【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績当第1四半期連結累計期間の当社グループの売上高は、無線・通信事業やマイクロデバイス事業は減収となりましたが、ブレーキ事業や精密機器事業が増収となったこと等により144,004百万円(前年同期比5,094百万円増、3.7%増)となりました。営業利益は、ブレーキ事業や精密機器事業の増益があった一方で、無線・通信事業、マイクロデバイス事業および化学品事業の減益等により12,759百万円(前年同期比254百万円減、2.0%減)となりました。経常利益は14,711百万円(前年同期比344百万円減、2.3%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は11,705百万円(前年同期比56百万円増、0.5%増)となりました。事業セグメントの業績は下記のとおりです。セグメント利益またはセグメント損失は営業利益または営業損失ベースの数値です。
(無線・通信事業)ソリューション・特機事業は、各地の地震の震度情報をリアルタイムに収集・配信する震度情報ネットワークシステム等の防災情報システムは増加したものの、前年同期に気象レーダ等の大型案件があった航空・気象システムが減少したことに加え、ダム管理装置等の水・河川情報システムの工期が延期されたことにより減収・減益となりました。マリンシステム事業は、受注が好調な新造船用機器に加え、欧州河川市場向けワークボート用機器が堅調に推移したことにより増収・増益となりました。ICT・メカトロニクス事業は、車載部品は堅調に推移したものの、通信機器や無線システム機器等のICT製品や事務機器等のメカトロニクス製品の需要減により減収・減益となりました。モビリティ事業は、自動車用ITS(高度道路交通システム)は減少したものの、米国政府の補正予算執行により海外向け業務用無線の需要が増加したことで増収・損失縮小となりました。その結果、無線・通信事業全体では、売上高47,180百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益4,686百万円(前年同期比15.2%減)となりました。
(マイクロデバイス事業)主力の電子デバイス事業は、車載製品はEV用電源やセンサ関連が好調で増加し、産業機器製品もFA機器用等が好調でしたが、民生製品(コンシューマ製品)の市況が低迷し、とりわけ中国・アジア向けスマートフォン用やPC用の製品が大きく減少したことで減収・減益となりました。マイクロ波事業は、船舶用レーダコンポ関連製品は低調だったものの、韓国・中東向け衛星通信関連製品が堅調に推移したことにより増収・増益となりました。その結果、マイクロデバイス事業全体では、売上高18,875百万円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益2,082百万円(前年同期比9.1%減)となりました。
(ブレーキ事業)グローバルな自動車市況は、半導体等の部品供給障害の影響が正常化しつつあり回復の兆しを見せています。一方、中国市況は乗用車取得税減税やNEV(新エネルギー車)の補助金等の恩典が段階的に縮小または終了した影響で低迷しています。このような状況下、北米拠点は顧客の生産回復により増収となりましたが、日本・タイ・中国拠点は受注減により減収となり、いずれの拠点も価格転嫁を進めていますが原材料やエネルギー価格等の負担増に追いつかず減益となりました。韓国拠点は前年同期並みの売上でしたが、原材料等コスト増により損失拡大となりました。欧州のTMD社はアフターマーケット製品の受注が好調に推移し増収・増益となりました。その結果、ブレーキ事業全体では、売上高42,418百万円(前年同期比13.1%増)、セグメント利益742百万円(前年同期比1,248百万円改善)と黒字化しました。
(精密機器事業)精密部品事業は、インドに設立したCONTINENTAL社との合弁会社(NISSHINBO COMPREHENSIVE PRECISION MACHINING (GURGAON) PRIVATE LTD.)において立ち上げ準備費用等はあったものの、中国拠点における自動車用EBS部品が好調だったことにより増収・増益となりました。成形品事業は、空調関連製品は受注増により増収となりましたが、原料費や電力費等の負担増により減益となり、車載関連製品は受注回復により増収・増益となりました。その結果、精密機器事業全体では、売上高13,651百万円(前年同期比11.0%増)、セグメント利益310百万円(前年同期比289百万円増)となりました。
(化学品事業)断熱製品は、冷蔵冷凍設備・住宅用原液の受注が堅調だったことで前年同期並みの売上となりましたが、原料費増等により減益となりました。ガラス状カーボン製品は、半導体製造装置用の受注増により増収となりましたが、製品構成の変化により前年同期並みの利益となりました。燃料電池用カーボンセパレータは、海外定置用の受注減により減収・減益となり、機能化学品も欧州の景気が悪化したことで生分解性樹脂改質剤や水性架橋剤の受注減により減収・減益となりました。その結果、化学品事業全体では、売上高2,755百万円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益107百万円(前年同期比83.5%減)となりました。
(繊維事業)シャツ事業は、主力のアポロコットの販売好調が続く中、イベントの増加や学校行事等の再開による市況好転もあり増収・増益となりました。東京シャツ㈱は、人流の回復に伴い店舗売上が増加したことで増収・損失縮小となりました。ユニフォーム事業は、増収ながらも原料費増等により減益となりました。その結果、繊維事業全体では、売上高9,061百万円(前年同期比8.0%増)、セグメント損失203百万円(前年同期比158百万円改善)となりました。
(不動産事業)分譲事業は、静岡県浜松市、愛知県岡崎市の宅地販売や滋賀県東近江市のマンション販売を実施しましたが、前年同期に比べ浜松市での分譲面積が縮小したことにより減収・減益となりました。その結果、不動産事業全体では、売上高7,379百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント利益6,354百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
(その他)ニッシントーア・岩尾㈱(食品、産業資材等の商社機能)等の事業を、その他として区分しています。その他の業績は、売上高2,682百万円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益134百万円(前年同期比12.0%減)となりました。
(2) 財政状態
当第1四半期連結会計期間における総資産は641,730百万円となり、前連結会計年度末と比較し25,456百万円増加しました。現金及び預金の増加3,710百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加15,228百万円、棚卸資産の増加3,864百万円、投資有価証券の増加2,953百万円等が主な要因です。負債総額は352,424百万円となり、前連結会計年度末と比較し14,648百万円増加しました。支払手形及び買掛金の増加4,752百万円、短期借入金の増加6,750百万円、賞与引当金の増加4,295百万円等が主な要因です。純資産は289,305百万円となり、前連結会計年度末と比較し10,807百万円増加しました。利益剰余金の増加9,035百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,024百万円等が主な要因です。以上の結果、当第1四半期連結会計期間における自己資本比率は前連結会計年度末と比較して変動がなく42.8%となりました。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に重要な変更はありません。また、新たに生じた課題はありません。
(4) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6,387百万円です。また、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当第1四半期連結累計期間において、当社グループの財務戦略及び資金調達の方針と流動性の分析に重要な変更はありません。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第1四半期連結累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。