【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営者による当社グループの経営成績等の状況の分析は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、また、様々な要素により異なる結果となる可能性がある。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化に加え、欧米を中心にインフレ及び金利上昇が進行する中、成長のペースに鈍化が見られた。我が国経済については、新型コロナウイルス感染症防止対策と社会経済活動の両立が進み、緩やかに持ち直している。国内建設市場においては、製造業、非製造業ともに設備投資を増加させる傾向が見られ、公共投資も堅調を維持したことから、建設需要は回復の動きが続いた。資機材価格に関しては、一部に落ち着きが見られ始めたものの、総じて高い価格水準が続き、適切な状況把握と対策が求められる状況にある。 こうした中、当第2四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、次のとおりとなった。建設事業受注高については、国内、海外ともに増加し、前年同四半期連結累計期間比39.1%増の1兆1,225億円(前年同四半期連結累計期間は8,071億円)となった。なお、当社の受注高は、開発事業等を含めて同49.8%増の7,718億円(同5,151億円)となった。売上高は、当社及び海外関係会社の売上高増加を主因に、前年同四半期連結累計期間比19.0%増の1兆1,374億円(前年同四半期連結累計期間は9,561億円)となった。 利益については、当社、国内関係会社、海外関係会社のいずれも増益となり、営業利益は前年同四半期連結累計期間比15.0%増の649億円(前年同四半期連結累計期間は564億円)、経常利益は同20.9%増の791億円(同654億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は同9.8%増の547億円(同498億円)となった。なお、当第2四半期連結累計期間において政策保有株式を売却(12銘柄57億円)しており、投資有価証券売却益などを特別損益に計上している。当第2四半期連結累計期間における当社建設事業は、当期に受注した大型工事を含めた手持ち工事の施工が順調に進捗したことから、土木事業、建築事業ともに売上高が前年同四半期連結累計期間を上回った。資機材価格上昇の影響は、期首にリスク要因として織り込んだ範囲内に収まっているが、引き続き、早期調達等のコスト上昇対策や生産性向上の取組みを徹底するとともに、著しい価格変動が生じている場合には請負金額変更や設計変更に対する発注者の理解を得ることに努め、売上総利益率の維持・向上を図っている。開発事業等については、大きな不動産販売案件はなかったものの、不動産賃貸事業の売上高は増加しており、堅調に推移している。国内関係会社に関しては、大型工事の受注や建物リース案件の売却などにより、業績は建設事業、開発事業等ともに前年同四半期連結累計期間を上回って進捗している。海外関係会社については、感染症の影響が残る東南アジアにおける業績の本格的な回復には更に時間が必要な状況にあるが、当第2四半期連結会計期間末時点では、欧州におけるウクライナ情勢の影響は限定的であり、米国においても物価や政策金利の上昇による影響は軽微であった。米国の開発事業では、流通倉庫開発事業において8件の物件売却を実現したことに加え、パートナーとの協業による賃貸住宅開発事業等が好調を維持しており、海外関係会社全体の業績に大きく寄与している。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。)① 土木事業(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業) 売上高は、工事終盤の大型案件を中心に施工が進捗し、前年同四半期連結累計期間比8.5%増の1,420億円(前年同四半期連結累計期間は1,309億円)となった。 営業利益は、売上高増加が売上総利益率の低下を補い、前年同四半期連結累計期間比4.4%増の93億円(前年同四半期連結累計期間は89億円)となった。
② 建築事業(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業) 売上高は、当期受注工事を含め大型工事の施工が順調に進捗し、前年同四半期連結累計期間比22.8%増の5,029億円(前年同四半期連結累計期間は4,096億円)となった。 営業利益は、売上総利益率が資機材価格上昇の影響もあり前年同四半期連結累計期間から低下したものの、売上高増加の効果により、前年同四半期連結累計期間比7.3%増の234億円(前年同四半期連結累計期間は218億円)となった。 ③ 開発事業等(当社における不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業) 堅調な不動産賃貸事業を中心に、売上高、営業利益ともに前年同四半期連結累計期間と概ね同水準を維持し、売上高は前年同四半期連結累計期間比2.0%増の195億円(前年同四半期連結累計期間は191億円)、営業利益は同4.1%減の34億円(同35億円)となった。 ④ 国内関係会社(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸
事業等) 建設事業、開発事業等ともに売上高、売上総利益が増加し、売上高は前年同四半期連結累計期間比18.4%増の1,723億円(前年同四半期連結累計期間は1,455億円)、営業利益は同15.1%増の78億円(同68億円)となった。
