【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績当第2四半期連結累計期間の当社グループの売上高は、マイクロデバイス事業は減収となりましたが、ブレーキ事業や精密機器事業が増収となったこと等により269,367百万円(前年同期比12,502百万円増、4.9%増)となりました。営業利益は、ブレーキ事業や精密機器事業の増益があった一方で、無線・通信事業、マイクロデバイス事業および化学品事業の減益等により12,000百万円(前年同期比962百万円減、7.4%減)となりました。経常利益は15,771百万円(前年同期比1,910百万円減、10.8%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は11,627百万円(前年同期比1,568百万円減、11.9%減)となりました。事業セグメントの業績は次のとおりです。セグメント利益またはセグメント損失は営業利益または営業損失ベースの数値です。
(無線・通信事業)ソリューション・特機事業は、防衛省向けレーダ装置は増加したものの、前年同期に大型案件があった県・市町村防災システムや航空・気象システムが減少したことに加え、ダムの管理装置や河川の水位・雨量を監視する水・河川情報システムの工期延期、更新需要の一巡等により減収・減益となりました。マリンシステム事業は、受注が好調な商船新造船用機器や欧州河川市場向けワークボート用機器が好調に推移したことにより増収・増益となりました。モビリティ事業は、自動車用ITS(高度道路交通システム)は減少したものの、米国政府の補正予算執行に伴う需要増により海外業務用無線が大幅に増加したことで増収・増益となりました。その結果、無線・通信事業全体では、売上高78,414百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益3,753百万円(前年同期比25.2%減)となりました。
(マイクロデバイス事業)主力の電子デバイス事業は、EV用電源関連やセンサ関連が好調な車載製品は価格転嫁も寄与し増加しましたが、産機製品はモータ制御関連をはじめ全般的に低調だったことに加え、市況の回復遅れにより中国・アジア向けスマートフォン関連やPC関連が大きく減速した民生製品(コンシューマ製品)が減少したことにより減収・減益となりました。マイクロ波事業は、センサ関連製品は堅調に推移したものの、船舶用OEM等のレーダコンポーネント関連製品が低調だったことにより減収・減益となりました。その結果、マイクロデバイス事業全体では、売上高39,275百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益2,261百万円(前年同期比50.7%減)となりました。
(ブレーキ事業)自動車市況は、半導体等の部品供給障害の影響が落ち着いて回復の兆しを見せており、在庫状況も平準化しつつあります。タイ拠点は、ローン審査の厳格化等により新車販売が不振となった影響で減収となりましたが、日本・米国・韓国・中国の拠点は、カーメーカーの生産回復により増収となりました。いずれの拠点も価格転嫁を積極的に進めていますが、原材料等の高騰に伴うコスト増に追いつかず減益または損失拡大となりました。欧州のTMD社は、アフターマーケット製品の受注が好調に推移したことに加え、円安も寄与し増収・黒字化となりました。その結果、ブレーキ事業全体では、売上高86,527百万円(前年同期比14.6%増)、セグメント利益1,605百万円(前年同期比3,771百万円改善)となりました。
(精密機器事業)精密部品事業は、インドに設立したCONTINENTAL社との合弁会社(NISSHINBO COMPREHENSIVE PRECISION MACHINING (GURGAON) PRIVATE LTD.)で立ち上げ準備費用等が発生したものの、中国拠点における自動車用EBS部品が好調だったことにより増収・増益となりました。成形品事業は、空調関連製品は減収・減益となりましたが、車載関連製品等は受注回復に加え、のれんの償却が前連結会計年度末で完了した影響により増収・増益となりました。その結果、精密機器事業全体では、売上高26,586百万円(前年同期比8.7%増)、セグメント利益423百万円(前年同期比500百万円改善)となりました。
(化学品事業)断熱製品は、冷蔵冷凍設備・住宅用・土木用原液の受注増により増収となりましたが、エネルギー価格上昇に伴う化学原料価格の上昇により減益となりました。燃料電池用カーボンセパレータは、海外定置用の受注減等により減収・減益となり、機能化学品も水性架橋剤の受注減により減収・減益となりました。その結果、化学品事業全体では、売上高5,774百万円(前年同期比4.8%減)、セグメント利益452百万円(前年同期比61.1%減)となりました。
(繊維事業)シャツ事業は、アポロコットシャツ等の超形態安定商品が好調に推移し増収・黒字化となりました。東京シャツ㈱は、人流回復に伴い実店舗の販売が増加したことで増収・損失縮小となりました。ユニフォーム事業は、輸入原材料価格の上昇により増収ながらも減益となりました。開発素材事業は、受注減により減収・損失拡大となりました。その結果、繊維事業全体では、売上高18,574百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント損失313百万円(前年同期比5百万円悪化)となりました。
(不動産事業)静岡県浜松市の宅地販売は減少したものの、滋賀県東近江市のマンション販売やリノベーションマンション販売を実施したことで前年同期並みの売上となりましたが、販売物件の構成の変化により減益となりました。その結果、不動産事業全体では、売上高8,744百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益7,089百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
(その他)ニッシントーア・岩尾㈱(食品、産業資材等の商社機能)等の事業を、その他として区分しています。その他の業績は、売上高5,470百万円(前年同期比1.6%増)、セグメント利益258百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
(2) 財政状態
当第2四半期連結会計期間末における総資産は643,297百万円となり、前連結会計年度末と比較し27,023百万円増加しました。現金及び預金の増加4,444百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少2,525百万円、棚卸資産の増加10,762百万円、有形固定資産の増加6,230百万円、投資有価証券の増加8,179百万円等が主な要因です。負債総額は345,434百万円となり、前連結会計年度末と比較し7,658百万円増加しました。電子記録債務の減少2,270百万円、短期借入金の増加3,873百万円、流動負債のその他(1年内返済予定の長期借入金を除く)の増加2,599百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の増加1,767百万円、固定負債のその他の増加1,355百万円等が主な要因です。純資産は297,862百万円となり、前連結会計年度末と比較し19,364百万円増加しました。利益剰余金の増加8,958百万円、その他有価証券評価差額金の増加4,124百万円、為替換算調整勘定の増加4,815百万円、非支配株主持分の増加1,055百万円等が主な要因です。以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末と比較し1.0ポイント上昇して43.8%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は49,088百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,996百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は20,306百万円(前第2四半期連結累計期間の23,402百万円から3,096百万円資金流入の減少)となりました。これは主として、税金等調整前四半期純利益15,591百万円、減価償却費12,858百万円、持分法による投資損益△3,552百万円、売上債権及び契約資産の増減額6,366百万円、棚卸資産の増減額△7,898百万円、仕入債務の増減額△3,907百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は12,644百万円(前第2四半期連結累計期間の9,691百万円から2,952百万円資金流出の増加)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出△11,285百万円、その他△1,289百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は6,265百万円(前第2四半期連結累計期間の17,207百万円から10,941百万円資金流出の減少)となりました。これは主として、長期借入れによる収入41,815百万円、長期借入金の返済による支出△44,534百万円、配当金の支払額△2,669百万円によるものです。
(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に重要な変更はありません。また、新たに生じた課題はありません。
(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、13,220百万円です。また、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当第2四半期連結累計期間において、当社グループの財務戦略及び資金調達の方針と流動性の分析に重要な変更はありません。
(8) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第2四半期連結累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。