【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
世界経済は、新型コロナウイルス感染症抑制が進む一方で、日米金利差に伴う円安やウクライナ情勢の長期化による資源価格高騰のほか欧米・中国の景気後退リスクなど、引き続き先行きへの不透明感が残っています。
このような事業環境の中で、当社及び連結子会社(以下「当社グループ」という。)は前年度より『中期経営計画(NSR23)』(最終年度2024年3月期)をスタートさせ、「日本精線リニューアル(NSR)継続推進と高機能・独自製品でサステナビリティに貢献」を中期スローガンとして掲げ、高機能・独自製品の販売に注力して企業価値向上に努めております。
結果として当第2四半期連結累計期間の売上高は、247億12百万円(前年同期比15.4%増)となりました。損益については、半導体関連業界向け超精密ガスフィルター(NASclean®)や太陽光発電パネルなどの製造プロセスで使用される極細線に代表される高機能・独自製品に対する需要の強さが継続したものの、第2四半期に入りニッケルをはじめとする資源の価格高騰に対し販売価格改善の発現の遅れにより利益を押し下げました。営業利益19億42百万円(同18.5%減)、経常利益20億39百万円(同17.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益14億16百万円(同18.6%減)となりました。
事業部門別の経営成績は次のとおりであります。
①ステンレス鋼線
ステンレス鋼線においては、コロナ禍からの受注急回復により2021年は建材用ビスや自動車用途ばね用材など幅広いアイテムが堅調に推移し、月あたり3,583トンと高水準の販売量となりました。第1四半期の販売量はニッケル価格上昇を見込んだ駆け込み需要が発生し月あたり3,555トンと高水準の推移を維持するも、第2四半期は仮需要の反動減によって月あたり3,269トン(第1四半期比8.0%減)となりました。結果として、当第2四半期連結累計期間は、月平均販売数量は3,412トン(前年同期比5.6%減)となりました。一方、高合金線や、太陽光発電パネルや電子部品の製造プロセスで使用されるスクリーン印刷向け極細線など高機能・独自製品の販売が堅調に推移しました。
なお、LMEニッケル価格については、2020年度第1四半期から右肩上がりの傾向が続いていましたが、7~9月平均の価格についてはポンド当たり10.00ドル(4~6月平均に比してポンド当たり3.17ドル下落)と落ち着いてきたものの、第2四半期の為替水準が円安(第2四半期平均139.4円/$、第1四半期平均比8.8円/$円安)となったことから、円貨ベースでは価格高止まりが継続しています。
結果として、当第2四半期連結累計期間におけるステンレス鋼線全体の販売数量は減少したもののニッケル価格上昇に伴う単価値上げにより、売上高203億69百万円(前年同期比13.7%増)となりました。
海外現地法人であるTHAI SEISEN CO.,LTD.及び大同不銹鋼(大連)有限公司についても、ステンレス鋼線の販売は前年同期比増収となりました。
②金属繊維
金属繊維においては、半導体関連業界向け超精密ガスフィルター(NASclean®)に対する需要の強さは継続しています。その背景には、パソコンや家電に関する巣籠り需要は一巡するも、第5世代移動通信システム(5G)の立ち上がりやデジタルトランスフォーメーション(DX)の普及によりデータセンター向けの半導体の需要が高水準で推移していることに加え、車載用半導体不足の状況が解消されていない点が挙げられます。また、経済安全保障上の重要性がクローズアップされ、半導体に対する大規模な投資が世界各地で進められています。さらに、社会のデジタル化に伴いデータ処理の高速化と機器の低発熱化・省電力化が必要となり、カーボンニュートラルに向けた高性能な半導体に対する需要が高まり、超精密ガスフィルター(NASclean®)の販売が伸びました。
ナスロン®フィルターについては、化合繊維用途や高機能フィルム用途のフィルターの販売を順調に伸ばした耐素龍精密濾機(常熟)有限公司が牽引するかたちで、前年同期比増収となりました。
結果として、当第2四半期連結累計期間における売上高が43億43百万円(前年同期比24.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高の相殺消去前の金額を記載しています。
①日本
主力のステンレス鋼線は第1四半期の販売量においてニッケル価格上昇を見込んだ駆け込み需要が発生し高水準を維持しましたが、第2四半期は仮需要の反動減が生じました。結果として、当第2四半期連結累計期間の販売量は、前年同期に比べ若干の減少となりました。損益については、第2四半期に入りニッケルをはじめとする資源価格の高騰に対し販売価格改善の発現の遅れにより利益を押し下げました。金属繊維は半導体製造装置に組み込まれる超精密ガスフィルター(NASclean®)に対する需要の強さが継続しました。この結果、売上高は219億88百万円(前年同期比14.4%増)、セグメント利益は16億87百万円(同23.3%減)となりました。
②タイ
ステンレス鋼線の販売数量は堅調に推移、また、ニッケル価格の上昇もあり、売上高は31億14百万円(前年同期比19.3%増)、セグメント利益は1億72百万円(同23.9%増)となりました。
なお、THAI SEISEN CO.,LTD.の決算期を前年の2021年度より変更したため、前第2四半期連結累計期間は7ヵ月(3月~9月)となっております。
③中国・韓国
ナスロン®フィルターが堅調な需要に支えられ、売上高は9億39百万円(前年同期比63.8%増)、セグメント利益は1億18百万円(同88.7%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は531億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億67百万円増加しました。流動資産は棚卸資産や受取手形及び売掛金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ17億24百万円増加しました。固定資産は有形固定資産の増加などにより、2億42百万円増加しました。
負債は165億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億9百万円増加しました。流動負債は支払手形及び買掛金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ6億65百万円増加しました。固定負債はその他(長期未払金)が増えたことなどにより1億44百万円増加しました。
純資産は366億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億57百万円増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億83百万円減少し、145億45百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ10億23百万円減少し12億64百万円の収入となりました。これは、主に棚卸資産の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ4億51百万円支出が増加し10億49百万円の支出となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1億52百万円支出が増加し7億72百万円の支出となりました。主な要因は、配当金の支払額の増加によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2億91百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
