【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、景気の底堅さは見られるものの、継続する金融引締め政策の影響から、欧米を中心に下期以降の景気減速が懸念される状況となっております。
当社グループがビジネスを展開する地域を概観すると、グレーターチャイナでは、ゼロコロナ政策の撤廃以降の経済活動や個人消費の回復が見られますが、長引く不動産不況や企業の設備投資の鈍化による景気の減速懸念が見られます。米州では、失業率は低位推移、物価上昇率も鈍化し景気に底堅さが見られますが、継続する金融引締め政策の影響による景気減速が懸念されます。アセアンでは、内需・インバウンドを中心に景気は堅調に推移しております。日本では、サービス関連を中心とした個人消費やインバウンド需要が堅調に推移しており、また原材料価格・販売価格の高騰が一服し、輸出を中心に引き続き景気の回復が期待されます。
このような状況の下、当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
455,549
450,199
△5,350
△1.2
売上総利益
79,383
78,896
△486
△0.6
営業利益
19,891
14,483
△5,407
△27.2
経常利益
20,284
14,245
△6,038
△29.8
税金等調整前四半期純利益
21,027
14,881
△6,146
△29.2
親会社株主に帰属する
四半期純利益
15,594
10,247
△5,347
△34.3
・ 当第2四半期連結累計期間の業績は、為替が円安に推移したものの、主に加工材料セグメントにおける樹脂販売ビジネスの収益性低下により、売上総利益は減益となりました。
・ 営業利益は、売上総利益の減少に加え、販売費及び一般管理費が増加したことにより減益となりました。詳細は以下のセグメント別の業績をご覧ください。
・ 親会社株主に帰属する四半期純利益については、支払利息の増加があったものの、税金費用の減少があったこと等により、53億円減少の102億円となりました。
セグメント別の業績および主な要因は、次のとおりであります。
機能素材
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
57,650
52,855
△4,795
△8.3
売上総利益
11,463
10,640
△823
△7.2
営業利益
4,545
3,783
△761
△16.8
・塗料原料の販売が減少
・加工油剤・樹脂関連の原料販売が減少
・半導体関連等の電子業界向けの原料販売が減少
・営業利益は売上総利益の減少を受け、減益
加工材料
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
135,727
121,534
△14,193
△10.5
売上総利益
16,371
14,251
△2,119
△12.9
営業利益
5,041
3,144
△1,897
△37.6
・OA・ゲーム機器業界等向けの樹脂販売は需要の減少および顧客の在庫調整の影響等により、減少
・顔料・添加剤の販売は低調に推移
・情報印刷関連材料は製造業の収益性が低下し、販売も減少
・営業利益は売上総利益の減少を受け、減益
電子・エネルギー
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
68,361
71,211
2,850
4.2
売上総利益
15,763
16,344
581
3.7
営業利益
5,151
5,439
287
5.6
・半導体市況の悪化はあるものの、商材の拡充により半導体業界向け材料販売が増加
・変性エポキシ樹脂関連は主にサーバー用の半導体向け、モバイル機器向けの需要増加により、販売が増加
・電子デバイス向けフォトリソ材料の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
モビリティ
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
61,140
64,907
3,766
6.2
売上総利益
7,213
7,391
178
2.5
営業利益
2,494
2,344
△149
△6.0
・自動車生産台数の増加および既存顧客向けへのシェア拡大等により樹脂の販売が増加
・内外装・電動化用途の機能素材・機能部品の販売が増加
・営業利益は売上総利益が増加したものの一般管理費が増加したことにより、減益
生活関連
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
132,632
139,691
7,058
5.3
売上総利益
28,508
30,198
1,689
5.9
営業利益
6,682
5,185
△1,496
△22.4
・Prinovaグループはユタ新工場の稼働に加え、為替が円安に推移したことにより全体として販売が増加
・林原は主に香粧品素材の販売が増加
・中間体・医薬品原料の販売が増加
・営業利益は売上総利益が増加したものの、主にPrinovaグループの人件費等の一般管理費の増加、ユタ新工場の利益貢献の遅れ等の影響により、減益
その他
特記すべき事項はありません。
(2)財政状態の状況
前連結会計年度
当第2四半期
連結会計期間
増減
増減率
(%)
流動資産(百万円)
530,132
538,888
8,755
1.7
固定資産(百万円)
232,556
245,840
13,284
5.7
総資産(百万円)
762,688
784,728
22,039
2.9
負債(百万円)
384,300
392,469
8,168
2.1
純資産(百万円)
378,388
392,259
13,871
3.7
自己資本比率(%)
48.2
49.1
+0.9ポイント
-
・流動資産は、棚卸資産の減少があったものの、売掛金の増加等により増加
・固定資産は、投資有価証券の時価上昇、有形固定資産および無形固定資産の増加等により増加
・負債は、コマーシャル・ペーパーおよび短期借入金の返済があったものの、買掛金の増加等により増加
・純資産は、自己株式の取得および配当金の支払いによる減少等があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上および為替換算調整勘定の増加等により増加
・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の48.2%から49.1%へ0.9ポイント上昇
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
営業活動によるキャッシュ・フロー
△17,982
38,232
投資活動によるキャッシュ・フロー
△5,987
△6,411
財務活動によるキャッシュ・フロー
11,550
△36,689
・営業活動による資金の増加額は、法人税等の支払額41億円および利息の支払額20億円があったものの、運転資本の減少による資金の増加233億円、税金等調整前四半期純利益148億円の計上および減価償却費による資金留保66億円があったこと等によるもの
・投資活動による資金の減少額は、投資有価証券の売却による収入16億円があったものの、有形固定資産の取得による支出49億円および無形固定資産の取得による支出24億円があったこと等によるもの
・財務活動による資金の減少額は、短期借入金の純減少162億円、自己株式の取得による支出66億円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出60億円および配当金の支払額46億円があったこと等によるもの
(4) 経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、27億円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第2四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
セグメントの名称
金額(百万円)
機能素材
157
加工材料
533
電子・エネルギー
1,119
モビリティ
88
生活関連
705
全社(共通)(注)
100
合計
2,704
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。