【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末(56,009百万円)と比較して2,153百万円増加し、58,163百万円となりました。これは、現金及び預金、売上債権並びに棚卸資産の増加等を主因として、流動資産が2,766百万円増加した一方で、拠点展開の整備等による有形固定資産の増加等があったものの、のれんの減損損失の計上及び償却による無形固定資産の減少等を主因として、固定資産が612百万円減少したことによります。
負債合計は、前連結会計年度末(23,942百万円)と比較して935百万円増加し、24,878百万円となりました。これは、短期借入金の返済による減少等があったものの、仕入債務及び未払消費税等の増加等を主因として、流動負債が647百万円増加したとともに、長期借入金の増加等を主因として、固定負債が288百万円増加したことによります。
純資産合計は、前連結会計年度末(32,066百万円)と比較して1,218百万円増加し、33,285百万円となりました。これは、剰余金の配当844百万円の支払いによる減少等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益2,414百万円の計上による増加等があったことによります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末(53.7%)比、0.1ポイント改善し、53.8%となりました。
② 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展などにより経済社会活動の制限が緩和され、一部に弱さがみられるものの持ち直してまいりました。しかしながら、原油や資材価格の高騰などに起因する景気下振れリスクの高まりなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループ関連業界におきましては、民間設備投資が持ち直していることに加え、公共投資や住宅投資が底堅く推移しております。
このような状況のもとで、当社グループは、新型コロナウイルス感染症対策を講じつつ、新規販売先の開拓や休眠客の掘り起こし、新商材の拡販などの営業活動に取り組んでまいりました。また、2021年10月には栗山アルミ株式会社を子会社化するなど、当社グループの成長を加速する各種施策も推進しております。なお、現在の事業環境を踏まえて将来の回収可能性を検討した結果、のれんの一部を減損処理いたしました。
以上の結果、建設需要の回復や資材価格高騰分の販売価格への転嫁に加え、前連結会計年度に子会社化した栗山アルミ株式会社の売上高が寄与し、当連結会計年度の売上高は75,447百万円(前期比14.1%増)と増収になりました。
利益面につきましては、売上総利益率の低下、運賃や人件費を中心とする販売費及び一般管理費の増加などを増収効果で吸収したことにより、営業利益は4,355百万円(同21.2%増)、経常利益は4,563百万円(同19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,414百万円(同5.7%増)と増益になりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、当社グループの報告セグメントは「産業資材」、「鉄構資材」、「電設資材」から、「産業資材」、「鉄構資材」、「電設資材」、「足場工事」に変更いたしました。そのため、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
<産業資材>
前連結会計年度に子会社化した栗山アルミ株式会社の売上高が寄与したことに加え、製造原価や仕入価格上昇分の販売価格への転嫁等の結果、当セグメントの売上高は37,610百万円(前期比11.1%増)となりました。利益面につきましては、製造原価や仕入価格上昇分の販売価格への転嫁を進めたことに加え、人件費の増加に伴う販売費及び一般管理費の増加を増収効果で吸収した結果、セグメント利益は2,352百万円(同17.9%増)となりました。
<鉄構資材>
大型物件を中心とした鉄骨需要の回復や製造原価や仕入価格上昇分の販売価格への転嫁により、鉄骨部材、アンカーボルト、ブレースなどが好調に推移した結果、当セグメントの売上高は19,963百万円(前期比24.0%増)となりました。利益面につきましては、製造原価や仕入価格上昇分の販売価格への転嫁を進めたことに加え、運賃や人件費を中心とする販売費及び一般管理費の増加を増収効果で吸収した結果、セグメント利益は1,712百万円(同31.2%増)となりました。
<電設資材>
設備投資の回復や半導体不足による商品供給遅延が解消するとともに、メーカー各社からの仕入価格の引き上げ等に応じた価格設定と店舗LED化等カーボンニュートラルに順じた営業展開を推進した結果、当セグメントの売上高は9,502百万円(前期比10.4%増)となりました。利益面につきましては、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁、仕入価格引下げ交渉の徹底、特値の活用、売上総利益率を意識した営業展開に加え、販売費及び一般管理費の増加を増収効果で吸収した結果、セグメント利益は313百万円(同34.2%増)となりました。
<足場工事>
民間建設投資は回復傾向にあるものの住宅物件の需要減少により工事売上がほぼ横ばいとなりましたが、複数のスポット受注や足場機材価格の上昇に伴うレンタル需要の増加により足場機材の販売やレンタル売上が好調に推移した結果、当セグメントの売上高は8,371百万円(前期比10.6%増)となりました。利益面につきましては、外注工事比率の増加等による売上総利益率の低下に加え、人件費を中心に販売費及び一般管理費が増加した結果、セグメント損失は3百万円(前期はセグメント利益91百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末(10,164百万円)と比較して569百万円増加し、10,733百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、前年同期に獲得した資金(1,227百万円)と比較して2,734百万円増加し、3,961百万円の資金を獲得しました。
これは、売上債権の増加1,793百万円、棚卸資産の増加949百万円及び法人税等の支払い1,386百万円等により資金を使用した一方で、税金等調整前当期純利益の計上3,957百万円、減価償却費の計上1,134百万円、減損損失の計上611百万円、仕入債務の増加1,292百万円等により資金を獲得したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、前年同期に使用した資金(2,373百万円)と比較して983百万円減少し、1,389百万円の資金を使用しました。
これは、有形固定資産の取得1,377百万円等により資金を使用したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、前年同期に使用した資金(22百万円)と比較して2,002百万円増加し、2,025百万円の資金を使用しました。
これは、短期借入金の純減少額1,000百万円及び配当金の支払い843百万円等により、資金を使用したことによります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
