【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
a.財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて29,753百万円減少し、561,567百万円となりました。この主な要因は、現金及び現金同等物が34,298百万円減少したこと、過去の買収により発生した無形資産の償却が進み無形資産が8,015百万円減少したこと、Senseonics社の転換権付貸付金の評価損等によりその他の金融資産が6,221百万円減少したこと、欧州における政治不安等に備えた在庫確保と、日本国内の原材料不足に備えた先行購入手配等により棚卸資産が7,223百万円増加したこと、主に診断・ライフサイエンスセグメントにおける増収に伴い営業債権が5,553百万円増加したこと、診断・ライフサイエンスセグメントの病理事業においてのれんの減損を認識した一方、円安の影響を受けたことやM-M France SASU、Laurypath SASU2社の買収等によりのれんが1,952百万円増加したことによるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べて32,515百万円減少し、422,740百万円となりました。この主な要因は、返済等により借入金が15,320百万円減少したこと、配当源泉税が減少したこと等によりその他の流動負債が6,420百万円減少したこと、外貨建借入金に係る繰延税金資産の増加、Senseonics社の転換権付貸付金に係る繰延税金負債の減少等により繰延税金負債が4,477百万円減少したこと、売上減少に伴う返金負債の減少等により営業債務及びその他の債務が3,874百万円減少したことによるものであります。
資本合計は、前連結会計年度末と比べて2,762百万円増加し、138,827百万円となりました。この主な要因は、在外営業活動体の換算差額等によりその他の資本の構成要素が13,500百万円増加した一方、親会社の所有者に帰属する当期損失と配当の支払い等により利益剰余金が11,271百万円減少したことによるものであります。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の22.9%から1.7ポイント増加して24.6%となりました。
b.経営成績の状況
2023年3月期(以下、「当期」)は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が落ち着いてきたことによる経済活動の制限の緩和等、景気の持ち直しが見られた一方で、ウクライナ情勢の悪化や物価の高騰により、先行きが不透明な状況が続く1年となりました。
当期における当社グループの売上収益は、356,434百万円(前年同期比4.7%増)となりました。全般的に為替の好影響があり、糖尿病マネジメントは増収となりました。ヘルスケアソリューションでは、オンライン資格確認システムの需要を受けた好影響がありましたが、新型コロナウイルス感染症のPCR検査の診療報酬引き下げ影響が大きく、減収となりました。診断・ライフサイエンスでは、病理事業で製品価格の改定、デジタルパソロジーや消耗品の好調な売上により増収となり、バイオメディカ事業で研究・医療支援機器分野での一般需要の好調に加え、mRNAワクチン製造拠点における超低温フリーザーの需要も継続し、前年同期比で増収となりました。
営業利益は20,000百万円(前年同期比144.7%増)となりました。糖尿病マネジメントでは商品構成の変化による利益率の低下があったものの、減価償却費や一時費用の減少を受け増益となりました。ヘルスケアソリューションではPCR検査の診療報酬低下の影響が大きく減益となりました。診断・ライフサイエンスでは、病理事業において、売上収益は増加傾向にあり、様々な施策により利益率も改善傾向にあるものの、金利の上昇等による加重平均資本コストの上昇を補うには至らず、8,717百万円の減損損失を計上しました。前年同期比では、増収や利益率改善施策の効果及び減損額の減少により営業損失が減少となりました。
調整後EBITDAは64,882百万円(前年同期比9.7%減)となりました。主な当該調整項目としては、一時的なM&A関連収益・費用(加算578百万円)、一時的な事業構造改革関連収益・費用(加算4,289百万円)、一時的な役職員報酬(加算1,540百万円)、一時的なその他の収益・費用(減算145百万円)がありました。
税引前利益は179百万円(前年同期比94.0%減)となりました。この減少は主に、当社が非支配持分を有する上場会社であるSenseonics社への転換権付貸付金に対する公正価値評価に基づく評価損9,189百万円(前年同期は3,311百万円の評価損)と支払利息の増加や為替影響を受けた金融費用の増加によるものです。
親会社の所有者に帰属する当期損失は3,222百万円(前年同期は8,460百万円の損失)となりました。これは税引前利益に対し、前年同期は繰延税金資産の取り崩しに加え、前年同期、当期ともに、減損損失を計上していること及び税率の高い日本での利益割合が高かったこと等により、法人所得税費用が3,228百万円(前年同期は11,302百万円)となったことが影響しております。
キャッシュベースでの親会社の所有者に帰属する当期利益は22,473百万円(前年同期比9.5%減)となりました。
(単位:百万円)
2022年3月期
2023年3月期
増減
売上収益
340,452
356,434
4.7%
営業利益
8,174
20,000
144.7%
EBITDA
57,656
58,583
1.6%
調整後EBITDA
71,872
64,882
△9.7%
税引前利益
3,002
179
△94.0%
当期利益 (△は損失)
△8,300
△3,048
-
親会社の所有者に帰属する当期利益 (△は損失)
△8,460
△3,222
-
キャッシュベースでの親会社の所有者に帰属する当期利益
24,822
22,473
△9.5%
米ドル平均レート (円)
112.34
135.36
23.02
ユーロ平均レート (円)
130.49
140.87
