【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、社会経済活動の正常化が進んだことから、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、ロシア・ウクライナ問題の長期化や、米欧の金融引き締め、中国経済の回復の遅れ、物価上昇による消費意欲の冷え込みなどにより、世界経済は厳しい状況となりました。化学業界におきましては、世界的な需要の鈍化や用役費の値上がりなどがマイナス要因となり、厳しい状況が続きました。このような経営環境下、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は、海外の自動車関連や電子情報材料関連を中心とする需要の低迷や、原料不足による石油樹脂の減産等により、前年同期比465百万円、3.6%減収の12,627百万円となりました。損益面につきましては、売上高の減少による収益へのマイナス影響に加え、用役費の値上がりに対する製品価格の値上げの遅れや、2023年2月26日に発覚した当社サーバーへの不正アクセスに係る対応費用及び情報セキュリティ強化対策費用の発生もあり、営業損益は34百万円の損失(前年同期は35百万円の利益)、経常損益は26百万円の損失(前年同期は9百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損益は31百万円の損失(前年同期は22百万円の損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(界面活性剤)香粧原料は、一般洗浄剤の大口ユーザー向け販売の減少等により減収となりました。プラスチック用添加剤は、帯電防止剤等の販売が振るわず減収となりました。土木建築用薬剤は、中国での販売がやや回復し増収となりました。農薬助剤は、国内外ともに低調で減収となりました。繊維助剤は、中国での販売がやや回復し増収となりました。紙パルプ用薬剤は、消泡剤等が伸長し増収となりました。その結果、当セグメント全体の売上高は、販売数量は減少したものの製品売価の上昇により前年同期比109百万円、1.5%増収の7,235百万円となりました。一方、セグメント利益は、収益性が高い製品の販売低迷並びに用役費の値上がりに対する製品価格の値上げの遅れにより前年同期比128百万円減益の10百万円となりました。
(樹脂)石油樹脂は、原料不足による減産の影響で大幅な減収となりました。合成樹脂は、自動車部品向け等の販売が減少し減収となりました。樹脂エマルションは、ガラス繊維用薬剤等の販売伸長により増収となりました。アクリレートは、中国における電子情報材料関連の需要の落ち込みを主因に大幅な減収となりました。その結果、当セグメント全体の売上高は、前年同期比317百万円、25.9%減収の907百万円となり、セグメント損益は、47百万円の損失(前年同期は45百万円の損失)となりました。
(化成品)合成ゴム・ABS樹脂用ロジン系乳化重合剤は、海外の自動車関連需要が低調で大幅な減収となりました。金属加工油剤は、水溶性切削油剤等の販売数量が減少したものの、製品売価の上昇により増収となりました。石油添加剤は、国内外ともに販売数量は減少したものの、製品売価の上昇により増収となりました。その結果、当セグメント全体の売上高は、前年同期比457百万円、24.8%減収の1,390百万円となり、セグメント損益は、10百万円の損失(前年同期は16百万円の利益)となりました。
(スペシャリティーケミカル)溶剤は、ブレーキ液基剤等の需要回復により増収となりました。電子情報産業用の微細加工用樹脂は、半導体不況の影響が表れはじめ、販売数量は計画比下振れしたものの、製品売価の上昇により増収となりました。その結果、当セグメント全体の売上高は、前年同期比194百万円、6.8%増収の3,067百万円となり、セグメント利益は、前年同期比93百万円増益の124百万円となりました。
なお、上記の各セグメント利益又は損失の前年同期比の数値は、(セグメント情報等)「報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報並びに収益の分解情報」の表における「報告セグメント」の比較情報です。その他に、各セグメントに帰属しない調整額(棚卸資産の調整額等)が△107百万円(前年同期は△99百万円)あります。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、67,716百万円と前期末比235百万円の減少となりました。その内訳は、流動資産が774百万円減少の36,194百万円、固定資産が539百万円増加の31,522百万円です。流動資産の主な増減要因は、現金及び預金が437百万円の増加、受取手形及び売掛金が998百万円の減少、前渡金や未収消費税等の減少を主因とするその他(流動資産)が199百万円の減少です。固定資産の主な増減要因は、有形固定資産が141百万円の増加、投資その他の資産が398百万円の増加です。負債合計は、49,784百万円と前期末比402百万円の減少となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金が1,202百万円の減少、短期借入金が787百万円の増加、1年内償還予定の社債が300百万円の減少、未払法人税等が223百万円の減少、賞与引当金が348百万円の減少、設備関係支払手形、預り金及び未払消費税等の増加を主因とするその他(流動負債)が633百万円の増加、長期借入金が304百万円の増加です。純資産は、17,932百万円と前期末比167百万円の増加となりました。主な増減要因は、利益剰余金が、配当金の支払いと親会社株主に帰属する四半期純損失により347百万円の減少、その他の包括利益累計額が515百万円の増加です。その結果、自己資本比率は26.4%となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営の基本方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、456百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。また、研究開発費は、セグメント別に関連づけられないものもあるため、セグメント別の研究開発費の金額は記載しておりません。