【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営者による当社グループの経営成績等の状況の分析は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、また、様々な要素により異なる結果となる可能性がある。
(1) 業績の状況当第1四半期連結累計期間の世界経済は、欧米を中心にインフレや政策金利の利上げが長期化し、その影響等により経済成長のペースは鈍化したものの、全体として底堅さを見せた。我が国経済については、物価上昇が続く状況においても、サービス消費の回復により個人消費が堅調に推移するなど国内需要が下支えとなり、緩やかな回復基調となった。国内建設市場においては、安定的な公共投資に加え、製造業、非製造業ともに企業の設備投資意欲が高い状況が続き、建設需要は堅実な動きとなった。建設コストに関しては、鉄などの価格には落ち着きが見られたものの、資機材価格は総じて高い水準で推移した。こうした中、当第1四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、次のとおりとなった。建設事業受注高は、国内、海外ともに増加し、前年同四半期連結累計期間比62.6%増の8,018億円(前年同四半期連結累計期間は4,930億円)となった。なお、当社の受注高は、開発事業等を含めて同34.2%増の4,836億円(同3,604億円)となった。売上高は、当社及び海外関係会社の建設事業売上高の増加を主因に、前年同四半期連結累計期間比16.8%増の5,834億円(前年同四半期連結累計期間は4,996億円)となった。利益に関しては、当社建設事業の売上総利益が増加したことを主因に、営業利益は前年同四半期連結累計期間比31.9%増の248億円(前年同四半期連結累計期間は188億円)となった。営業外損益は、海外開発事業に係る営業外収益の減少などにより低下したものの、42億円の利益(前年同四半期連結累計期間は88億円の利益)を計上し、経常利益は同5.2%増の291億円(同276億円)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期連結累計期間と同水準の193億円(同196億円)となった。当第1四半期連結累計期間における事業別業績の概況は、次のとおりである。当社においては、土木事業、建築事業ともに売上高及び売上総利益率が前年同四半期連結累計期間を上回り、通期予想に対して順調に進捗した。建設コストの上昇に対して、最新の価格動向を反映した見積作成、早期調達、発注者との請負金額変更や設計変更に関する協議などの対策を徹底するとともに、生産性向上に向けた取組みを推進している。開発事業等に関しては、安定した不動産賃貸事業などにより、前年同四半期連結累計期間と概ね同水準の業績を確保した。国内関係会社は、手持ち工事の着実な施工に加え、開発事業等においてホテル運営事業やアスファルト合材販売事業が回復したことなどから、売上高、営業利益ともに前年同四半期連結累計期間を上回った。海外関係会社については、建設事業の売上高、売上総利益は前年同四半期連結累計期間を上回ったものの、開発事業における物件売却数が少なく、損益は前年同四半期連結累計期間を下回った。米国流通倉庫開発事業では、第2四半期連結会計期間において複数物件の売却が確実であるなど、今後の物件売却数増加による連結業績への貢献を見込んでいる。現時点では、2023年5月15日に公表した通期の連結業績予想に変更はない。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。) ① 土木事業(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業) 売上高は、大型工事を中心に手持ち工事の施工が順調に進捗し、前年同四半期連結累計期間比31.7%増の885億円(前年同四半期連結累計期間は671億円)となった。営業利益は、売上高増加に売上総利益率の改善が加わり、前年同四半期連結累計期間比152.2%増の54億円(前年同四半期連結累計期間は21億円)となった。
② 建築事業(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業) 売上高は、生産施設やオフィス等の大型工事の施工が着実に進捗したことから、前年同四半期連結累計期間比16.5%増の2,792億円(前年同四半期連結累計期間は2,397億円)となった。営業利益は、売上高の増加に加え売上総利益率も向上し、前年同四半期連結累計期間比42.1%増の161億円(前年同四半期連結累計期間は113億円)となった。
③ 開発事業等(当社における不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業) 売上高は、不動産開発事業、設計・エンジニアリング事業ともに増加し、前年同四半期連結累計期間比7.1%増の107億円(前年同四半期連結累計期間は100億円)となった。営業利益は、大型の不動産販売物件の売却がなかったこと等により、前年同四半期連結累計期間比10.5%減の13億円(前年同四半期連結累計期間は14億円)となった。
④ 国内関係会社(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸
事業等) 建設事業、開発事業等ともに前年同四半期連結累計期間と概ね同水準で推移し、売上高は前年同四半期連結累計期間比2.6%増の784億円(前年同四半期連結累計期間は765億円)、営業利益は同3.3%増の28億円(同27億円)となった。
⑤ 海外関係会社(当社の海外関係会社が行っている事業であり、北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等) 売上高は、米国の不動産売却件数が減少したものの、米国や東南アジアの建設事業売上高が増加したことを主因に、前年同四半期連結累計期間比10.5%増の1,543億円(前年同四半期連結累計期間は1,397億円)となった。営業損益は、米国における不動産売却件数減少の影響が大きく、8億円の損失(前年同四半期連結累計期間は13億円の利益)となった。
(2) 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比182億円増加し、2兆7,879億円(前連結会計年度末は2兆7,697億円)となった。これは、保有株式等の時価上昇による含み益の増加を主因とする投資有価証券の増加345億円及び棚卸資産(販売用不動産、未成工事支出金、開発事業支出金及びその他の棚卸資産)の増加320億円があった一方で、受取手形・完成工事未収入金等の減少483億円があったこと等によるものである。負債合計は、前連結会計年度末比6億円増加し、1兆7,091億円(前連結会計年度末は1兆7,085億円)となった。これは、未成工事受入金の増加458億円があった一方で、支払手形・工事未払金等の減少116億円があったこと等によるものである。なお、有利子負債残高※は、5,352億円(前連結会計年度末は5,377億円)となった。純資産合計は、株主資本8,708億円、その他の包括利益累計額1,981億円、非支配株主持分97億円を合わせて、前連結会計年度末比176億円増加の1兆787億円(前連結会計年度末は1兆611億円)となった。また、自己資本比率は、前連結会計年度末比0.3ポイント好転し、38.3%(前連結会計年度末は38.0%)となった。 (注)※短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債(1年内償還予定の社債を含む)及び長期借入金の合計額
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についての重要な変更はない。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は37億円である。
