【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和などにより社会活動の正常化が進み、緩やかな景気回復の兆しが見え始めました。一方で、世界的な金融引締めや為替相場の変動、エネルギー価格の高騰などもあり、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループは、2023年3月期までをBSR展開期、2026年3月期までをBSR拡大期とし、BSR拡大期の最終年度では売上高で100億円、営業利益30億円の実現を目指しております。
そのような計画のもと、当連結会計年度につきましては、(ⅰ)既存フロービジネスの売上増大(ⅱ)「AmiVoice® Cloud Platform(ACP:アミボイスエンジンのクラウド利用のプラットフォーム)」と「AmiVoice® Cloud Service(ACS:アミボイスのクラウドアプリ/サービス)」のサブスクリプションユーザーの増大(ⅲ)顧客のDXを促進するスピーチDXのプラットフォーム「AmiVoice® DX Platform(ADP)」の市場導入を進めました。
その結果、各企業におけるDX推進のニーズに対してAI音声認識AmiVoice®の需要が増大しユーザー数が増加したことにより、特にCTI事業部及びVoXT事業部が増収増益となり売上高、営業利益、経常利益において過去最高を達成いたしました。
売上高に関しましては、BSR1(第一の成長エンジン)において、CTI事業部及びVoXT事業部の増収により前年同期比15.5%増となりました。また、BSR2(第二の成長エンジン)において、ビジネス開発センターが増収し、前年同期比で19.9%増となりました。よって、当社グループ全体で、前年同期比16.1%増収し過去最高の売上高となりました。
営業利益につきましては、BSR1(第一の成長エンジン)において、CTI事業部及びVoXT事業部の増益により、前年同期比25.4%の増益となりました。また、BSR2(第二の成長エンジン)において、ビジネス開発センターが増益し、前年同期比で赤字幅が縮小いたしました。よって、当社グループ全体で、前年同期比31.3%と大幅な増益となりました。経常利益につきましては、営業利益の増益等により前年同期比20.7%増益し過去最高益となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期比93.6%と大幅な増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,180百万円(前年同期は売上高4,461百万円)、営業利益1,080百万円(前年同期は営業利益823百万円)、経常利益1,121百万円(前年同期は経常利益929百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益867百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益448百万円)となりました。
音声事業の各分野別の状況は、以下のとおりであります。
BSR1の状況(連結調整前)
売上高
(前年同期比)
営業利益
(前年同期比)
BSR1(第一の成長エンジン)
4,531百万円
15.5%増
1,154百万円
25.4%増
CTI事業部(BSR1)
SCSK株式会社、三井情報株式会社、株式会社野村総合研究所などの販売パートナー、りらいあコミュニケーションズ株式会社、トランスコスモス株式会社などの開発パートナー/エンドユーザー企業の活発な活動により、コンタクトセンター向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice® Communication Suite」のビジネスが好調に推移し増収増益となりました。
ストック比率:前期末67.2%→今期末66.3%
ライセンス数(累計):前期末56,120→今期末66,730
VoXT事業部(BSR1)
AI音声認識AmiVoice®を活用した議事録作成・文字起こし支援アプリケーション/サービスの需要の増大により、ユーザー数が増加し増収増益となりました。
また、音声認識辞書をお客様ごとにチューニングするオプションサービス「AmiVoice® ScribeAssist チューニングプラン」や、地方自治体における行政機関専用のコンピュータネットワークである「LGWAN」に対応した、AI音声認識文字起こしサービス「ProVoXT for LGWAN」の提供を開始し地方自治体とのトライアルや提案を進めました。
ストック比率:前期末79.2%→今期末91.6%
導入施設数(自治体・民間:累計):前期末1,082→今期末1,416
医療事業部(BSR1)
2024年4月から開始される「医師の働き方改革」で、医師の勤務時間の適正化に向けた取り組みが必要となっております。それに伴い、病院における医師に加え看護師、医療従事者の長時間労働の削減や生産性向上へのニーズが高まっており、主力製品であるAI音声入力ソフト「AmiVoice® Ex7」シリーズや、医療向けAI音声認識ワークシェアリングサービス「AmiVoice® iNote」の提案を進めました。また、新製品として医療分野向けアプリケーション“声キーボード”「AmiVoice® VK-MED」及び、“声マウス”「AmiVoice® VM-MED」をリリースし、トライアルや提案を始めました。
一方で、病院やクリニックの一部の医師や看護師に対しての製品提案から、病院やクリニック全体に対する上記課題解決のソリューション提案への転換が遅れたこともあり、減収減益となりました。
ストック比率:前期末26.9%→今期末32.0%
ライセンス数(累計):前期末46,217→今期末49,398
SDX事業部(旧STF事業部)(BSR1)
顧客のDX化を促進するスピーチDXのプラットフォーム「AmiVoice® DX Platform(ADP)」の市場導入として、キーボードやマウス操作の効率化に資するアプリケーション“声キーボード”「AmiVoice® VK」及び、“声マウス”「AmiVoice® VM」シリーズを医療、官公庁、一般企業向けへリリースを開始しました。
また、AI音声認識AmiVoice®のAPIなどを提供するボイステックプラットフォーム(ACPを含むアミボイスエンジン・プラットフォーム)の利用企業数及び利用時間数が堅調に増加しました。
よって、増収するとともに前期の赤字から黒字へと転換いたしました。
ストック比率:前期末70.4%→今期末70.8%
API関連ユーザー数(累計):前期末1,872→今期末2,870
BSR2の状況(連結調整前)
売上高
(前年同期比)
営業利益
(前年同期比)
BSR2(第二の成長エンジン)
681百万円
19.9%増
△82百万円
―
海外事業部・ビジネス開発センター(BSR2)
ビジネス開発センターは、2024年4月から適用される建設業における残業規制に対するDX化による生産性向上へのニーズの高まりにより、建設業界向け建築工程管理のプラットフォームサービス「AmiVoice® スーパーインスペクションプラットフォーム(SIP)」のユーザー数を増加させ、増収増益となりました。
ライセンス数(累計):前期末33,682→今期末44,162
海外事業部は、収益改善を進め赤字幅を縮小させました。
連結子会社(BSR2)
AMIVOICE THAI CO., LTD.(タイ王国)は、主要顧客に対する案件獲得を進めたものの、新型コロナウイルス感染症による経済活動停滞の影響を受け、ほぼ前年同期並みの売上高と営業損失となりました。
株式会社速記センターつくばは、自治体向け・裁判所向け・民間向け案件の受注獲得等を進め増収増益となりました。
(財政状態の状況)