産業資材
6,889
127.6
鉄構資材
6,334
121.3
電設資材
-
-
足場工事
-
-
合計
13,224
124.5
(注)
金額は販売価格により表示しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(百万円)
前年同期比(%)
産業資材
24,097
104.9
鉄構資材
11,118
115.2
電設資材
8,219
110.8
足場工事
6,301
115.8
合計
49,736
109.3
(注)
金額は仕入価格により表示しております。
c.受注実績
当社グループは主に見込み生産を行っておりますが、足場工事セグメントにおける請負工事については受注生産を行っておりますので、請負工事についてのみ記載しております。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
産業資材
-
-
鉄構資材
-
-
電設資材
-
-
足場工事
6,938
101.7
合計
6,938
101.7
d.販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績」に記載しております。なお、総販売実績に対し、100分の10以上に該当する主要な販売先はありませんので記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当社グループの連結財務諸表の作成における、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等に重要な影響を与える要因については、第一部「企業情報」第2「事業の状況」3「事業等のリスク」に記載のとおりであります。
a.売上高、営業利益
足場工事は増収減益となりましたが、産業資材、鉄構資材及び電設資材が増収増益となった結果、当連結会計年度の売上高は75,447百万円(前期比14.1%増)、営業利益は4,355百万円(同21.2%増)と増収増益になりました。
産業資材は、前連結会計年度に子会社化した栗山アルミ株式会社の業績が寄与したことに加え、製造原価や仕入価格の上昇分の販売価格への転嫁を進めるなど、各種コスト上昇による売上総利益率の低下や販売費及び一般管理費の増加を増収効果で吸収したことにより増収増益となりました。
鉄構資材は、大型物件を中心とした鉄骨需要が回復したことに加え、製造原価や仕入価格上昇分の販売価格への転嫁を進めるなど、各種コスト上昇による売上総利益率の低下や販売費及び一般管理費の増加を増収効果で吸収したことにより増収増益となりました。
電設資材は、設備投資の回復や半導体不足による商品供給遅延が解消するとともに、店舗LED化等カーボンニュートラルに順じた営業展開の推進や、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁を進めたことによる売上総利益率の上昇に加え、販売費及び一般管理費の増加を増収効果で吸収したことにより増収増益となりました。
足場工事は、複数のスポット受注や足場機材価格の上昇に伴うレンタル需要の増加により足場機材の販売やレンタル売上が好調に推移したものの、外注工事比率の増加等による売上総利益率の低下に加え、販売費及び一般管理費が増加したことにより増収減益となりました。
セグメント
前連結会計年度
当連結会計年度
増減率
産業資材
売上高
33,861百万円
37,610百万円
+11.1%
(構成比)
(51.2%)
(49.8%)
営業利益
1,995百万円
2,352百万円
+17.9%
(利益率)
(5.9%)
(6.3%)
鉄構資材
売上高
16,098百万円
19,963百万円
+24.0%
(構成比)
(24.3%)
(26.5%)
営業利益
1,304百万円
1,712百万円
+31.2%
(利益率)
(8.1%)
(8.6%)
電設資材
売上高
8,610百万円
9,502百万円
+10.4%
(構成比)
(13.0%)
(12.6%)
営業利益
233百万円
313百万円
+34.2%
(利益率)
(2.7%)
(3.3%)
足場工事
売上高
7,568百万円
8,371百万円
+10.6%
(構成比)
(11.5%)
(11.1%)
営業利益
91百万円
△3百万円
-
(利益率)
(1.2%)
(-)
b.経常利益
営業利益が増益となった結果、当連結会計年度の経常利益は4,563百万円(同19.8%増)と増益になりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
株式会社フコクの株式取得時に認識したのれんの減損損失611百万円を計上したものの、経常利益が増益となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,414百万円(同5.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金及び設備投資等資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。
この方針に従い、主に自己資金を充当し、当社グループの当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より継続して、拠点展開の整備及び生産設備の更新等を中心とした有形固定資産の取得等に資金を使用しております。また、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローでは、金融機関からの借入の返済を実施することで負債と資本のバランスに配慮しつつ、株主還元としての自己株式の取得及び連結純資産配当率(DOE)を指標とした配当金の支払いを行っております。
今後の資金需要のうち主なものは、運転資金の他、生産設備の更新や拠点の移転・建替等の設備投資やM&A等の戦略投資等で、主に自己資金を充当する予定でありますが、新型コロナウイルス感染症等の治療法が確立されていない感染症が流行し、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性が、翌連結会計年度においても起こり得るものと認識しております。その場合においても、基本方針に基づき、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5
経理の状況
1 連結財務諸表等
(1)連結財務諸表
注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
④ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、M&A等による戦略投資、成長に向けた積極的な事業投資の拡大による収益力向上に努めるとともに、資本効率向上に取り組むため、資本効率を示す自己資本当期純利益率(ROE)を主要な経営指標とし、ROE10%以上を目標としております。
当連結会計年度におけるROEは7.9%となりました。
労働力不足による物件の進捗遅れや資材価格の高騰に起因する設備投資の抑制などが懸念されますが、生産性の向上や成長戦略の実行に必要となる設備投資や人的資本への継続的な投資等、当社グループの長期的な企業価値向上につながる投資を実行しております。
今後も引き続きROE10%以上という目標達成に向けた様々な取り組みを進めてまいります。
