れによる収入2,515百万円、短期借入金の返済による支出2,515百万円、長期借入金の返済による支出535百万円を反映したものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、100百万円であります。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。