【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第1四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが変更されたことなどにより、社会経済活動が正常化に向かう一方で、長期化するウクライナ情勢、原材料価格の高騰や円安傾向の強まりなどを受け、先行き不透明な経営環境が続いております。このような状況下、当社グループは、「中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Health」の達成に向け、グループ全体の成長戦略「グループビジネスモデルの変革」と「経営資源の再配分」のもと、グループ内事業の最適化を図ることで、①国内砂糖事業の強靭化、②海外事業の拡大、③ライフ・エナジー事業の成長、④グループの持つ研究開発力の集積・強化及び⑤持続可能な社会実現への貢献を推進してまいりました。
なお、2023年5月1日付で、当社並びに連結子会社であるDM三井製糖㈱及び在京グループ5社の本社・事務所機能を東京都港区芝に移転・集約いたしました。各社とのさらなる連携強化を図り、グループ総合力を最大限に発揮してまいります。
(砂糖事業)
海外粗糖相場は、1ポンド当たり22セント前半から始まり、サトウキビの最大生産国であるブラジルにおける気象不安を受けた、大幅な減産見通し報道などにより急騰し、4月後半には、約11年半振りの高値圏となる27セント半ばにまで達しました。その後、6月中旬以降は、ブラジルの供給量回復による安堵感から下落傾向に転じ、22セント後半で当第1四半期連結累計期間末を迎えました。また、国内市中相場は、期を通じて227円~229円で推移いたしました。
国内の精製糖販売は、原材料価格の高騰などに伴う食品値上げラッシュが消費者マインドに影を落とし、菓子類などにおいて需要の低迷が見られたものの、入国制限緩和によるインバウンド需要の回復を受け、売上高は前年同期を上回る実績となりました。一方、海外粗糖相場の高止まりや円安による原料費、海上運賃、包装資材及び物流費などの各種コストの増加が、引き続き利益面に大きな影響を与えております。なお、これらの各種コストを吸収するため、出荷価格につきましては、7月に1キログラム当たり12円の引き上げを実施いたしました。
国内の原料糖販売は、北海道の連結子会社における販売量減や、沖縄の連結子会社における悪天候に起因した生産量減、修繕費増による原価率の悪化などが利益面に影響を与えました。
海外では、シンガポールにおいて、販売量減による原価率の悪化などを受け減益となりました。
以上の結果、砂糖事業は、売上高35,244百万円(前年同期比5.3%増)、営業損失41百万円(前年同期は営業利益360百万円)となりました。
期中の砂糖市況
海外粗糖相場(ニューヨーク砂糖当限、1ポンド当たり)
始値 22.35セント 高値 27.41セント 安値 21.81セント 終値 22.89セント
国内市中相場(日本経済新聞掲載、東京上白大袋1kg当たり)
期を通じて227円~229円で推移
(ライフ・エナジー事業)
パラチノースは、仕入単価の改善などを受け増益となりました。パラチニットは、キャンディ用途で好調に推移し、売上・利益ともに貢献いたしました。また、バイオ事業の受注増や、前連結会計年度においてテルモ㈱より事業譲受した栄養食品及び関連製品の販売に係る増益なども業績に寄与いたしました。
以上の結果、ライフ・エナジー事業は、売上高6,504百万円(前年同期比27.4%増)、営業利益348百万円(前年同期比174.7%増)となりました。
(不動産事業)
岡山工場・長田工場跡地における賃料収入の増加が寄与し、売上高609百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益194百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は42,358百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は501百万円(前年同期比24.0%減)となりました。
営業外損益においては、フィンゴリモド「FTY720」の開発権及び販売権の許諾に基づく受取ロイヤリティー275百万円を計上いたしました。また、連結子会社であるDM三井製糖㈱が、国内の投資先から受けた受取配当金4,457百万円を計上いたしました。持分法投資損益においては、タイ国や中国関連会社における販売量・生産量減による損益悪化の影響を受けたものの、経常利益は5,272百万円(前年同期比457.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,549百万円(前年同期比677.1%増)となりました。
②財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比606百万円減少し195,517百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目ごとの主な増減要因等は次の通りであります。
ⅰ)流動資産
流動資産は、前連結会計年度末比184百万円減少し88,692百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加1,484百万円、原材料及び貯蔵品の増加1,303百万円等があった一方で、商品及び製品の減少3,062百万円等があったことによるものであります。
ⅱ)固定資産
固定資産は、前連結会計年度末比421百万円減少し106,824百万円となりました。これは主として、建設仮勘定の増加488百万円等があった一方で、機械装置及び運搬具の減少599百万円、のれんの減少148百万円等があったことによるものであります。
ⅲ)負債
負債は、前連結会計年度末比3,300百万円減少し80,245百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の減少565百万円、短期借入金の減少2,276百万円等があったことによるものであります。
ⅳ)純資産
純資産は、前連結会計年度末比2,693百万円増加し115,272百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する四半期純利益5,549百万円等があった一方で、剰余金の配当2,918百万円等があったことによるものであります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は205百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主力の砂糖事業において、原料となる粗糖が相場商品であること、また、製品価格も競争や市場環境等により変動する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような事業環境下、当社グループでは適切な原料糖調達と適正販売価格帯の維持に努めてまいりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は45,111百万円となっております。