【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
① 連結業績
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における当社グループを取り巻く経営環境は、国内については、新型コロナウイルス感染拡大防止のため緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施された前年同期と比較して、人の移動量が大幅に回復しました。海外においては、感染者数拡大は落ち着く傾向にあるものの、地域によっては行動規制が続いたことなどが外食ビジネスに影響を及ぼしました。
このような環境において当社グループは、国内においては、訴求力の高い商品開発と店舗作り、来店動機の訴求促進に取り組みました。海外ではアジアを中心に積極的に出店したことに加えて、グローバル展開を視野に入れたリブランディングや新しい事業パートナー(ローカルバディ(注1))の開拓を開始しました。
これらの結果、本格讃岐うどん専門店の丸亀製麺、海外事業、その他の全セグメントが増収となり、売上収益は919億70百万円(前年同期比20.0%増、期初計画比6.3%増)と、第2四半期連結累計期間として過去最高となりました。
増収に連動して原価、販管費も増加したものの、事業利益(注2)は47億25百万円(前年同期比18.5%増、期初計画比47.6%増)と、大幅な増益となり、こちらも第2四半期連結累計期間として過去最高となりました。
新型コロナウイルス感染症に係る時短協力金などの政府補助金38億31百万円を含むその他の営業収益が減少した一方で、その他の営業費用に中国事業にかかる一過性の事業整理費用12億18百万円を計上したことにより、営業利益(注3)は64億79百万円(前年同期比21.1%減、期初計画比140.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は44億18百万円(前年同期比18.3%減、期初計画比390.9%増)となり、前年同期比では減益となりましたが、期初計画比では大幅な増益となりました。
(注1)ローカルバディ:感動体験に共感した特別な知識とノウハウを持つ世界中の仲間
(注2)事業利益:売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費
(注3)営業利益:事業利益-減損損失+その他の営業収益-その他の営業費用
(単位:百万円)
連結業績
2022年3月期
第2四半期
実績
2023年3月期
第2四半期
実績
前年同期比
2023年3月期
第2四半期
期初計画
期初計画比
増減額
増減率
増減額
増減率
売上収益
76,642
91,970
+15,327
+20.0%
86,500
+5,470
+6.3%
事業利益
3,988
4,725
+737
+18.5%
3,200
+1,525
+47.6%
営業利益
8,208
6,479
△1,729
△21.1%
2,700
+3,779
+140.0%
親会社の所有者に
帰属する四半期利益
5,404
4,418
△987
△18.3%
900
+3,518
+390.9%
② セグメント別業績
(単位:百万円)
売上収益
2022年3月期
第2四半期
実績
2023年3月期
第2四半期
実績
前年同期比
2023年3月期
第2四半期
期初計画
期初計画比
増減額
増減率
増減額
増減率
丸亀製麺
47,652
51,560
+3,908
+8.2%
49,000
+2,560
+5.2%
海外事業
19,704
28,479
+8,774
+44.5%
26,300
+2,179
+8.3%
その他
9,286
11,931
+2,645
+28.5%
11,200
+731
+6.5%
連結
76,642
91,970
+15,327
+20.0%
86,500
+5,470
+6.3%
(単位:百万円)
事業利益
2022年3月期
第2四半期
実績
2023年3月期
第2四半期
実績
前年同期比
2023年3月期
第2四半期
期初計画
期初計画比
増減額
増減率
増減額
増減率
丸亀製麺
5,675
6,733
+1,058
+18.6%
5,600
+1,133
+20.2%
海外事業
1,448
955
△493
△34.0%
900
+55
+6.1%
その他
115
1,433
+1,318
-
500
+933
+186.7%
調整額(注4)
△3,250
△4,397
△1,147
-
△3,800
△597
-
連結
3,988
4,725
+737
+18.5%
3,200
+1,525
+47.6%
(注4)調整額は各報告セグメントに配分していない全社費用であります。
(単位:店)
店舗数
丸亀製麺
海外
その他
連結
事業形態
直営
直営
FC等
(注5)
直営
FC等
(注5)
2022年3月末 店舗数
832
254
390
236
8
1,720
2023年3月期
第2四半期累計 出店
2
55
40
16
0
113
2023年3月期
第2四半期累計 閉店
6
5
64
22
1
98
2023年3月期
第2四半期末 店舗数
828
304
366
230
7
1,735
(注5)フランチャイズ、合弁会社など直営以外の形態
(注6)第1四半期においてToridoll and Heyi Holding Limitedが運営する店舗をFC等から直営に移管したため、
海外事業セグメントの直営出店に17店、FC等閉店に17店、移管分が含まれています。
<丸亀製麺>
丸亀製麺セグメントにおいては、行動規制が厳しかった前年同期と比較して人の移動量が回復したことに加えて、商品戦略とブランディングを統合したマーケティングが奏功し、第1四半期からの好調が持続しました。
6月15日から「うどんで、あなたを驚かせたい。」をキャッチフレーズに新たなブランドキャンペーンを開始し、打ち立てのうどんのおいしさと人がつくる手づくりの価値を訴求するとともに、ブランドへの共感と好意度を高めるコミュニケーションを強化しました。
