【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による制限が緩和され、経済活動の正常化が進みました。一方、長期化する地政学リスクや世界的な金融引き締めの影響による円安の進行により、原材料・エネルギーコストの高止まりをはじめ様々な物価が上昇するなど、先行きは不透明な状態が続いております。
そのような環境のもと、当社グループでは主要分野の市況悪化、原材料・エネルギー上昇分の価格転嫁遅れなどから、利益を圧迫する結果となりました。まずは、確実な利益確保のために適正価格への転換を進めます。さらに、研究開発効率の改善と工場稼働率の向上、新規事業の収益化を加速させます。中期経営計画「FELIZ 115」計画の修正値から2030年に向けた次期中期経営計画「SMART2030(仮)」の目指す姿に向かって、電子・情報、環境・エネルギー、ライフサイエンスの重点3分野へ経営資源を集中投入し、収益構造を変革してまいります。
当第2四半期連結累計期間の業績としましては、『機能材料』セグメントの海外向け難燃剤が大きく落ち込んだことにより、売上高は292億円(前年同期比10.9%減)となりました。
損益面につきましては、原材料・エネルギー価格の高騰や、『機能材料』セグメントや『電子デバイス材料』セグメントでの販売が大きく落ち込んだことにより、営業損失は4億49百万円(前年同期は7億17百万円の利益)、経常損失は3億79百万円(前年同期は8億72百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は4億78百万円(前年同期は3億96百万円の損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<界面活性剤>
界面活性剤の売上高は、総じて低調に推移しました。
国内では、塗料・色材用途は堅調に推移しましたが、IT・電子用途、ゴム・プラスチック用途は低調に推移しました。石鹸・洗剤用途は大きく落ち込みました。
海外では、ゴム・プラスチック用途、塗料・色材用途は堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は88億9百万円(前年同期比7.6%減)となりました。
営業利益は、売上が落ち込んだことに加え、原材料価格高騰の影響を受け6億21百万円(前年同期比31.3%減)となりました。
<アメニティ材料>
アメニティ材料の売上高は、総じて低調に推移しました。
国内では、ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が堅調に推移しましたが、セルロース系高分子材料はエネルギー・環境用途が低調に推移し、ビニル系高分子材料はゴム・プラスチック用途が低調に推移しました。
海外では、ショ糖脂肪酸エステルは香粧品用途が堅調に推移しましたが、食品用途は低調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は39億93百万円(前年同期比4.0%減)となりました。
営業利益は、売上高の落ち込みを営業経費の削減などによりカバーし75百万円(前年同期比29.6%増)となりました。
<ウレタン材料>
ウレタン材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。
フロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は低調に推移しましたが、公共工事に関連する土木用薬剤は大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は43億95百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受け1億96百万円の営業損失(前年同期は1億98百万円の損失)となりました。
<機能材料>
機能材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
国内では、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大幅に伸長しましたが、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大きく落ち込み、水系ウレタンは繊維用途が大きく落ち込みました。
海外では、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大きく落ち込み、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大きく落ち込みました。
その結果、当セグメントの売上高は92億31百万円(前年同期比19.9%減)となりました。
営業利益は、売上が大きく落ち込んだことに加え、原材料価格高騰の影響を受け4億7百万円の営業損失(前年同期は2億48百万円の利益)となりました。
<電子デバイス材料>
電子デバイス材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
ディスプレイ用途のイオン液体は堅調に推移したものの、太陽電池用途の導電性ペーストが大きく落ち込みました。
その結果、当セグメントの売上高は26億13百万円(前年同期比15.5%減)となりました。
営業利益は、売上高が大きく落ち込んだことにより60百万円の営業損失(前年同期は1億52百万円の利益)となりました。
<ライフサイエンス>
ライフサイエンスの売上高は、前年同期と比べ84百万円減少し、1億57百万円(前年同期比34.8%減)となりました。
医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は低調に推移しました。
営業利益は、売上高が大きく落ち込んだほか、研究開発費を中心に営業経費が増加したことにより4億82百万円の営業損失(前年同期は4億48百万円の損失)となりました。
2025年3月期には、ライフサイエンス事業の黒字化に目途を立てるべく、①2023年8月に発売を開始した中高年の認知機能の一部である認知機能速度や視覚的な記憶力を維持するのに役立つ機能性表示食品「快脳冬虫夏草」を中心とするBtoC、②カイコ冬虫夏草粉末やスダチ果皮エキスなど素材販売を狙ったBtoB、③グループ会社である池田薬草の受託事業拡大などにより、事業の収益化を図ります。
②財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は504億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億15百万円増加しました。これは主に、商品及び製品などの棚卸資産の合計が16億26百万円減少したものの、現金及び預金が61億30百万円、電子記録債権が4億25百万円増加したことなどによるものです。固定資産は407億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億47百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の合計が4億40百万円、投資有価証券が8億円増加したことなどによるものです。
この結果、総資産は911億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億62百万円増加しました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は220億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億69百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が9億5百万円減少したものの、短期借入金が11億61百万円、設備関係未払金などのその他(流動負債)が11億59百万円増加したことなどによるものです。固定負債は304億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億75百万円増加しました。これは主に、長期借入金が45億64百万円増加したことなどによるものです。
この結果、負債合計は524億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億44百万円増加しました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は387億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億18百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失4億78百万円及び剰余金の配当3億82百万円などにより利益剰余金が8億60百万円減少しましたが、その他有価証券評価差額金6億30百万円、為替換算調整勘定が3億46百万円、非支配株主持分が3億7百万円増加したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は37.8%(前連結会計年度末は40.4%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて61億27百万円増加し、151億79百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は21億38百万円(前年同期は5億95百万円)となりました。これは、仕入債務の減少8億42百万円(前年同期は11億40百万円の増加)などにより資金が減少したことに対し、棚卸資産の減少18億5百万円(前年同期は12億33百万円の増加)、減価償却費16億3百万円(前年同期は16億75百万円)などにより資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は10億9百万円(前年同期は13億20百万円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出10億89百万円(前年同期は12億21百万円)などにより資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は48億26百万円(前年同期は44億55百万円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済27億3百万円(前年同期は29億4百万円)などにより資金が減少したことに対し、長期借入れによる収入79億3百万円(前年同期は5億円)により資金が増加したことによるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は15億75百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変動はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの生産及び販売実績に重要な変動はありません。
なお、当社グループでは、受注生産を行っておりません。
(8) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に重要な変動はありません。