【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る各種制限の段階的緩和により穏やかな回復基調の動きが見られました。一方で、急激な円安や資源・エネルギー価格の高騰による消費への影響懸念ほか、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開などを要因として、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いています。
このような環境のもと、2020年4月より実行してきた中期経営計画「FELIZ 115」を、本年6月12日、当社を取り巻く外部環境や注力分野の市況を考慮し、実態に即した計画値へ見直しました。まずは、総力を挙げて確実な価格転嫁を推進し、収益改善を図ります。さらには、製品開発のスピードを上げ、競争力のある製品の生産を増やし、低下した工場稼働率を向上させます。ライフサイエンス事業では、機能性表示食品の届出が完了した新商品や素材販売の促進、受託などで事業拡大を図り、早期黒字化をめざします。
当第1四半期連結累計期間の業績としましては、『機能材料』セグメントの海外向け難燃剤が大きく落ち込んだことにより、売上高は138億84百万円(前年同期比10.1%減)となりました。
損益面につきましては、原材料価格の高騰や、『機能材料』セグメントや『電子デバイス材料』セグメントでの販売が大きく落ち込んだことにより、営業損失は5億72百万円(前年同期は2億91百万円の利益)、経常損失は5億57百万円(前年同期は3億77百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は4億77百万円(前年同期は98百万円の利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<界面活性剤>
界面活性剤の売上高は、総じて低調に推移しました。
国内では、塗料・色材用途は堅調に推移しましたが、IT・電子用途、ゴム・プラスチック用途は低調に推移しました。石鹸・洗剤用途は大きく落ち込みました。
海外では、ゴム・プラスチック用途、塗料・色材用途は堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は42億87百万円(前年同期比6.1%減)となりました。
営業利益は、売上が落ち込んだことに加え、原材料価格高騰の影響を受け2億29百万円(前年同期比41.1%減)となりました。
<アメニティ材料>
アメニティ材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。
国内では、セルロース系高分子材料はエネルギー・環境用途が低調に推移しました。ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が堅調に推移し、ビニル系高分子材料はゴム・プラスチック用途が堅調に推移しました。
海外では、ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が低調に推移しましたが、香粧品用途は堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は19億69百万円(前年同期比1.3%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受け25百万円の営業損失(前年同期は6百万円の利益)となりました。
<ウレタン材料>
ウレタン材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
フロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は堅調に推移し、公共工事に関連する土木用薬剤は大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は21億51百万円(前年同期比21.8%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受け1億52百万円の営業損失(前年同期は1億26百万円の損失)となりました。
<機能材料>
機能材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
国内では、水系ウレタンは繊維用途が低調に推移し、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が低調に推移しました。
海外では、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が低調に推移し、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大きく落ち込みました。
その結果、当セグメントの売上高は39億61百万円(前年同期比27.8%減)となりました。
営業利益は、売上が大きく落ち込んだことに加え、原材料価格高騰の影響を受け3億33百万円の営業損失(前年同期は1億44百万円の利益)となりました。
<電子デバイス材料>
電子デバイス材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
ディスプレイ用途のイオン液体、太陽電池用途の導電性ペーストが低調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は14億23百万円(前年同期比8.2%減)となりました。
営業利益は、売上高が大きく落ち込んだことにより36百万円の営業損失(前年同期は1億7百万円の利益)となりました。
<ライフサイエンス>
ライフサイエンスの売上高は、前年同期と比べ34百万円減少し、89百万円(前年同期比27.8%減)となりました。
医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は低調に推移しました。
営業利益は、売上高が大きく落ち込んだほか、研究開発費を中心に営業経費が増加したことにより2億53百万円の営業損失(前年同期は2億30百万円の損失)となりました。
2025年3月期には、ライフサイエンス事業の黒字化に目途を立てるべく、①2023年2月認知機能分野で機能性表示食品の届出が完了した「快脳冬虫夏草」を中心とするBtoC、②カイコ冬虫夏草粉末やスダチ果皮エキスなど素材販売を狙ったBtoB、③グループ会社である池田薬草の受託事業拡大などにより、事業の収益化を図ります。
②財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は495億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億22百万円増加しました。これは主に受取手形及び売掛金が10億75百万円減少したものの、現金及び預金が58億17百万円増加したことなどによるものです。固定資産は404億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億80百万円増加しました。これは主に投資有価証券が4億85百万円、有形固定資産の合計が3億54百万円増加したことなどによるものです。
この結果、総資産は900億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億3百万円増加しました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は198億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億52百万円減少しました。これは主に設備関係未払金などのその他(流動負債)が11億16百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が18億19百万円減少したことなどによるものです。固定負債は323億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億15百万円増加しました。これは主に長期借入金が63億8百万円増加したことなどによるものです。
この結果、負債合計は521億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億62百万円増加しました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は378億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億58百万円減少しました。これは主にその他有価証券評価差額金が3億32百万円増加しましたが、親会社株主に帰属する四半期純損失4億77百万円及び剰余金の配当3億82百万円などにより利益剰余金が8億59百万円減少したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は37.6%(前連結会計年度末は40.4%)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、8億30百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変動はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの生産及び販売実績に重要な変動はありません。
なお、当社グループでは、受注生産を行っておりません。
(7) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に重要な変動はありません。