10.38
(注)EBITDA、調整後EBITDA及びキャッシュベースでの親会社の所有者に帰属する当期利益は国際会計基準(IFRS)に基づく開示ではありませんが、当社はこの開示が投資家の皆様に有益な情報を提供すると考えています。
(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)
(単位:百万円)
2022年3月期
2023年3月期
増減
営業利益
8,174
20,000
144.7%
+ 減価償却費
31,077
29,015
△6.6%
+ 減損損失(有価証券等を除く)
18,405
9,568
△48.0%
EBITDA
57,656
58,583
1.6%
(調整額)
+ 一時的なM&A関連収益・費用
1,570
578
△63.2%
+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用
5,126
4,289
△16.3%
+ 一時的な資産の処分等収益・費用
△880
36
-
+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用
1,482
-
-
+ 一時的な役職員報酬
4,057
1,540
△62.0%
+ 一時的なその他の収益・費用
2,859
△145
-
調整後EBITDA
71,872
64,882
△9.7%
(注) EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。
EBITDA=営業利益+減価償却費+減損損失(有価証券等を除く)
調整後EBITDA=EBITDA+一時的な収益・費用
(キャッシュベースでの親会社の所有者に帰属する当期利益算出表)
(単位:百万円)
2022年3月期
2023年3月期
増減
親会社の所有者に帰属する当期利益 (△は損失)
△8,460
△3,222
-
(調整額)
+ M&A関連収益・費用(償却資産)
11,834
12,274
3.7%
+ 減損損失(有価証券等を除く)
18,405
9,574
△48.0%
+ 転換権付貸付金時価評価収益・費用
3,311
9,189
177.5%
+ 法人税見合い調整額
△268
△5,343
-
キャッシュベースでの親会社の所有者に帰属する当期利益
24,822
22,473
△9.5%
(注)キャッシュベースでの親会社の所有者に帰属する当期利益を以下の算式により算出しております。
キャッシュベースでの親会社の所有者に帰属する当期利益
= 親会社の所有者に帰属する当期利益 + M&A関連収益・費用(償却資産) + 減損損失(有価証券
等を除く) + 転換権付貸付金時価評価収益・費用 + 法人税見合い調整額
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、34,298百万円減少し、当連結会計年度末には60,933百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、21,376百万円(前年同期比29,676百万円減)となりました。税引前利益は前年同期比2,822百万円減少し179百万円となりました。これは主に非資金項目である純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の評価損が9,088百万円となったこと、診断・ライフサイエンスセグメントの病理事業におけるのれんの減損損失を主とした減損損失を9,568百万円認識したこと、約定金利の変更を反映した会計処理により支払利息が前年同期比3,924百万円増加し6,814百万円となったためであります。また、法人所得税の支払額が前年同期比8,309百万円増加し15,403百万円となりました。なお、この支払額のうち4,750百万円は翌期に還付を受ける予定であります。その他の主な要因は早期退職を含むリストラクチャリングに係る支払いやワーキングキャピタルが変動したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は前年同期比4,998百万円増加し17,520百万円(前年同期は12,521百万円)となりました。この主な要因は経常的な設備投資を主とした有形固定資産及び無形資産の取得による支出が11,516百万円となったことや、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,797百万円となったためであります。またSenseonics社の新株予約権取得を主とし、投資の取得による支出が3,064百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、40,832百万円のマイナスであり、前年同期は7,015百万円のマイナスでした。この主な要因は、長期借入金の返済が25,931百万円となったことや、リース負債の返済による支出が5,749百万円となったためであります。また親会社の所有者への配当金の支払額は9,196百万円となりました。
d.生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
セグメントの名称
前連結会計年度
(自2021年4月1日
至2022年3月31日)
前年
同期比
(%)
当連結会計年度
(自2022年4月1日
至2023年3月31日)
前年
同期比
(%)
糖尿病マネジメント
(百万円)
109,874
100.5
117,977
107.4
ヘルスケアソリューション
(百万円)
137,778
118.8
134,891
97.9
診断・ライフサイエンス
(百万円)
96,989
116.9
109,364
112.8
計
(百万円)
344,642
111.8
362,233
105.1
その他及び調整・消去
(百万円)
-
-
-
-
連結
(百万円)
344,642
111.8
362,233
105.1
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.百万円未満を切り捨てて記載しております。
(b)受注実績
