【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営者による当社グループの経営成績等の状況の分析は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、また、様々な要素により異なる結果となる可能性がある。
(1) 業績の状況当第3四半期連結累計期間における世界経済は、多くの国や地域においてインフレや金利上昇が続く中、成長ペースに鈍化や停滞が見られた。我が国経済については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、個人消費等が伸び悩む局面もあったが、行動制限のない社会・経済環境の進展に伴い、緩やかな回復基調となった。欧米におけるインフレ率には低下が見られ始めているものの、今後も引き続き、ウクライナ情勢の動向に加え、物価や金利・為替の変動による景気への影響を注視していく必要がある。国内建設市場においては、製造業、非製造業ともに企業の投資意欲が高く、公共投資も底堅さを維持していることから、建設需要は増加基調となった。建設コストに関しては、資機材価格が総じて高い価格水準で推移する中、労務費も一部の職種において価格上昇が見られた。こうした中、当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、次のとおりとなった。建設事業受注高については、国内、海外ともに増加し、前年同四半期連結累計期間比34.6%増の1兆7,461億円(前年同四半期連結累計期間は1兆2,970億円)となった。なお、当社の受注高は、開発事業等を含めて同38.2%増の1兆1,689億円(同8,457億円)となった。売上高は、当社建築事業及び海外関係会社の売上高増加を主因に、前年同四半期連結累計期間比18.2%増の1兆7,531億円(前年同四半期連結累計期間は1兆4,825億円)となった。利益については、当社、国内関係会社、海外関係会社のいずれも増益となり、営業利益は前年同四半期連結累計期間比5.2%増の932億円(前年同四半期連結累計期間は886億円)、経常利益は同13.6%増の1,212億円(同1,068億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は同0.8%増の820億円(同814億円)となった。なお、当第3四半期連結累計期間において政策保有株式を売却(15銘柄90億円)しており、投資有価証券売却益などを特別損益に計上している。当第3四半期連結累計期間における当社建設事業は、幅広い品目の資機材価格が上昇したが、早期調達等のコスト上昇対策や生産性向上の取組みに加え、請負金額変更や設計変更に関する発注者との協議を推し進めたことにより、資機材価格上昇の影響は、期首にリスク要因として織り込んだ範囲内に収まっている。当期受注工事を含めた手持ち工事の施工も着実に進み、土木事業、建築事業ともに通期業績予想に対し順調に進捗した。開発事業等については、大きな不動産販売案件はないものの、不動産賃貸事業の売上高が増加するなど、堅調に推移している。国内関係会社においては、建設事業受注高の増加が売上高、売上総利益に寄与するとともに、建設資機材販売事業や建物リース事業が順調に推移し、建設事業、開発事業等ともに安定的な業績水準を維持している。海外関係会社に関しては、ウクライナ情勢の長期化、インフレや金利上昇に加え、為替相場が大きく変動するなど対応の難しい経営環境が続いたが、リスク管理を徹底した事業展開を推進した結果、米国における流通倉庫開発事業や賃貸住宅開発事業等がけん引し、前年同四半期連結累計期間を上回る業績を確保している。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。)① 土木事業(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業)
売上高は、工事終盤の大型案件を中心に施工が進捗し、前年同四半期連結累計期間比10.9%増の2,184億円(前年同四半期連結累計期間は1,969億円)となった。営業利益は、売上総利益率が微減となったものの、売上高増加の効果が大きく、前年同四半期連結累計期間比15.0%増の160億円(前年同四半期連結累計期間は139億円)となった。
② 建築事業(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業)
売上高は、当期受注工事を含め大型工事の施工が順調に進捗し、前年同四半期連結累計期間比17.7%増の7,675億円(前年同四半期連結累計期間は6,520億円)となった。営業利益は、売上高増加の効果があったものの、売上高総利益率が資機材価格上昇の影響等により前年同四半期連結累計期間と比べ低下したことに加え販管費が増加したことから、前年同四半期連結累計期間比1.4%減の360億円(前年同四半期連結累計期間は365億円)となった。
③ 開発事業等(当社における不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業)
不動産賃貸事業の増加を主因に、売上高、営業利益ともに前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は前年同四半期連結累計期間比5.6%増の319億円(前年同四半期連結累計期間は302億円)、営業利益は同8.3%増の54億円(同50億円)となった。
④ 国内関係会社(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸
事業等)
建設事業、開発事業等ともに売上高、売上総利益が増加し、売上高は前年同四半期連結累計期間比11.6%増の2,542億円(前年同四半期連結累計期間は2,278億円)、営業利益は同1.3%増の112億円(同111億円)となった。
⑤ 海外関係会社(当社の海外関係会社が行っている事業であり、北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等)
売上高は、為替変動の影響もあり全ての地域において増加し、前年同四半期連結累計期間比28.9%増の5,790億円(前年同四半期連結累計期間は4,492億円)となった。営業利益は、北米における開発事業等の売上総利益増加を主因に、前年同四半期連結累計期間比11.3%増の242億円(前年同四半期連結累計期間は217億円)となった。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比4,269億円増加し、2兆7,647億円(前連結会計年度末は2兆3,377億円)となった。これは、受取手形・完成工事未収入金等の増加2,161億円、棚卸資産(販売用不動産、未成工事支出金、開発事業支出金及びその他の棚卸資産)の増加1,559億円及び有形固定資産の増加323億円があったこと等によるものである。負債合計は、前連結会計年度末比3,409億円増加し、1兆7,251億円(前連結会計年度末は1兆3,841億円)となった。これは、有利子負債残高※の増加2,494億円、支払手形・工事未払金等の増加670億円及び未成工事受入金の増加312億円があったこと等によるものである。なお、有利子負債残高は、6,094億円(前連結会計年度末は3,599億円)となった。純資産合計は、株主資本8,520億円、その他の包括利益累計額1,781億円、非支配株主持分94億円を合わせて、前連結会計年度末比860億円増加の1兆395億円(前連結会計年度末は9,535億円)となった。また、自己資本比率は、前連結会計年度末比3.2ポイント悪化し、37.3%(前連結会計年度末は40.5%)となった。
(注)※短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債(1年内償還予定の社債を含む)及び長期借入金の合計額
(3) 目標とする経営指標当第3四半期連結累計期間の業績動向と今後の経営環境を勘案し、2022年11月10日に公表した当連結会計年度業績予想を2023年2月14日に修正した。当社業績は、建設事業において大型工事の施工が順調に進捗することに加え、売上総利益率も前回発表予想の水準から改善する見通しであり、売上高及び売上総利益が増加すると見込んでいる。一方で、海外関係会社については、為替レートが前回発表予想時の1米ドル144円81銭から1米ドル132円70銭まで変動したことによる外貨換算額の減少を主因に、売上高、利益ともに前回発表予想を下回ると見通している。こうした見通しを反映した結果、売上高は前回発表予想比1.2%減の2兆4,000億円と見込むものの、営業利益は同7.1%増の1,210億円、経常利益は同6.4%増の1,500億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.0%増の1,050億円と増加を予想している。連結業績予想
(単位:百万円)
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する当期純利益
前回発表予想(A)(2022年11月10日)
2,430,000
113,000
141,000
100,000
今回修正予想(B)(2023年2月14日)
2,400,000
121,000
150,000
105,000
増減額(B-A)
△30,000
8,000
9,000
5,000
増減率(%)
△1.2%
7.1%
6.4%
5.0%
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についての重要な変更はない。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は115億円である。
(6) 主要な設備当第3四半期連結累計期間における当社グループの設備投資の総額は339億円であるが、その主な内容は当社における事業用土地建物の購入等(166億円)である。