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は9,634百万円となり、前連結会計年度末に比べ167百万円減少いたしました。これは主に金銭の信託が200百万円増加したものの、現金及び預金が534百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は5,194百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,823百万円増加いたしました。これは主に金銭の信託が956百万円、投資有価証券が595百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は14,828百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,655百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,362百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,007百万円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が768百万円、売上に関する前受金が253百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,660百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が2,680百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は5,120百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,668百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は9,707百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,012百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益867百万円を計上したものの、自己株式の取得等により2,790百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は65.2%(前連結会計年度末は88.7%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
営業活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額)
1,149
1,266
投資活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額)
△367
△2,861
財務活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額)
–
601
現金及び現金同等物に係る換算差額
52
7
現金及び現金同等物増減額(△は減少)
834
△985
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ985百万円減少し、5,704百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果、獲得した資金は1,266百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,155百万円を計上したことによるものであります。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果、使用した資金は2,861百万円となりました。これは定期預金の預入による支出2,300百万円、定期預金の払戻による収入1,600百万円、金銭の信託の取得による支出1,000百万円、投資有価証券の取得による支出846百万円等によるものであります。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果、獲得した資金は601百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入4,000百万円、長期借入金の返済による支出551百万円、自己株式の取得による支出2,848百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
音声事業(百万円)
1,299
122.2
合計(百万円)
1,299
122.2
(注) 生産実績は当期総製造費用で表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
音声事業
5,471
117.2
1,505
124.0
合計
5,471
117.2
1,505
124.0
(注) 上記の金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
音声事業(百万円)
5,180
116.1
合計(百万円)
5,180
116.1
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮説
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りによって作成されております。具体的には、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度につきましては、(ⅰ)既存フロービジネスの売上増大(ⅱ)「AmiVoice® Cloud Platform(ACP:アミボイスエンジンのクラウド利用のプラットフォーム)」と「AmiVoice® Cloud Service(ACS: アミボイスのクラウドアプリ/サービス)」のサブスクリプションユーザーの増大(ⅲ)顧客のDXを促進するスピーチDXの プラットフォーム「AmiVoice® DX Platform(ADP)」の市場導入を進めました。
その結果、各企業におけるDX推進のニーズに対してAI音声認識AmiVoice(アミボイス)の需要が増大しユーザー数が増加、特に、CTI事業部及びVoXT事業部の増収増益により売上高、営業利益、経常利益において過去最高を達成いたしました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
音声認識分野にGoogle、Apple、Amazonなどの欧米系巨大企業や、国内大手企業やベンチャー企業が参入し、市場競争が活発化する中での収益拡大が重要になります。そのような中、当社グループは巨大企業などの競合企業が提供する汎用型の音声認識ではなく、長年の経験、ノウハウとデータの蓄積に裏付けされた、領域特化型高精度のAI音声認識により市場競争に勝ち、収益拡大を行ってまいります。
また当社は、生成AI・「Chat GPT注)」で価値が顕在化した大規模言語モデルを音声認識に適用しビジネス化に成功した先駆的な会社です。この先行体験、蓄積データやノウハウなどで汎用型「Chat GPT」などではできない、利用企業に特化した特化型「GPT」を市場投下すると共に、「Chat GPT」が前提とするテキストによる質問入力などのキーボード入力の非効率性を改善する当社ならではのAI音声認識製品も普及させてまいります。
更には、「Chat GPT」などは人がうまく使えば効能を発揮する副操縦士であり、そのための手段としても音声認識が必要となります。これは、まさに当社が掲げている“AIが人を助け、また、人がAIを使って能力を高める”「AISH(AI Super Humanization)」の未来が始まりつつあり、AI音声認識が極めて重要な役割を担うと考えております。
一方で、想定通りの市場拡大ができず、想定していた以上の期間を要する可能性もあります。
その他の要因については、「3 事業等のリスク」を参照ください。
注)大規模言語モデルを巧みに使い質問に対して人のような回答を返す仕組み。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ985百万円減少し、5,704百万円となりました。
当連結会計年度においても、安定的に利益を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す財務体質への改善が進みました。今後も営業利益率を向上させることで、さらなる財務体質の改善を進めてまいります。
当社グループは流動性かつ安全性の高い現金及び預金を有しており、事業活動を推進する上で当面の必要な資金は既に確保しています。
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