【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が比較的落ち着きを見せ、設備投資等に一部持ち直しの動きが見られたものの、エネルギー価格の高騰や急激な円安の進行による物価の上昇等、引き続き先行き不透明な状況で推移した。エネルギー業界においては、ガス・電力市場の小売全面自由化に伴う事業者間競争の進展、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素化の加速、ロシアのウクライナ侵攻等によるエネルギー価格高騰等、ガス事業を取り巻く環境は大きく変化している。このような情勢のもと、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、懸命な努力を重ねてきた。当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりである。
(ⅰ) 財政状態の状況当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べ18,193百万円増加の141,996百万円となった。負債は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ15,400百万円増加の74,135百万円となった。純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,793百万円増加の67,860百万円となった。 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.5ポイント低下し、45.5%となった。
(ⅱ) 経営成績の状況当連結会計年度の売上高は、ガス販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ24.0%増加の95,219百万円となった。利益については、営業利益は、円安や原油価格の上昇に伴う原材料費の増加はあったものの、売上原価を上回る売上高の増加等により、前連結会計年度に比べ118.9%増加の7,021百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は60.6%増加の7,412百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益の減少等はあったが42.4%増加の5,216百万円となった。当社を取り巻く経営環境として、ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学的リスク、円安の進行、それらに伴う世界的なエネルギー需給環境の変化や価格の上昇といった課題があるなか、現時点において、業績等に及ぼす影響を合理的に算定することは困難であるが、当社グループは、今後の状況を注視しながら経営課題等に全力で取り組んでいく。なお、当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
ガス事業当連結会計年度末におけるお客さま戸数は、積極的な営業活動を展開した結果、前連結会計年度末に比べ464戸増加の417,252戸となった。都市ガス販売量は、前連結会計年度に比べ11.7%減少の500百万m3となった。都市ガス販売量を用途別に見ると、家庭用は、水温が高めに推移したこと等により、前連結会計年度に比べ7.6%減少の95百万m3となった。業務用(商業用・公用及び医療用・工業用)は、大口用販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ11.3%減少の328百万m3となった。卸供給等は、卸供給先の既存需要家へのガス販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ17.5%減少の76百万m3となった。
以上のように都市ガス販売量は減少となったものの、ガス販売単価の上昇等により、ガス事業の売上高は、前連結会計年度に比べ27.6%増加の76,546百万円、セグメント利益(営業利益)は、売上高の増加等により、141.6%増加の6,899百万円となった。(注) 本報告書では、ガス販売量はすべて、毎月の検針による使用量の計量に基づいたものを45MJ(メガジュール)/m3で換算して表している。
LPG事業LPG事業は、販売単価の上昇等により、売上高は前連結会計年度に比べ9.3%増加の17,390百万円となったが、売上原価の増加等により118百万円のセグメント損失(営業損失)となった。
その他その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、建設事業、高齢者サービス事業等を含んでいる。売上高は、建設工事売上の増加等により、前連結会計年度に比べ14.7%増加の3,861百万円、セグメント利益(営業利益)は90百万円となった。
セグメントの売上高及び構成比
セグメントの名称
当連結会計年度
前年同期比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
ガス事業
76,546
78.3
27.6
LPG事業
17,390
17.8
9.3
その他
3,861
3.9
14.7
計
97,798
100.0
23.4
調整額
(2,578)
連結
95,219
24.0
(注) 調整額とは売上高の連結消去等である。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15,504百万円増加の33,535百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ1,037百万円増加の8,947百万円となった。これは、主に税金等調整前当期純利益の増加によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ83百万円増加の△7,062百万円となった。これは、主に投資有価証券の有償減資による収入によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ9,804百万円増加の13,608百万円となった。これは、主に長期借入れによる収入の増加によるものである。
③ 生産、受注及び販売の実績当社グループにおいては、「ガス事業」及び「LPG事業」を報告セグメントとしているが、「ガス事業」の主要製品である都市ガスが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっているため、以下は都市ガスについて記載している。
(ⅰ) 生産実績当連結会計年度のガス生産実績は次のとおりである。
区分
数量(千m3)
前年同期比(%)
ガス
514,109
△11.6
(ⅱ) 受注実績都市ガスについては、事業の性格上受注生産は行っていない。
(ⅲ) 販売実績当社は広島県内の広島市、廿日市市、東広島市、呉市、尾道市、三原市、福山市を主な供給エリアとして都市ガス事業を行い、導管を通じ直接お客さまに販売している。また、他ガス事業者等への卸供給等を行っている。(ア) ガス販売実績当連結会計年度のガス販売実績は次のとおりである。
区分
数量(千m3)
前年同期比(%)
金額(百万円)
前年同期比(%)
ガス販売量
家庭用
95,681
△7.6
25,272
16.7
業務用
328,381
△11.3
33,179
33.9
卸供給等
76,162
△17.5
7,232
25.9
計
500,225
△11.7
65,683
25.9
月平均調定件数(件)
376,275
△0.0
調定件数1件当たり月平均販売量(m3)
93.9
△10.5
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略している。
