【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウィルス感染症の5類への移行により、社会活動の正常化が進み、景気回復が進行しております。しかし、地政学的リスクの高まりや世界的な物価上昇への懸念、供給制約、そして金融引締めの影響などにより、海外経済の先行きは不透明な状況が続いております。情報サービス産業においては、企業のデジタル化への意識の高まりと共に、ソフトウェア投資は緩やかに増加傾向にあります。また労働人口の減少から生じる働き方の変化を背景に、生産性向上のためのIT投資やデジタルトランスフォーメーション(以下DX)の推進が盛んになっており、市場規模の拡大が見込まれます。このような環境の中で当社グループは2022年4月から2025年3月を計画期間とする中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」の2年目がスタートしております。当中期経営計画では、市場や社会の潜在ニーズを捉えた付加価値の高いITサービスを基本コンセプトに、デジタル技術の新たな潮流に対応した次世代型のシステムインテグレーション(以下SI)事業へと進化することをビジョンに掲げております。このビジョンを実現するために、当社グループは三つの基本戦略を定めております。一つ目の「高付加価値SIサービスの追求」では、顧客のDX推進に対して、最新の要素技術を活用して顧客の価値創造ニーズに応えるサービス事業を推進しております。二つ目の「SIモデル変革の推進」では、高付加価値SIサービスを実現するための基盤づくりや、高生産性と高品質を両立したSIプロセスの整備などをイノベーション的アプローチで実現し、他社との差別化を図る施策を推進しております。三つ目の「事業領域の拡大」では、顧客のデジタル変革を戦略策定からサポートするコンサルティング事業、多様な顧客のITニーズに対応するサービス・製品等の販売事業、そして開発からスタートして運用・保守まで集約したマネージドサービスの提供等、SI事業のコモディティ領域への事業拡大へ向けた施策を推進しております。具体的には、次の取り組みを推進しております。①
コンサルティング事業の拡大・ゴールドパートナー契約を締結する米国Scaled Agile, Inc.のScaled Agile Framework®に基づくコンサル要員の育成、拡充・IT戦略策定からデジタル活用など顧客のデジタルニーズに対応するノウハウのアセット化やコンサルティングメソッドの確立・プロモーション活動の推進②
サービス・製品等販売事業の拡大・マーケティング機能やプロダクトセールス機能の拡充・ユーザーニーズやシーズを捉えた取り扱い製品の拡充③
SI事業のコモディティ領域の拡大・システム改修等を伴う運用、保守案件の集約化・共通項のモジュール化等による高生産性の追求
当第1四半期連結累計期間においては、各事業分野は堅調に推移し売上高は計画を上回り増収を達成いたしました。利益面では、増収による増益効果を、将来の事業拡大に向けた投資を積極的に推進したことによるコストの増加が上回り、減益となっております。投資に関する具体的な取り組みは、新卒採用者数の拡大および早期戦力化や、次世代型SI事業拡大に向けた新技術獲得、そしてワークプレイス戦略「Smart Work構想」の一環として取り組む本社移転などを計画に沿って推進しております。
その結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は8,928百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は719百万円(前年同期比6.3%減)、経常利益は776百万円(前年同期比5.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は528百万円(前年同期比4.9%減)となりました。
分野別の取組状況<ITコンサルティング&サービス>ITコンサルティング&サービスはお客さまのDX推進に向けたIT戦略やシステム化構想の立案、技術コンサルティング、最新の技術や開発手法の教育サービスの提供や、自社開発のクラウドアプリケーションサービスの提供、BI (注1) /DWH (注2)、ERP (注3)/CRM (注4)等のソリューションサービスの提供を行っております。当期は、エンタープライズ向けのSaaSソリューション案件が堅調に推移し、売上高は前年同期比28.4%増収の1,465百万円となりました。<金融ITソリューション>金融ITソリューションは、金融業向けにシステム化構想・設計・開発・保守などの統合的なITソリューションの提供を行っております。当期は特に銀行系のシステム開発案件等が堅調に推移し、売上高は前年同期比7.5%増収の4,150百万円となりました。<公共法人ITソリューション>公共法人ITソリューションは、流通業、製造業、サービス業や公共向けにシステム化構想・設計・開発・保守などの統合的なITソリューションの提供を行っております。当期は、官公庁や自動車製造業向けの開発案件等が堅調に推移しており、売上高は前年同期比9.7%増収の2,315百万円となりました。<プラットフォームソリューション>プラットフォームソリューションは、ITインフラの環境設計、構築、運用支援、ネットワーク製品開発、ネットワークインテグレーション等の提供を行っております。クラウド関連のインフラ構築案件が堅調に推移し、売上高は前年同期比12.2%増収の997百万円となりました。 (単位:百万円)
分野
前第1四半期連結累計期間
当第1四半期連結累計期間
前年同期比増減率
金額
構成比
金額
構成比
ITコンサルティング&サービス
1,140
14.3%
1,465
16.4%
+28.4%
金融ITソリューション
3,860
48.2%
4,150
46.5%
+7.5%
公共法人ITソリューション
2,110
26.4%
2,315
25.9%
+9.7%
プラットフォームソリューション
888
11.1%
997
11.2%
+12.2%
合計
8,001
100.0%
8,928
100.0%
+11.6%
注1 BI
:Business Intelligenceの略。社内の情報を分析し、経営に生かす手法。2 DWH:Data Ware Houseの略。データ分析や意思決定のために、基幹系など複数システムから必要なデータを収集し、目的別に再構成して時系列に蓄積した統合データベースのこと。3 ERP:Enterprise Resources Planningの略。基幹系情報システムのこと。4 CRM:Customer Relationship Managementの略。顧客管理システムのこと。
(2) 財政状態① 流動資産当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末と比較して672百万円減少し、18,155百万円となりました。その主な増減要因は、現金及び預金が207百万円、仕掛品が245百万円増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が1,139百万円減少したことによります。
② 固定資産当第1四半期連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末と比較して155百万円増加し、4,099百万円となりました。その主な増減要因は、繰延税金資産が45百万円減少したものの、投資有価証券が174百万円、有形固定資産が17百万円増加したことによります。
③ 流動負債当第1四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末と比較して450百万円減少し、5,595百万円となりました。その主な増減要因は、短期借入金が747百万円、その他に含まれる預り金が467百万円増加したものの、未払費用が894百万円、未払法人税等が531百万円、未払金が235百万円減少したことによります。
④ 固定負債当第1四半期連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末と比較して7百万円減少し、308百万円となりました。その主な増減要因は、従業員株式給付引当金が5百万円減少したことによります。
⑤ 純資産当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比較して59百万円減少し、16,350百万円となりました。その主な増減要因は、その他有価証券評価差額金が133百万円増加したものの、利益剰余金が197百万円減少したことによります。(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は23百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。
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