【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(自2022年4月1日
至2022年9月30日)のわが国経済は、原材料や原油価格の高騰などの影響を受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と社会経済活動の制限緩和の両立が進むもとで、持ち直しの動きとなりました。ただし、先行きについては各種供給制約の影響が和らぎ回復していくとみられるものの、今後のウクライナ情勢の展開、資源価格や海外経済・物価動向など、依然として不確実性が高い状況が続くと考えられます。この間、金融市場では、期末にかけて米国を中心に大幅な金融引き締めへの警戒感が強まり、急激な円安が進行するとともに、海外経済の減速懸念から、株価は下落しました。また、長期金利は日本銀行による強力な金融緩和政策が継続され、低水準での推移となりました。県内経済につきましても、一部に供給制約による下押しの影響がみられるものの、雇用・所得情勢がともに改善に向かいつつあり、設備投資が増加するなど基調としては持ち直しの動きとなりました。以上のような金融経済環境のもと、譲渡性預金を含めた預金につきましては、法人預金、個人預金が順調に増加したものの、公金預金が減少したことから、前連結会計年度末(2022年3月31日)比13億円減少し、当第2四半期連結会計期間末(2022年9月30日)残高は3兆2,992億円となりました。貸出金につきましては、地公体等向け貸出金が減少したものの、事業性貸出金や個人ローンが増加したことから、前連結会計年度末比155億円増加し、当第2四半期連結会計期間末残高は2兆1,325億円となりました。有価証券につきましては、市場動向を注視し、安定的な収益を確保するとともにポートフォリオのリスク抑制に努めた結果、外国証券の減少を主因として前連結会計年度末比615億円減少し、当第2四半期連結会計期間末残高は9,703億円となりました。また、有価証券の評価損益は、前連結会計年度末比225億円減少し、628億円の評価益となりました。当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、経常収益は、役務取引等収益が減収となったものの、株式等売却益や金融派生商品収益が増収となったことなどから、前第2四半期連結累計期間(自2021年4月1日
至2021年9月30日)比72億59百万円増収の402億66百万円となりました。一方、経常費用は、貸倒引当金繰入額が減少となったものの、外国債券を中心に国債等債券売却損が増加したことなどから、前第2四半期連結累計期間比64億88百万円増加の324億73百万円となりました。この結果、経常利益は、前第2四半期連結累計期間比7億71百万円増益の77億93百万円となり、親会社株主に帰属する中間純利益は、前第2四半期連結累計期間比3億50百万円増益の52億70百万円となりました。
国内・国際業務部門別収支当第2四半期連結累計期間の資金運用収支は、資金調達費用が増加したものの、有価証券利息配当金など資金運用収益が増収となったことなどから、前第2四半期連結累計期間比4億60百万円増益の184億49百万円となりました。部門別では、国内業務部門の資金運用収支は前第2四半期連結累計期間比7億44百万円増益の165億91百万円、国際業務部門の資金運用収支は前第2四半期連結累計期間比2億83百万円減益の18億58百万円となりました。役務取引等収支は、前第2四半期連結累計期間比1億7百万円減益の42億9百万円となりました。その他業務収支は、金融派生商品収益などその他業務収益が増収となったものの、国債等債券売却損などその他業務費用が増加したことなどから、前第2四半期連結累計期間比41億79百万円減益の△31億2百万円となりました。
種類
期別
国内業務部門
国際業務部門
相殺消去額(△)
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
資金運用収支
前第2四半期連結累計期間
15,846
2,141
―
17,988
当第2四半期連結累計期間
16,591
1,858
―
18,449
うち資金運用収益
前第2四半期連結累計期間
16,277
2,533
14
18,797
当第2四半期連結累計期間
16,894
4,384
17
21,262
うち資金調達費用
前第2四半期連結累計期間
431
391
14
809
当第2四半期連結累計期間
303
2,526
17
2,812
信託報酬
前第2四半期連結累計期間
―
―
―
―
当第2四半期連結累計期間
―
―
―
―
役務取引等収支
前第2四半期連結累計期間
4,257
60
―
4,317
当第2四半期連結累計期間
4,162
46
―
4,209
うち役務取引等収益
前第2四半期連結累計期間
4,790
92
―
4,882
当第2四半期連結累計期間
4,676
86
―
4,763
うち役務取引等費用
前第2四半期連結累計期間
533
32
―
565
当第2四半期連結累計期間
513
39
―
553
その他業務収支
前第2四半期連結累計期間
835
241
―
1,076
当第2四半期連結累計期間
1,350
△4,453
―
△3,102
うちその他業務収益
前第2四半期連結累計期間
7,358
631
―
7,989
当第2四半期連結累計期間
9,972
380
―
10,353
うちその他業務費用
前第2四半期連結累計期間
6,523
389
―
6,912
当第2四半期連結累計期間
