【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績等の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症移行後、旅行、観光、外食、各種イベントなど経済活動の正常化が進み、インバウンド消費も景気を後押しする形で緩やかな回復基調となりました。一方で資源価格の高騰や人手不足問題、円安による物価上昇に加えて世界的な金融引き締めによる景気後退懸念など先行きは不透明な状況が続いております。
花き業界においては業務需要動向として結婚式は昨年のコロナ禍で延期されていたものが集中する状況は解消され、葬儀も規模を縮小して行われることが定着したものの件数は昨年よりも増加し、いずれもコロナ前の水準となりました。個人需要の方は物価の高騰が続く中で消費者は価格に敏感な姿勢が見られましたが、コロナ禍で定着したホームユース需要は健在で手頃な価格帯の花がよく売れていました。
花きの供給量は生産コストや輸送コストの高騰などで国内生産量は減少傾向が続いており、輸入品も為替の影響で入荷量は増えづらい環境となっております。また、生産者は出荷先を消費力の高い首都圏の市場に集約を進めており、全体の流通量が減少する中でも当社には多種多様な花きが潤沢に揃う状況でした。
このような状況の中、当社グループは日本全国に安定して花を供給するために生産者、流通業者、小売業者と協力して生活者のニーズに的確に応えられるようにサプライチェーンの構築に取り組んでまいりました。
このような結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高2,087,234千円(前年同四半期比3.7%減)、営業利益94,206千円(前年同四半期比42.6%減)、経常利益135,036千円(前年同四半期比28.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益94,212千円(前年同四半期比26.4%減)となりました。
なお、当社グループは花き卸売事業単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
②財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は9,116,899千円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ364,657千円増加し4,540,250千円、固定資産は前連結会計年度末に比べ58,224千円減少し4,576,649千円となりました。流動資産の主な内訳は、売掛金2,207,353千円、現金及び預金2,054,027千円、固定資産の主な内訳は建物及び構築物2,532,470千円です。
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は4,164,517千円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ393,164千円増加し2,624,111千円、固定負債は前連結会計年度末に比べ104,628千円減少し1,540,406千円となりました。流動負債の主な内訳は、受託販売未払金1,898,211千円、固定負債の主な内訳は長期借入金547,126千円、退職給付に係る負債511,217千円です。
純資産は前連結会計年度末に比べ17,897千円増加し4,952,382千円となりました。これは剰余金の配当76,315千円、親会社株主に帰属する四半期純利益94,212千円の計上によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して390,676千円増加し2,154,598千円となっております。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、666,790千円(前年同四半期は278,825千円の増加)となりました。これは主に、仕入債務の増加425,212千円、税金等調整前四半期純利益135,036千円、減価償却費130,433千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、60,004千円(前年同四半期は10,614千円の使用)となりました。減少要因は、有形固定資産の取得による支出60,019千円、無形固定資産の取得による支出14,395千円であり、増加要因は貸付金の回収による収入14,410千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、216,109千円(前年同四半期は231,344千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出133,760千円、配当金の支払76,008千円によるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお新型コロナウイルス感染症は経済、社会活動に広範囲な影響を与える事象であり、当社グループに及ぼす影響や今後の広がり方、収束時期を合理的に予測することは困難であります。
当社グループは現時点で入手可能な情報を踏まえ、2024年3月期の一定の期間にわたり当該影響が継続するものと仮定し、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っておりますが、将来の不確実性が当社グループが行った会計上の見積りや結果に影響を与える可能性があります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因として、天候と生産コスト上昇や生産者の高齢化による生産減による影響があります。
花きの商品価値は供給・需要双方で天候の影響を受けます。天候により需給バランスが崩れ取引量や取引価格に影響する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、原油高により暖房費や資材費、物流費といった生産コストが上昇すると、生産農家の経営が圧迫され、花きの生産量を減少させる要因となり得ます。
これらに対し当社グループは、需給双方への情報発信を強化し安定的均衡を図るとともに、中央中核市場である大田花きを中心とした集散機能を発揮し、コストを抑えた効率的な物流に取り組みます。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によって666,790千円の資金を得て、投資活動によって60,004千円、財務活動によって216,109千円の資金を使用しました。当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して390,676千円増加し2,154,598千円となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入資金、販売費及び一般管理費の営業費用であり、また、当社グループの事業の特性上、回収、支払サイトが他業種に比べて短く、流動性は極めて高くなっております。