フェア商品については、お客様からご好評をいただいた人気商品をさらに改良して価値を高めただけでなく、新作等と合わせて投入することで食材や味の違いを楽しんでいただき、リピート促進やシリーズ認知の強化につなげました。
6月から夏の看板商品「鬼おろし肉ぶっかけうどん」を発売すると同時に、鬼おろしシリーズの新作「鬼おろし鶏からぶっかけうどん」「鬼おろし豚しゃぶぶっかけうどん」を投入し、約300万食の大ヒットとなりました。8月はお客様からのご要望に応えて「トマたまカレーうどん」を期間限定で再復活販売したほか、8月30日からはタルタルソースなどの品質をさらに高めた「タル鶏天ぶっかけうどん」と、2年ぶりとなる「辛タル鶏天ぶっかけうどん」を同時発売し、9月末までに166万食を販売する大ヒットとなりました。
これらの商品戦略と統合マーケティングが大きな成果を挙げ、売上収益は515億60百万円(前年同期比8.2%増、期初計画比5.2%増)と、増収になりました。また、原価抑制と増収による販管費率低下により、事業利益は67億33百万円(前年同期比18.6%増、期初計画比20.2%増)と大幅な増益となりました。
<海外事業>
海外事業セグメントでは、香港、台湾や中国などアジアで新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けましたが、香港を拠点とするTam Jaiは当第2四半期連結累計期間にアジアで35店出店し、大幅な増収となりました。
米国ではMarugame Udonのハワイ店や3月にオープンした新店の業績が好調に推移し、台湾も回復基調で推移しました。また英国では6店舗目がオープンし、順調に顧客を獲得しました。このように多くの業態で増収になったことに加えて為替影響もプラスに働いた結果、売上収益は284億79百万円(前年同期比44.5%増、期初計画比8.3%増)と大幅な増収となりました。
利益面においては、原材料高騰や人件費上昇、複数業態のグローバル展開に伴いマーケティング費用など先行投資が増加したこと、一部地域において新型コロナウイルス感染防止のための行動規制により経営効率が一時的に低下したことなどにより、事業利益は9億55百万円(前年同期比34.0%減、期初計画比6.1%増)と減益となりました。
<その他>
その他セグメントには、「コナズ珈琲」、「肉のヤマキ商店」、「豚屋とん一」、「とりどーる」、「長田本庄軒」、「天ぷらまきの」、「らー麺ずんどう屋」、「晩杯屋」等が含まれております。
「らー麺ずんどう屋」、居酒屋業態の「晩杯屋」は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により休業・時短営業を余儀なくされた前年同期と比較して、客数が大きく増加しました。
「いちばん近いハワイの食卓」をコンセプトとする「コナズ珈琲」においても、期間限定メニューの開発や、ハワイアンフラダンスのショーを開催するなど、ブランディングと合わせて来店を促進する取り組みを強化したことにより客数と客単価がともに上昇し、「肉のヤマキ商店」も客数が大幅に増加して増収増益となりました。また「豚屋とん一」は、不採算店舗を戦略的に閉店したことにより収益性が大幅に向上しました。
これらの結果、売上収益は119億31百万円(前年同期比28.5%増、期初計画比6.5%増)と増収となり、利益率上昇により事業利益は14億33百万円(前年同期は1億15百万円、期初計画比186.7%増)と大幅な増益となりました。
③財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べ214億70百万円増加し、2,623億10百万円(前期比8.9%増)となりました。これは主に現金及び現金同等物、無形資産及びのれんがそれぞれ前連結会計年度末に比べ113億57百万円、66億99百万円増加したことによるものです。
(負債・資本)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ77億80百万円増加し、1,786億42百万円(前期比4.6%増)となりました。これは主にその他の流動負債、1年以内返済予定の長期借入金、長期借入金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ22億31百万円、16億98百万円、14億49百万円増加したことによるものです。
当第2四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末に比べ136億90百万円増加し、836億68百万円(前期比19.6%増)となりました。これは主にその他の資本の構成要素、利益剰余金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ91億6百万円、35億86百万円増加したことによるものです。
④キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ113億57百万円増加し、648億20百万円(前期比21.2%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは200億24百万円の収入(前年同期比37.9%増)となりました。これは主に減価償却費及び償却費が124億14百万円、税引前四半期利益が74億64百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは59億89百万円の支出(前年同期比257.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が53億77百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは71億9百万円の支出(前年同期比11.4%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入が97億円あった一方で、リース負債の返済による支出が91億43百万円、長期借入金の返済による支出が65億54百万円あったこと等によるものです。
(2)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。