8,621
4,834
―
13,455
(注) 1
国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。2
相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。3
資金調達費用は金銭の信託運用見合額の利息(前第2四半期連結累計期間―百万円、当第2四半期連結累計期間―百万円)を控除して表示しております。
国内・国際業務部門別役務取引の状況当第2四半期連結累計期間の役務取引等収益は、前第2四半期連結累計期間比1億19百万円減収の47億63百万円となりました。また、役務取引等費用は、前第2四半期連結累計期間比12百万円減少し、5億53百万円となりました。
種類
期別
国内業務部門
国際業務部門
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
役務取引等収益
前第2四半期連結累計期間
4,790
92
4,882
当第2四半期連結累計期間
4,676
86
4,763
うち預金・貸出業務
前第2四半期連結累計期間
1,015
―
1,015
当第2四半期連結累計期間
1,009
―
1,009
うち為替業務
前第2四半期連結累計期間
697
88
785
当第2四半期連結累計期間
584
82
667
うち証券関連業務
前第2四半期連結累計期間
1,190
―
1,190
当第2四半期連結累計期間
938
―
938
うち代理業務
前第2四半期連結累計期間
549
―
549
当第2四半期連結累計期間
821
―
821
役務取引等費用
前第2四半期連結累計期間
533
32
565
当第2四半期連結累計期間
513
39
553
うち為替業務
前第2四半期連結累計期間
174
19
194
当第2四半期連結累計期間
91
23
115
(注)
国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。
国内・国際業務部門別預金残高の状況○
預金の種類別残高(末残)
種類
期別
国内業務部門
国際業務部門
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
預金合計
前第2四半期連結会計期間
3,030,869
70,011
3,100,881
当第2四半期連結会計期間
3,078,793
64,826
3,143,620
うち流動性預金
前第2四半期連結会計期間
2,031,056
―
2,031,056
当第2四半期連結会計期間
2,104,715
―
2,104,715
うち定期性預金
前第2四半期連結会計期間
977,771
―
977,771
当第2四半期連結会計期間
953,323
―
953,323
うちその他
前第2四半期連結会計期間
22,041
70,011
92,053
当第2四半期連結会計期間
20,753
64,826
85,580
譲渡性預金
前第2四半期連結会計期間
133,254
―
133,254
当第2四半期連結会計期間
155,583
―
155,583
総合計
前第2四半期連結会計期間
3,164,124
70,011
3,234,135
当第2四半期連結会計期間
3,234,376
64,826
3,299,203
(注) 1
国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。2
流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金定期性預金=定期預金+定期積金
国内店業種別貸出金残高の状況○
業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別
前第2四半期連結会計期間
当第2四半期連結会計期間
金額(百万円)
構成比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
国内店(除く特別国際金融取引勘定分)
2,063,537
100.00
2,132,555
100.00
製造業
286,888
13.90
295,731
13.87
農業,林業
8,045
0.39
7,426
0.35
漁業
1,219
0.06
1,082
0.05
鉱業,採石業,砂利採取業
1,224
0.06
1,235
0.06
建設業
88,509
4.29
93,117
4.37
電気・ガス・熱供給・水道業
57,344
2.78
60,099
2.82
情報通信業
13,350
0.65
13,312
0.62
運輸業,郵便業
122,998
5.96
122,463
5.74
卸売業,小売業
268,650
13.02
271,301
12.72
金融業,保険業
53,899
2.61
101,430
4.76
不動産業,物品賃貸業
292,460
14.17
282,094
13.23
各種サービス業
308,600
14.95
300,771
14.10
地方公共団体
179,922
8.72
181,750
8.52
その他
356,969
17.30
369,983
17.35
国内店名義現地貸
23,445
1.14
30,750
1.44
特別国際金融取引勘定分
―
―
―
―
政府等
―
―
―
―
金融機関
―
―
―
―
その他
―
―
―
―
合計
2,063,537
―
2,132,555
―
(注)