当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
(c)販売実績
セグメントの名称
前連結会計年度
(自2021年4月1日
至2022年3月31日)
前年
同期比
(%)
当連結会計年度
(自2022年4月1日
至2023年3月31日)
前年
同期比
(%)
糖尿病マネジメント
(百万円)
109,367
101.1
111,826
102.2
ヘルスケアソリューション
(百万円)
136,286
117.4
133,550
98.0
診断・ライフサイエンス
(百万円)
92,224
115.5
108,774
117.9
計
(百万円)
337,878
111.1
354,151
104.8
その他及び調整・消去
(百万円)
2,573
131.9
2,283
88.7
連結
(百万円)
340,452
111.2
356,434
104.7
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は、外部顧客に対する売上収益を示しております。
3.百万円未満を切り捨てて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。
a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合等、不確実性が存在するため、実際の結果がこれらの見積りや予測と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の状況
当期における当社グループの業績は、売上収益が356,434百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益が20,000百万円(前年同期比144.7%増)、減価償却費や一時的収益・費用を除いた調整後EBITDAは64,882百万円(前年同期比9.7%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
セグメントの名称
売上収益
営業利益又は損失
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減
(%)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減
(%)
糖尿病マネジメント
109,367
111,826
2.2
23,260
26,737
14.9
ヘルスケアソリューション
136,286
133,550
△2.0
17,017
9,829
△42.2
診断・ライフサイエンス
92,224
108,774
17.9
△14,140
△1,065
-
計
337,878
354,151
4.8
26,137
35,501
35.8
その他及び調整・消去
2,573
2,283
△11.3
△17,963
△15,501
-
連結
340,452
356,434
4.7
8,174
20,000
144.7
セグメントの名称
EBITDA
調整後EBITDA
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減
(%)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減
(%)
糖尿病マネジメント
37,414
36,437
△2.6
41,003
37,168
△9.4
ヘルスケアソリューション
27,517
20,731
△24.7
28,009
21,994
△21.5
診断・ライフサイエンス
9,644
16,044
66.4
14,078
16,054
14.0
計
74,575
73,212
△1.8
83,090
75,216
△9.5
その他及び調整・消去
△16,919
△14,629
-
△11,218
△10,334
-
連結
57,656
58,583
1.6
71,872
64,882
△9.7
(糖尿病マネジメント)
当期の糖尿病マネジメントの売上収益は、111,826百万円(前年同期比2.2%増)となりました。血糖値測定システム(BGM)事業では、為替の好影響で微増となりました。米国において、自費購入者チャネルで市場シェアを獲得したものの、販売協業の終了による影響が継続したため減収となった他、英国・イタリアも市場の縮小傾向が続く中で減収となった一方、アジア太平洋地域を含む新興国市場で増収となりました。持続血糖値測定機(以下「CGM」という。)の売上収益は、Senseonics社製の埋め込み型CGM「EversenseE3」が米国市場において第1四半期に販売を開始したことを受け、増収となりました。IVD事業の売上収益は、迅速検体検査(POCT)の成長と新しい電動式医薬品注入器の導入により、増収となりました。
当期の糖尿病マネジメントの営業利益は、26,737百万円(前年同期比14.9%増)となりました。前年同期に対する増加の主な要因としては、無形資産の償却期間終了等により減価償却費が減少したこと(前年同期比3,588百万円減)に加え、前年同期には一時的な費用としてBGM事業の営業体制見直しのための事業構造改革関連費用3,456百万円がありました。一方、減少要因として、商品構成の変化による利益率の悪化に加え、BGMの販売経費の削減に努めつつもCGM販売の営業体制を強化したこと及び為替影響による販売費及び一般管理費の増加がありました。
調整後EBITDAは37,168百万円(前年同期比9.4%減)となりました。主な当該調整項目として前年同期は、一時的な事業構造改革関連費用3,456百万円の加算及び一時的な資産の処分等収益・費用847百万円の減算がありました。
(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)
(単位:百万円)
2022年3月期
2023年3月期
増減
営業利益
23,260
26,737
14.9%
+ 減価償却費
13,141
9,553
△27.3%
+ 減損損失(有価証券等を除く)
1,011
146
△85.6%
EBITDA
37,414
