【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、経済社会活動の正常化が進み景気の回復が継続した一方、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰や、欧米を中心とする金融引締め政策の影響などにより、今後の景気減速が懸念される状況となりました。
当社グループがビジネスを展開する地域を概観すると、グレーターチャイナでは、ゼロコロナ政策撤廃後の経済活動並びに景気は回復基調でしたが、足元では世界経済の減速により輸出が低調なことなどから回復のペースは鈍化傾向となっております。米州では、雇用の増加や個人消費の底堅さは見られますが、金融の引締めが需要を抑制し景気減速の要因となっております。アセアンでは、世界経済の減速で外需が伸び悩んでいることや、物価高と金利上昇による家計や企業の内需への圧迫により、各国の成長ペースは鈍化しております。日本では、新型コロナウイルス感染症の感染対策が自主判断となったことで社会活動が徐々に回復し、サービス関連を中心とした個人消費が増加していることに加え、水際対策の撤廃でインバウンド需要も回復が見られ、企業の景況感は緩やかな回復基調にあります。
このような状況の下、当第1四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
219,571
224,062
4,491
2.0
売上総利益
39,904
38,707
△1,197
△3.0
営業利益
10,871
6,955
△3,915
△36.0
経常利益
11,542
7,338
△4,203
△36.4
税金等調整前四半期純利益
11,438
6,412
△5,025
△43.9
親会社株主に帰属する
四半期純利益
7,969
4,367
△3,601
△45.2
・当第1四半期連結累計期間の業績は、為替が円安に推移したこともあり売上高は増加したものの、一部の製造子会社の収益性の低下等により売上総利益率が低下し、売上総利益は減益となりました。
・営業利益は、売上総利益の減少に加え、販売費及び一般管理費が増加したことにより減益となりました。詳細は以下のセグメント別の業績をご覧ください。
・親会社株主に帰属する四半期純利益については、営業利益の減少に加え、支払利息や投資有価証券評価損の増加等により、36億円減少の43億円となりました。
セグメント別の業績および主な要因は、次のとおりであります。
機能素材
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
28,654
26,026
△2,628
△9.2
売上総利益
5,816
5,137
△678
△11.7
営業利益
2,388
1,620
△767
△32.1
・塗料原料の販売が減少
・加工油剤・樹脂関連の原料販売が減少
・半導体関連等の電子業界向けの原料販売が減少
・営業利益は売上総利益の減少を受け、減益
加工材料
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
65,131
58,974
△6,157
△9.5
売上総利益
8,161
6,746
△1,414
△17.3
営業利益
2,599
1,247
△1,351
△52.0
・OA・ゲーム機器業界等向けの樹脂販売は需要の減少および顧客の在庫調整の影響等により、減少
・顔料・添加剤の販売は低調に推移
・情報印刷関連材料の販売は製造業の収益性が低下し、販売も減少
・営業利益は売上総利益の減少を受け、減益
電子・エネルギー
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
33,933
35,538
1,605
4.7
売上総利益
7,893
7,720
△172
△2.2
営業利益
2,617
2,320
△296
△11.3
・半導体市況の悪化はあるものの、商材の拡充により半導体業界向け材料販売が増加
・変性エポキシ樹脂関連の販売はサーバー用途向けの需要は増加したが、モバイル機器用途の半導体・電子部品関連は減少し、全体として減少
・ディスプレイ用途のフォトリソ材料の販売は回復基調にはあるが、低調
・営業利益は売上総利益の減少を受け、減益
モビリティ
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
27,018
31,136
4,118
15.2
売上総利益
3,215
3,414
198
6.2
営業利益
932
947
14
1.5
・自動車生産台数の増加を受けて樹脂の販売は増加
・内外装・電動化用途の機能素材・機能部品の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
生活関連
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
増減率
(%)
売上高
64,814
72,386
7,571
11.7
売上総利益
14,796
15,636
840
5.7
営業利益
4,144
3,254
△890
△21.5
・Prinovaグループは食品素材の市況の下落により収益性が低下し、販売も減少
・林原は需要の増加を受けてAA2G®等の香粧品素材の販売が増加
・中間体・医薬品原料の販売が増加
・営業利益は売上総利益が増加したものの、Prinovaグループの食品素材販売の収益性の低下や人件費等の一般管理費の増加、ユタ新工場の利益貢献の遅れ等の影響により、減益
その他
特記すべき事項はありません。
(2) 財政状態の状況
前連結会計年度
当第1四半期
連結会計期間
増減
増減率
(%)
流動資産(百万円)
530,132
533,659
3,526
0.7
固定資産(百万円)
232,556
241,148
8,592
3.7
総資産(百万円)
762,688
774,807
12,119
1.6
負債(百万円)
384,300
389,539
5,238
1.4
純資産(百万円)
378,388
385,268
6,880
1.8
自己資本比率(%)
48.2
48.3
+0.1ポイント
-
・流動資産は、棚卸資産等の減少があったものの、売掛金の増加等により微増
・固定資産は、有形固定資産の増加および投資有価証券の時価上昇等により増加
・負債は、短期借入金等の減少があったものの、コマーシャル・ペーパーおよび買掛金の増加等により増加
・純資産は、自己株式の取得等による減少があったものの、その他有価証券評価差額金および為替換算調整勘定の増加等により増加
・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の48.2%から48.3%へ0.1ポイント上昇
(3) 経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、13億円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
セグメントの名称
金額(百万円)
機能素材
77
加工材料
262
電子・エネルギー
561
モビリティ
44
生活関連
350
全社(共通)(注)
75
合計
1,372
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。