(イ) 地区別ガス普及状況当連結会計年度末の地区別ガス普及状況は次のとおりである。
地区
供給区域内世帯数(世帯)
お客さま戸数(戸)
普及率(%)
広島
546,445
353,755
64.7
可部
3,932
1,112
28.3
呉
65,740
43,146
65.6
熊野
7,058
1,991
28.2
尾道
51,541
17,248
33.5
計
674,716
417,252
61.8
(注)
1 お客さま戸数とはガスメーター取付数をいう。なお、供給区域外取付メーター数を含んでいる。2 供給区域内世帯数は供給区域の住民基本台帳による一般世帯数である。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当連結会計年度の売上高は、ガス販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ24.0%増加の95,219百万円となった。利益については、営業利益は、円安や原油価格の上昇に伴う原材料費の増加はあったものの、売上原価を上回る売上高の増加等により、前連結会計年度に比べ118.9%増加の7,021百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は60.6%増加の7,412百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益の減少等はあったが42.4%増加の5,216百万円となった。セグメントごとの経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。経営成績に重要な影響を与える要因として、為替や原油価格の変動が挙げられる。これらは、主にガス事業における原料価格に大きく影響するが、この原料価格については、原油価格に関するスワップ等の活用により、そのリスクをヘッジしている。デリバティブ取引については、実需に基づくリスクヘッジを目的としており、投機目的でのデリバティブ取引は行っていない。また、当社グループでは、デリバティブ取引の市場価値について定期的な評価を行い、市場リスクを継続的に監視している。これらのデリバティブ取引については、内部規程に定めた要件に従い、信用力があると判断できる金融機関等とのみ取引を行うこととしており、取引先に係る信用リスクは僅少であると考えている。デリバティブ取引へのヘッジ会計の適用において、ヘッジ手段(デリバティブ)に対応するヘッジ対象(LNG原料仕入の予定取引)が発生しない、又は不足する、ないし、ヘッジの有効性が保たれない状況となった場合には、ヘッジの終了及び中止により、時価の変動を損益に反映するリスクを伴うため、経営者は、ヘッジ会計の適用の判断、運用状況の把握、内部統制の整備等について慎重に分析・検討を行っている。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりである。当社グループの主な資金需要は、原料の購入の他、製造費、供給販売費、一般管理費等の営業費及び製造設備、供給設備等への設備投資である。これらに対応するための必要な資金を社債及び金融機関からの借入金により調達し、短期的な運転資金は、短期社債(コマーシャル・ペーパー)及び金融機関からの借入金により調達している。一時的な余資の運用については短期的な預金等に限定している。なお、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的に、取引金融機関11行とシンジケーション方式による総額30,000百万円のコミットメントライン契約を締結している。連結会計年度末における有利子負債は、前連結会計年度末に比べ31.7%増加の59,772百万円となった。キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。キャッシュ・フロー指標は次のとおりである。
前連結会計年度
当連結会計年度
自己資本比率(%)
50.0
45.5
時価ベースの自己資本比率(%)
18.5
17.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
5.7
6.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
48.2
46.3
(注) 1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により、以下の方法で計算している。 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算している。キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用している。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としている。
当連結会計年度は、ガス販売単価の上昇等による売上高の増加等により、2期連続の増収となった。都市ガス販売量については、前連結会計年度に比べ11.7%減少となった。用途別にみると、家庭用においては水温が高めに推移したこと等により需要が減少し、業務用においても大口用販売量等が減少している。一方で、お客さま件数が7年連続で増加しており、これまでの地道な営業活動や諸施策を着実に実行してきた成果であると評価している。今後の当社グループにおける中長期的な経営の方向性は「2030年ビジョン」で示しており、更に国連が2030年までの目標として定めているSDGsを「共通の目標」と捉え、2020年10月に「広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~」を策定、2021年11月に「2050年カーボンニュートラルへの取り組み」を策定している。現時点は「2030年ビジョン」に掲げた収益性指標等の目指す姿に向けた成長過程の第2フェーズであり、基本戦略であるガス体エネルギーの普及拡大、環境貢献につながる再生可能エネルギーや発電事業等の展開を通じて「2030年ビジョン」の経営目標に向けて邁進していく。これまでの取組みを一層深化・加速させ、グループ一丸となってSDGsの達成、更にその先の2050年カーボンニュートラルの実現に向けて挑戦していく。このような事業展開を通じて、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、全力を挙げて取り組んでいく。
2030年度
2022年度(実績)
収益性指標
ROA
3.5%以上
3.9%
ROE
8.0%以上
8.3%
EBITDA (注)1
160億円以上
143億円
安全性指標
自己資本比率
50%程度
45.5%
株主還元
連結配当性向 (注)2
30%以上
15.9%
(注) 1 EBITDAは営業利益+減価償却費として算出している。2 目標とする連結配当性向は短期的な利益変動要因を除いている。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合には、合理的な金額を算出するために会計上の見積りを必要とする。当社グループは、過年度の実績や経営計画及びその他の仮定を踏まえ、入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づき、継続的に見積りを行っている。ただし、これらには見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果は様々な要因により異なる場合がある。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
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