36,437
△2.6%
(調整額)
+ 一時的なM&A関連収益・費用
-
-
-
+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用
3,456
204
△94.1%
+ 一時的な資産の処分等収益・費用
△847
36
-
+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用
-
-
-
+ 一時的な役職員報酬
965
186
△80.7%
+ 一時的なその他の収益・費用
13
303
-
調整後EBITDA
41,003
37,168
△9.4%
(注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)
調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用
(ヘルスケアソリューション)
当期のヘルスケアソリューションの売上収益は、133,550百万円(前年同期比2.0%減)となりました。LSIM事業の売上収益は、95,621百万円(前年同期比7.5%減)、メディコム事業の売上収益は、37,928百万円(前年同期比15.0%増)となりました。
LSIM事業では、前年同期比で減収となりました。臨床検査事業では、新型コロナウイルス感染症第7波及び第8波の影響で一般患者数が減少し、同感染症抗原検査の簡易検査キットの普及や第8波の収束に伴い第4四半期にPCR検査の件数が急速に減少したことに加え、同検査の診療報酬引き下げの影響により、減収となりました。診断薬事業では、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時検査キットの販売も開始し、新型コロナウイルス感染症の抗原検査キットの販売が増収となりましたが、重症化率の低いオミクロン株に推移したことにより、主に重症化患者向けに使用されていた海外向け新型コロナウイルス感染症関連試薬の売上が減少した影響を受け、前年同期比で減収となりました。創薬支援事業は、新型コロナウイルス感染症ワクチンの治験や医薬品分析の好調を受け、前年同期比で増収となりました。
メディコム事業では、医科システムにおいて、診療所用カルテ医事システム「Medicom-HRfシリーズ」を主力商品として、2023年4月より導入が原則義務化されたオンライン資格確認システムとのセットでの提案等により販売を進め、自社製品の買替を中心に販売が好調に推移しました。調剤システムでは「PharnesVシリーズ」を主力商品として販売を進め、大手チェーン薬局向けの販売が引き続き好調に推移し、増収となりました。また、2023年1月26日より運用が開始された電子処方箋についても、大手チェーン薬局向けを中心に販売を開始いたしました。
当期のヘルスケアソリューションの営業利益は、9,829百万円(前年同期比42.2%減)となりました。これは、メディコム事業において、一時的な構造改革費用の増加を好調な売上に伴う増益が補った一方で、LSIM事業において、PCR検査の診療報酬引き下げと検査数の減少の影響が大きかった事が主な要因です。
調整後EBITDAは、21,994百万円(前年同期比21.5%減)となりました。主な当該調整項目として、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期1,029百万円、前年同期148百万円をそれぞれ加算)がありました。
(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)
(単位:百万円)
2022年3月期
2023年3月期
増減
営業利益
17,017
9,829
△42.2%
+ 減価償却費
10,500
10,856
3.4%
+ 減損損失(有価証券等を除く)
-
45
-
EBITDA
27,517
20,731
△24.7%
(調整額)
+ 一時的なM&A関連収益・費用
73
139
90.4%
+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用
148
1,029
595.3%
+ 一時的な資産の処分等収益・費用
△33
-
-
+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用
-
-
-
+ 一時的な役職員報酬
276
93
△66.3%
+ 一時的なその他の収益・費用
26
-
-
調整後EBITDA
28,009
21,994
△21.5%
(注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)
調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用
(診断・ライフサイエンス)
当期の診断・ライフサイエンスの売上収益は、108,774百万円(前年同期比17.9%増)となりました。病理事業の売上収益は、49,508百万円(前年同期比26.8%増)、バイオメディカ事業の売上収益は、59,265百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
病理事業では、スライドガラスの売上は前年同期比で減少したものの、為替の好影響、製品価格の改定、デジタルパソロジーや欧州及びその他地域での消耗品の好調な売上により、増収となりました。
バイオメディカ事業では、研究・医療支援機器分野の売上は、前年同期比で大幅に増加しました。米州地域では製薬・バイオテック企業を中心にライフサイエンス研究施設の新設や拡張案件を多数獲得、また欧州地域では一般需要向け売上が大きく伸長したのに加え、mRNAワクチン製造拠点における超低温フリーザーの大型案件を獲得し、両地域では為替の好影響も加わり大幅な増収となりました。日本では一般需要向け販売が大きく伸長するも、前年第1四半期のmRNAワクチン保存用超低温フリーザーの特需を上回ることはなく、減収となりました。中国でも、第1四半期の上海ロックダウン影響をカバーすべく増販活動に努めるも、国産品優遇施策の強化や財政悪化による投資控えを主因とする販売低迷により減収となりました。調剤支援機器・その他の売上は、米州でOEM供給先のM&Aに伴う第2四半期における活動停滞等があったものの、為替の好影響等により、増収となりました。
