【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、子会社および関連会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中、総じて持ち直しの動きがみられました。景気の先行きにつきましては、感染対策により経済社会活動の正常化が進む中、景気の持ち直しが続くことが期待されるものの、世界的な物価高騰や金融引締めによる海外景気の下振れ等がわが国経済に与える影響が懸念されるなど、不透明な状況にあります。特殊鋼業界におきましては、半導体不足や中国の都市封鎖に伴うサプライチェーンの混乱を受けた自動車減産の継続に加え、堅調に推移していた建設・産業機械向けの需要が調整局面に入るなどにより、特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量は、前年同期を下回りました。
このような中、当社グループの売上高は、スウェーデンの連結子会社Ovakoの決算期変更影響(注)や自動車減産の影響はありましたが、鉄スクラップサーチャージの適用等に伴う販売価格の上昇などにより、前年同期比250億54百万円増の2,943億92百万円となりました。利益面では、鉄スクラップをはじめとする原燃料価格の上昇やOvakoの決算期変更影響はありましたが、鉄スクラップサーチャージの適用等に伴う販売価格の上昇や構成の高度化によるマージンの改善、一過性影響を含むOvakoの収益改善などにより、経常利益は、前年同期比61億50百万円増の206億91百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比46億4百万円増の147億60百万円となりました。(注) 2021年度よりOvakoの決算期を従来の12月から当社単独と同じ3月へ変更し、同社は2021年1月~2022年3月の15ヵ月決算を行いました。これにより、前第3四半期連結累計期間の連結決算値には、2021年1月~12月期の同社損益およびのれん償却費を織り込んでおり、そのうち、2021年1~3月期の同社損益(売上高303億83百万円、経常利益25億29百万円)およびのれん償却費△6億72百万円を決算期変更影響としております。
セグメント別の売上高および営業損益の状況は、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高につきましては、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
(鋼材事業)
当第3四半期連結累計期間の売上高は、Ovakoの決算期変更影響や自動車減産の影響はありましたが、鉄スクラップサーチャージの適用等に伴う販売価格の上昇により、前年同期比224億73百万円増の2,820億53百万円となりました。営業利益は、原燃料価格の上昇やOvakoの決算期変更影響はありましたが、鉄スクラップサーチャージの適用等に伴う販売価格の上昇や構成の高度化によるマージンの改善、一過性影響を含むOvakoの収益改善などにより、前年同期比57億89百万円増の191億67百万円となりました。
(粉末事業)
当第3四半期連結累計期間の売上高は、自動車減産や一部の電子材分野向けの需要減の影響はありましたが、産業機械向けの売上数量増加などにより、前年同期比6億3百万円増の39億35百万円となりました。営業利益は、売上数量の増加や合金サーチャージの適用等に伴う販売価格の上昇などにより、前年同期比1億89百万円増の8億11百万円となりました。
(素形材事業)
当第3四半期連結累計期間の売上高は、自動車減産の影響はありましたが、鉄スクラップサーチャージの適用等に伴う販売価格の上昇などにより、前年同期比15億16百万円増の149億20百万円となりました。営業利益は、鉄スクラップサーチャージの適用等に伴う販売価格の上昇によるマージンの改善はありましたが、売上数量の減少や鉄スクラップ等の原燃料価格の上昇などにより、前年同期比9百万円減の3億42百万円となりました。
(その他)
子会社を通じて情報処理サービスを行っており、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比2億26百万円増の9億68百万円、営業利益は前年同期比21百万円増の24百万円となりました。
(2) 財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産残高は、原燃料価格の上昇等に伴う棚卸資産の増加などにより、前連結会計年度末比158億56百万円増の3,937億67百万円となりました。
負債残高は、コマーシャル・ペーパーの増加や仕入債務の減少などにより、前連結会計年度末比52億50百万円増の1,843億16百万円となりました。 純資産残高は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末比106億5百万円増の2,094億51百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結会計期間末におけるD/Eレシオ(純資産残高に対する有利子負債残高(現預金および関係会社預け金残高控除後)の割合)は0.36(前連結会計年度末は0.30)となりました。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は15億47百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について
当第3四半期連結累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について、重要な変更はありません。