「各種サービス業」の内訳は、「学術研究,専門・技術サービス業」「宿泊業」「飲食業」「生活関連サービス業,娯楽業」「教育,学習支援業」「医療・福祉」「その他のサービス」となっております。
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社であります。○
信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
資産
科目
前連結会計年度(2022年3月31日)
当中間連結会計期間(2022年9月30日)
金額(百万円)
構成比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
有価証券
75
20.93
82
23.02
現金預け金
284
79.07
274
76.98
合計
359
100.00
356
100.00
負債
科目
前連結会計年度(2022年3月31日)
当中間連結会計期間(2022年9月30日)
金額(百万円)
構成比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
金銭信託
359
100.00
356
100.00
合計
359
100.00
356
100.00
(注) 1
共同信託他社管理財産
前連結会計年度-百万円、当中間連結会計期間-百万円2
元本補填契約のある信託については、前連結会計年度及び当中間連結会計期間の取扱残高はありません。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①銀行業銀行業の経常収益は、株式等売却益や金融派生商品収益が増収となったことなどから、前第2四半期連結累計期間比70億52百万円増収の328億38百万円、経常利益は、前第2四半期連結累計期間比5億56百万円増益の73億88百万円となりました。
②リース業リース業の経常収益は、リース売上高の増収から、前第2四半期連結累計期間比2億12百万円増収の76億円、経常利益は、前第2四半期連結累計期間比2億12百万円増益の4億3百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間において営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金及びコールローンの増加並びに借用金の減少などにより、3,662億56百万円のマイナスとなりました。前第2四半期連結累計期間比では4,488億24百万円の減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入が取得による支出を上回ったことなどから、680億46百万円のプラスとなりました。前第2四半期連結累計期間比では957億85百万円の増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払いなどにより、17億72百万円のマイナスとなりました。前第2四半期連結累計期間比では11億39百万円の減少となりました。この結果、当第2四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比2,999億75百万円減少し、3,886億29百万円となりました。
(3) 主要な設備当第2四半期連結累計期間において、主要な設備に重要な異動はありません。また、前連結会計年度末に計画中であった重要な設備の新設、除却などについても、重要な変更はありません。
(自己資本比率の状況)(参考)自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)(単位:百万円、%)
2022年9月30日
1.連結自己資本比率(2/3)
11.13
2.連結における自己資本の額
231,072
3.リスク・アセットの額
2,074,578
4.連結総所要自己資本額
82,983
単体自己資本比率(国内基準)(単位:百万円、%)
2022年9月30日
1.自己資本比率(2/3)
10.78
2.単体における自己資本の額
220,932
3.リスク・アセットの額
2,048,455
4.単体総所要自己資本額
81,938
(資産の査定)(参考)資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の中間貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに中間貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。1
破産更生債権及びこれらに準ずる債権破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。2
危険債権危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。3
要管理債権要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。4
正常債権正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。資産の査定の額
債権の区分
2021年9月30日
2022年9月30日
金額(百万円)
金額(百万円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権
16,361
16,253
危険債権
26,795
26,662
要管理債権
7,609
7,211
正常債権
2,037,623
2,108,648