⑤ 海外関係会社(当社の海外関係会社が行っている事業であり、北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等) 売上高は、為替変動の影響もあり全ての地域において増加し、前年同四半期連結累計期間比24.2%増の3,698億円(前年同四半期連結累計期間は2,978億円)となった。 営業利益は、北米における開発事業等の売上総利益増加を主因に、前年同四半期連結累計期間比36.4%増の203億円(前年同四半期連結累計期間は149億円)となった。
(2) 財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比1,888億円増加し、2兆5,265億円(前連結会計年度末は2兆3,377億円)となった。これは、受取手形・完成工事未収入金等の増加948億円及び棚卸資産(販売用不動産、未成工事支出金、開発事業支出金及びその他の棚卸資産)の増加923億円があった一方で、現金預金の減少499億円があったこと等によるものである。 負債合計は、前連結会計年度末比1,140億円増加し、1兆4,982億円(前連結会計年度末は1兆3,841億円)となった。これは、未成工事受入金の増加447億円及び有利子負債残高※の増加397億円があったこと等によるものである。なお、有利子負債残高は、3,996億円(前連結会計年度末は3,599億円)となった。 純資産合計は、株主資本8,490億円、その他の包括利益累計額1,708億円、非支配株主持分84億円を合わせて、前連結会計年度末比747億円増加の1兆283億円(前連結会計年度末は9,535億円)となった。また、自己資本比率は、前連結会計年度末比0.1ポイント悪化し、40.4%(前連結会計年度末は40.5%)となった。
(注)※短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債(1年内償還予定の社債を含む)及び長期借入金の合計額
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、268億円の支出超過(前年同四半期連結累計期間は351億円の収入超過)となった。これは、税金等調整前四半期純利益821億円に減価償却費119億円等の調整を加味した収入に加えて、未成工事受入金及び開発事業等受入金の増加407億円の収入があった一方で、売上債権の増加736億円、棚卸資産(販売用不動産、未成工事支出金、開発事業支出金及びその他の棚卸資産)の増加676億円及び法人税等の支払額322億円の支出があったこと等によるものである。投資活動によるキャッシュ・フローは、349億円の支出超過(前年同四半期連結累計期間は341億円の支出超過)となった。これは、貸付けによる支出213億円、投資有価証券の取得による支出191億円及び有形固定資産の取得による支出100億円があった一方で、投資有価証券の売却等による収入59億円及び貸付金の回収による収入32億円があったこと等によるものである。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額152億円及び非支配株主への配当金の支払額34億円があった一方で、短期借入金、長期借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債による資金調達と返済の収支が169億円の収入超過となったこと等により、24億円の支出超過(前年同四半期連結累計期間は525億円の支出超過)となった。これらにより、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から482億円減少し、2,194億円となった。
(4) 目標とする経営指標当第2四半期連結累計期間の業績動向と今後の経営環境を勘案し、2022年5月13日に公表した当連結会計年度業績予想を2022年11月10日に修正した。当社業績は、建設事業における順調な受注及び施工状況により売上高の増加を予想するとともに、売上総利益率は当期首時点の予想と同水準(土木15.5%、建築8.5%)を維持する見通しであることから、利益面でも前回発表予想を上回ると見込んでいる。国内関係会社は、会社によって増減はあるものの、全体としては利益が前回発表予想を上回り、海外関係会社についても、東南アジアにおける業績回復の遅れを堅調な北米における業績が補うことに加え、当期首時点からの為替変動に伴う売上高、利益の増加を見込んでいる。こうした各セグメントの見通しを踏まえ、売上高は前回発表予想比7.0%増の2兆4,300億円を見込み、利益についても、営業利益は同4.6%増の1,130億円、経常利益は同15.6%増の1,410億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同17.6%増の1,000億円となる見込みである。連結業績予想 (単位:百万円)
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する当期純利益
前回発表予想(A)(2022年5月13日)
2,270,000
108,000
122,000
85,000
今回修正予想(B)(2022年11月10日)
2,430,000
113,000
141,000
100,000
増減額(B-A)
160,000
5,000
19,000
15,000
増減率(%)
7.0%
4.6%
15.6%
17.6%
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についての重要な変更はない。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は73億円である。
