【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動を両立しながら正常化に向けて前進しました。一方で、ロシア/ウクライナ情勢や円安を起因とする食料品・生活必需品などの値上がり、世界の景気後退への懸念などが大きなリスク要因となっています。化学業界でも、国産ナフサ、資源・エネルギー、原材料などあらゆる価格が依然として高止まりし、各企業には脅威となっています。
このような環境のもと、当社グループでは各種原材料価格高騰に対する製品の価格改定が遅れ、利益を圧迫することになりました。今後も継続して価格転嫁の活動を推進すると共に、生産現場のコストダウン、新規事業収益化の加速などにより利益確保に努めてまいります。
当第2四半期連結累計期間の業績といたしましては、『機能材料』セグメントは海外向け難燃剤が大幅に伸長したことにより、売上高は327億65百万円(前年同期比7.8%増)となりました。
損益面につきましては、将来に向けた研究開発費の増加や原材料価格の高騰が価格転嫁を上回るなど『界面活性剤』セグメントや『機能材料』セグメントを中心に減益となり、営業利益は7億17百万円(前年同期比70.7%減)となりました。また、営業外収支は改善しましたが、経常利益は8億72百万円(前年同期比59.5%減)となりました。これに特別損失として『ウレタン材料』セグメントの固定資産の減損処理等を行い、税金費用等を差し引きました親会社株主に帰属する四半期純損失は3億96百万円(前年同期は11億60百万円の利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<界面活性剤>
界面活性剤の売上高は、総じて堅調に推移しました。
国内では、IT・電子用途、塗料・色材用途は低調に推移しましたが、機械・金属用途は堅調に推移しました。石鹸・洗剤用途は大幅に伸長しました。
海外では、ゴム・プラスチック用途は低調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は95億34百万円(前年同期比5.2%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受け9億4百万円(前年同期比29.7%減)となりました。
<アメニティ材料>
アメニティ材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。
国内では、セルロース系高分子材料はエネルギー・環境用途が低調に推移しました。ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が堅調に推移し、ビニル系高分子材料はゴム・プラスチック用途が堅調に推移しました。
海外では、ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が低調に推移しましたが、香粧品用途は大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は41億58百万円(前年同期比7.8%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受けたことに加え、営業経費がかさみ58百万円(前年同期比75.3%減)となりました。
<ウレタン材料>
ウレタン材料の売上高は、総じて低調に推移しました。
フロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は大幅に伸長しましたが、公共工事に関連する土木用薬剤は大きく落ち込みました。
機能性ウレタンはIT・電子用途が堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は42億18百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受け1億98百万円の営業損失(前年同期は51百万円の利益)となりました。
<機能材料>
機能材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
国内では、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が低調に推移し、水系ウレタンはIT・電子用途が低調に推移しましたが、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大幅に伸長しました。
海外では、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大幅に伸長し、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は115億18百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受けたことに加え、研究開発費を中心に営業経費がかさみ2億48百万円(前年同期比68.3%減)となりました。
<電子デバイス材料>
電子デバイス材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
ディスプレイ用途のイオン液体は低調に推移し、太陽電池用途の導電性ペーストは大きく落ち込みました。
その結果、当セグメントの売上高は30億93百万円(前年同期比14.8%減)となりました。
営業利益は、売上高が大きく落ち込んだことにより1億52百万円(前年同期比57.9%減)となりました。
<ライフサイエンス>
ライフサイエンスの売上高は、前年同期と比べ34百万円増加し、2億42百万円(前年同期比16.5%増)となりました。新ブランド『天虫花草®』の販売を開始し、ブランドイメージの認知の徹底を進めています。ナトリード®含有のカイコハナサナギタケ冬虫夏草摂取による臨床試験では認知機能の改善効果が確認され、この研究成果をもとに機能性表示食品届出のフェーズに移行し、新たな商品開発に取り組みます。
医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は堅調に推移しました。
営業利益は、売上高は伸長しましたが、ブランドイメージを確立するための営業経費が先行したことにより4億48百万円の営業損失(前年同期は2億72百万円の損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は445億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億1百万円減少しました。これは主に、商品及び製品などの棚卸資産の合計が14億93百万円増加したものの、現金及び預金が49億81百万円減少したことなどによるものです。固定資産は397億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億19百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の合計が2億15百万円減少したことなどによるものです。
この結果、総資産は842億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億20百万円減少しました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は244億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億80百万円増加しました。これは主に、短期借入金が14億円増加したことや支払手形及び買掛金が12億10百万円増加したことなどによるものです。固定負債は207億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億86百万円減少しました。これは主に、長期借入金が31億92百万円減少したことなどによるものです。
この結果、負債合計は451億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億6百万円減少しました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は390億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億14百万円減少しました。これは主に、為替換算調整勘定が5億49百万円、非支配株主持分が4億52百万円増加しましたが、自己株式の取得などにより自己株式が14億66百万円増加したことや、親会社株主に帰属する四半期純損失3億96百万円及び剰余金の配当4億58百万円などにより利益剰余金が8億54百万円減少したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は41.5%(前連結会計年度末は42.5%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて49億89百万円減少し、71億61百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は5億95百万円(前年同期は30億49百万円)となりました。これは、棚卸資産の増加12億33百万円(前年同期は11億円の増加)、売上債権の増加11億20百万円(前年同期は7億8百万円の減少)などにより資金が減少したことに対し、減価償却費16億75百万円(前年同期は17億円)、仕入債務の増加11億40百万円(前年同期は7億10百万円の増加)などにより資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は13億20百万円(前年同期は10億32百万円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出12億21百万円(前年同期は10億26百万円)などにより資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は44億55百万円(前年同期は34億47百万円)となりました。これは、長期借入金の返済29億4百万円(前年同期は33億87百万円)、自己株式の取得14億99百万円、配当金の支払い4億58百万円(前年同期は3億56百万円)などにより資金が減少したことによるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は15億55百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変動はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの生産及び販売実績に重要な変動はありません。
なお、当社グループでは、受注生産を行っておりません。
(8) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に重要な変動はありません。