【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、原材料などの価格上昇に伴うインフレ懸念等が残るものの、5月には新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類感染症に移行するなど経済社会活動の正常化が徐々に進んでまいりました。
世界経済の状況に目を向けると、中国ゼロコロナ政策解除による中国経済の持ち直しや、世界的な半導体不足も緩和に向かうなど、回復の兆しが見えるものの、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化を起因としたエネルギーコスト、原材料価格の高止まり、さらに米国、欧州各国における金融引き締め政策の継続等により、依然として厳しい状況が続いております。
国内においては、コロナ禍で抑制された経済活動の活性化、賃金上昇等を背景とした個人消費の持ち直しや、水際対策の緩和と円安の影響によるインバウンド消費の拡大等の一方で、物価上昇への懸念は依然根強く、景気の下振れリスクが懸念されるなど、不透明な状況が続いております。
当社グループの主要販売先である専門量販店等におきましては、生活関連用品の相次ぐ値上げにより消費者の節約意識が高まる中で、消費者ニーズの変化に対応した需要の取込みやプライベートブランド商品の開発による差別化、付加価値の創出など、生き残りをかけた競争が益々激化しております。
2023年4月より当社グループはマクセル株式会社(以下、マクセル)との業務提携により、マクセル(Maxell)ブランド及びイズミ(IZUMI)ブランドの国内コンシューマ―事業の業務移管を受け、生活家電販売事業の更なる成長を加速するための基盤強化を実現しました。
こうした状況の下、当社グループにおきましては、消費者が求める商品や社会経済環境の変化に対応する商品の発掘強化、グループ合同商談会の開催などを通じた取引先への企画提案の更なる強化等、積極的な営業施策を推進してまいりました。
この結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は131億7千2百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
利益面におきましては、円安進行に伴う輸入商品の仕入価格の販売先への価格転嫁を進めたことなどにより、売上総利益率が改善出来た一方で、販売費及び一般管理費率が上昇したこと等により、経常利益は9千1百万円(前年同期比520.1%増)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益におきましては、投資有価証券売却益2億3千7百万円を特別利益に計上したこともあり、2億1千8百万円(前年同期は5千4百万円の同四半期純損失)となりました。
なお、当第1四半期連結会計期間より、不動産賃貸事業に係る表示方法を変更いたしました。
従来、「営業外収益」に計上していた「投資不動産賃貸料」を「売上高」に、「営業外費用」に計上していた「不動産賃貸原価」を「売上原価」に計上する方法に変更しております。
これにより、当第1四半期連結会計期間の売上高が、従来に比べ、9千2百万円増加、売上原価2千7百万円増加、売上総利益及び営業利益は6千5百万円、それぞれ増加しておりますが、経常利益及び税金等調整前四半期純 利益に与える影響はありません。
詳細については、注記事項(表示方法の変更)をご覧ください。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
生活家電販売事業におきましては、消費者が求めている商品や生活様式の変化に対応する商品の発掘やECサイトへの販売強化、マクセルとの業務提携の効果もあり、売上高は101億1千9百万円(前年同期比7.0%増)となりました。利益面におきましては、売上総利益率が上昇した一方、販売費及び一般管理費が増加したことで5千4百万円のセグメント損失(前年同期は8千5百万円のセグメント損失)となりました。
日用品販売事業におきましては、コロナ特需の反動の影響が依然大きく、売上高は24億8千9百万円(前年同期比8.5%減)となりました。利益面におきましては、売上総利益率が増加したことで、3千6百万円のセグメント利益(前年同期は9千8百万円のセグメント損失)となりました。
不動産賃貸事業におきましては、売上高は9千2百万円(前年同期比1.1%増)となり、セグメント利益は6千5百万円(前年同期比8.1%減)となりました。
なお、当第1四半期連結会計期間より、セグメントの事業の内容をより分かり易くするため、事業のセグメント名について、従来、「電気商品卸販売事業」としていたものを「生活家電販売事業」に、「家庭用品卸販売事業」としていたものを「日用品販売事業」に名称変更しております。
なお、当第1四半期連結会計期間より、不動産賃貸事業に係る表示方法を変更したことに伴い、セグメントの業績に、新たに不動産賃貸事業を加えております。詳細については、注記事項(表示方法の変更)をご覧ください。
②財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産につきましては、前連結会計年度末比20億2千4百万円増加し、399億1千7百万円となりました。
これは主に、受取手形及び売掛金で7億8千7百万円、棚卸資産で17億1千5百万円増加した一方で、現金及び預金で1億7千3百万円減少したことなどにより、流動資産で18億1千3百万円増加、投資その他の資産の投資有価証券で1億7千8百万円増加したことなどにより、固定資産で2億1千1百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末比17億8千1百万円増加し、133億2千8百万円となりました。
これは主に、短期借入金が11億5千万円、支払手形及び買掛金が3億2千9百万円増加したことなどにより、流動負債で17億1千9百万円増加、繰延税金負債が8千4百万円増加したことなどにより、固定負債で6千1百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末比2億4千3百万円増加し、265億8千9百万円となりました。
これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益2億1千8百万円による増加、その他有価証券評価差額金が1億7千7百万円増加した一方で、配当金の支払い1億5千1百万円があったこと等によるものであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、不動産賃貸事業に係る表示方法を変更いたしました。
従来、「投資その他の資産」の「賃貸固定資産(純額)」に計上していた42億7千5百万円を、「有形固定資産」の「建物(純額)」に7億2千8百万円、「土地」に35億4千5百万円、「その他(純額)」に1百万円、組替え表示しております。
詳細については、注記事項(表示方法の変更)をご覧ください。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
前連結会計年度末に比べ従業員数が63名増加しております。これは主に生活家電販売事業における従業員数が46名増加したことによるものであります。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、当社グループでの生産、受注及び販売の実績に著しい変化はありません。
(8)経営成績に重要な影響を与える要因
新型コロナウイルス感染症の感染症法の位置づけが5類感染症に移行するなど、経済社会活動の正常化が徐々に進む一方、物価上昇への懸念は根強く、景気回復の見通しは不透明な状況が続いております。
こうした中で、当社グループの販売先である専門量販店等においては、顧客獲得競争や価格競争がますます激化し、主要販売先における合従連衡や業界再編等も予測され、こうした動向が当社グループの業績に大きく影響する恐れがあります。
また、当社グループが販売する商品の多くは、中国の他、海外で生産されるものが多く、国際的な半導体需給のひっ迫や輸送費の高騰、当該国での原材料価格や人件費、並びに為替の動向によって当社グループの業績が大きく影響される恐れがあります。
(9)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、経常運転資金や投資を目的とした資金需要となります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金、又は金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入れを基本としております。
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