当期の診断・ライフサイエンスの営業損失は、1,065百万円(前年同期は14,140百万円の損失)となりました。病理事業において、売上収益は増加傾向にあり、様々な施策により利益率も改善傾向にあるものの、金利の上昇等による加重平均資本コストの上昇を補うには至らず、8,717百万円の減損損失を計上しましたが、前年同期比では、増収や利益率改善施策の効果及び減損額の減少により営業損失が縮小しました。バイオメディカ事業では新型コロナ関連需要は前年同期比で減少したものの増益となりました。
調整後EBITDAは、16,054百万円(前年同期比14.0%増)となりました。主な当該調整項目には、サービス契約終了に伴う益を含む一時的なその他の収益・費用(当期1,055百万円減算、前年同期108百万円加算)、一時的なM&A関連収益・費用(当期439百万円、前年同期1,493百万円をそれぞれ加算)及び一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期561百万円、前年同期1,444百万円をそれぞれ加算)がありました。
(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)
(単位:百万円)
2022年3月期
2023年3月期
増減
営業損失
△14,140
△1,065
-
+ 減価償却費
6,788
7,857
15.7%
+ 減損損失(有価証券等を除く)
16,995
9,252
△45.6%
EBITDA
9,644
16,044
66.4%
(調整額)
+ 一時的なM&A関連収益・費用
1,493
439
△70.6%
+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用
1,444
561
△61.1%
+ 一時的な資産の処分等収益・費用
-
-
-
+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用
-
-
-
+ 一時的な役職員報酬
1,387
63
△95.5%
+ 一時的なその他の収益・費用
108
△1,055
-
調整後EBITDA
14,078
16,054
14.0%
(注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)
調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用
(b)財政状態の状況
「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 a.財政状態の状況」にて記載しておりますのでご参照ください。
(c)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(イ)キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 c.キャッシュ・フローの状況」にて記載しておりますのでご参照ください。
(ロ)資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。販売費及び一般管理費の主なものは人件費及び広告宣伝費等です。
(ハ)資金調達と財務マネジメント
当社グループは、運転資金や設備投資のために、最適な資金確保と流動性の保持及び健全な財政状態を維持することを財務方針としております。
運転資金は基本的には手許資金でまかなうことを原則としております。基本的には当社が一元して資金を調達・運用し、運転資金が必要な各子会社に対しては当社グループ内から貸付を行うことで効率化を図っております。
また、設備投資等の長期資金需要に関しては、投資回収期間とリスクを勘案した上で調達方法を決定しております。なお、当連結会計年度は、設備投資及び研究開発活動等の資金について、主に営業活動の結果得られた資金から充当しております。
資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、銀行とコミットメント・ライン契約を締結しており、成長を維持するために必要とされる流動性を確保していると考えております。2023年3月末時点の借入残高は約2,900億円であり、取引金融機関とは良好な関係を維持しております。
(d)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの売上は、販売を行っている国又は地域の経済状況、医療制度、競合他社の状況、顧客動向や嗜好の変化等による影響を受け、また当社製品の販売価格は、世界的に浸透している医療費抑制政策の影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、外貨建てで取引されている製品・サービスが売上収益の過半数を占めていること等から、為替相場の変動により経営成績が影響を受ける可能性があります。費用面では、原材料価格等による影響を受けます。
当社グループの経営成績に影響を与える他の要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(e)経営戦略の現状と見通し
当社グループの属するヘルスケア業界では、先進国における高齢化社会、世界的な生活習慣病の増加、各国における医療費削減等の経営環境に直面しております。
このような環境の下、当社グループでは、グローバル規模での中長期成長を支える社内体制の構築・強化、人材の確保と育成の強化、事業及び収益基盤の拡大等に取り組むことで売上拡大や利益の確保に努めていく所存です。
当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳細にご説明しておりますのでご参照ください。
(f)経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳細にご説明しておりますのでご参照ください。
