【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態の状況(資産)当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,426百万円増加し、327,657百万円となりました。これは主に、現金及び預金、新規出店・既存店の改装等に係る投資により有形固定資産が増加したためであります。(負債)当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ2,561百万円減少し、174,056百万円となりました。これは主に、借入金が減少したためであります。(純資産)当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ11,987百万円増加し、153,601百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したためであります。
(2)経営成績の状況当社グループは、「地域のすべての方々の食生活をより豊かに、より楽しく」を長期ビジョンとして掲げ、企業価値の創造と持続的な成長に向け取り組んでおります。消費者の価格ニーズが一層高まるなか、「消費の二極化」が加速することを想定して、グループ全体で価格対応を進めてまいります。
当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に加え、雇用・所得環境が改善するなかで、緩やかな回復傾向がみられました。一方で、世界的な金融引き締めによる影響や中国経済の先行き懸念などによる景気の下押しリスクがあり、先行き不透明な状況が継続しております。食品スーパーマーケット業界においても、オンライン取引を含め、業界の垣根を越えた厳しい競争に加え、商品の値上げや円安基調が強まり、原材料、人件費をはじめとした各種コストの高騰は継続し、極めて厳しい状況が続いております。
こうした環境下、当社は「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を基本方針とし、第10次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の最終年度としてメインテーマである「『2割強い店づくり』の実現」に向け、「価格対応」、「個店の販売力強化」、「独自の商品開発・開拓」、「生産性の向上」の重点施策に取り組んでまいります。
[商品・販売戦略]商品面につきましては、当社の独自化・差別化につながる品揃えを実現するべく、ミールソリューションの充実に注力しております。さらに、バリューチェーン全体で競争優位を実現するため製造小売業へ踏み込み、SPA型の商品開発の拡大を図っております。販売面につきましては、二極化対応を継続し、価格コンシャスを強化してまいりました。「厳選100品」やカテゴリー別価格対応、生鮮の頻度品などで価格政策に取り組んでおります。同時に、技術力を高めることで魅力的な売場づくりに注力いたしました。また、集客強化を図るべく、単品量販を推進する「日本一企画」、地方の特産品を品揃えする「産地フェア」や、イタリア大使館貿易促進部とパートナーシップを結び、直輸入商品を中心とした「イタリアフェア」を全店で実施いたしました。3月から導入開始したキャッシュレス決済サービス「ヤオコーPay」は6月から全店展開となり、お客さまのお買物の利便性を高めるべく、取組みを推進しております。
[運営戦略]生産性向上のために、自動化による業務改善やデジタルを活用したカイゼンに取り組んでおります。グロッサリー商品を対象としたAIによる需要予測に基づく自動発注システムの活用は順調に推移し、生産性向上に寄与しています。また、レジ部門においてはフルセルフレジの導入を進めております。2月に新設し、初となる自社WMS(倉庫管理システム)を導入してチルド商品の供給をスタートしておりました草加物流センター(埼玉県草加市)では、6月から、店舗及び構内作業軽減のため順立てシャトル、シャトルGTPなどを導入し、グロッサリー商品の供給をスタートしております。また、循環型社会に向けて廃棄削減、節電、リサイクル推進の取組みを継続しております。エコセンターにおいては、当初想定以上の稼働が続いておりますが、店舗での資源回収の更なる向上を図り、活用拡大してまいります。
[育成戦略]カイゼンと並行して、働き方に対する意識改革や労働環境を改善する取組みを継続しました。主体的な成長を促し、働きがいにつながるよう階層別教育機会の見直しを行い、セミナー、研修を実施しております。また、女性活躍のための働きやすさ改善を図ってまいります。さらに、70歳まで働ける健康づくりの推進などの健康経営にも取り組んでおります。
[出店・成長戦略]当第2四半期連結累計期間は、8月にスクラップ&ビルドにより深谷上野台店(埼玉県深谷市)をリニューアルオープンいたしました。加えて、既存店の活性化策として、2店舗の大型改装を実施しております。また、店舗を拠点とするヤオコーネットスーパーは4店舗追加し、22店舗で展開しており、今後も拡大の予定です。
当社グループは各々が独自の「強み」を磨くことを企図し、各社が独立運営を行っております。株式会社エイヴイでは、「圧倒的な低価格」と「徹底したローコスト運営」を基本方針とし、その具現化を図る施策や取組みを鋭意進めております。また、株式会社フーコットにおいては、「美味しいもの、圧倒的な品揃え、低価格とそれらを支えるローコストオペレーションの徹底追求」を経営方針とし、9月に開設した深谷店(埼玉県深谷市)を含め、埼玉県を中心に4店舗を運営しております。また、持分法適用会社である株式会社せんどうとは、互いの強みを学びながら、具体的な取組みとして、デリカ商品の供給を進めております。
2023年9月30日現在の店舗数は、グループ全体で200店舗(ヤオコー183店舗、エイヴイ13店舗、フーコット4店舗)となっております。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は292,969百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は19,447百万円(同21.8%増)、経常利益は19,358百万円(同23.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,680百万円(同27.1%増)となりました。
なお、当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(注)「ミールソリューション」とは、お客さまの毎日の食事の献立の提案や料理のアドバイスなど食事に関する問題の解決のお手伝いをすること。「価格コンシャス」とは、お客さまが買いやすい値段、値頃(ねごろ)を常に意識して価格設定を行うこと。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より3,547百万円増加し、49,325百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、得られた資金は、18,449百万円(前年同四半期比3,363百万円増)となりました。これは主に、法人税等の支払があったものの、税金等調整前四半期純利益及び減価償却費を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、使用した資金は、10,788百万円(前年同四半期比326百万円増)となりました。これは主に、新規出店及び既存店の改装に係る投資による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、使用した資金は、4,112百万円(前年同四半期比235百万円減)となりました。これは主に、長期借入金の返済や配当金の支払があったことによるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。
(7) 従業員数当第2四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(8) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(9) 主要な設備当第2四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画に著しい変更はありません。
(10) 経営成績に重要な影響を与える要因当第2四半期連結累計期間において、重要な変更及び新たに生じたものはありません。
(11) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入及び社債の発行により必要資金を調達しており、新規出店、既存店の改装等の設備資金及び店舗運営費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要に対応しております。