【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、第1四半期会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。そのため、当第3四半期累計期間における経営成績に関する説明は、前第3四半期累計期間に当該基準を適用したと仮定して説明しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大が見られたものの、ワクチン接種や医療体制の強化等を受けて行動制限が緩和され、徐々にではありますが経済活動は回復基調となりました。しかしながら、ウクライナ情勢不安の長期化等の影響によるエネルギー価格や原材料価格の高騰に加えて、急激な円安進行により物価が上昇したことから、景気の先行きは依然不透明な状況となりました。
食品業界ならびに当社の主力分野であるチーズ業界におきましては、食品など生活必需品の相次ぐ値上げによるインフレ懸念から依然として消費者の節約志向が継続しました。また、主要産地における生乳生産量の減少およびエネルギー価格や飼料・肥料価格の高騰等に加えて、急激な円安進行による国際乳製品価格の上昇が顕著となりました。
このような厳しい市場環境のもと、当社といたしましては、新型コロナウイルスの感染予防の観点から出張および会議の制限、在宅勤務および時差勤務など対策を継続して実施いたしました。また、9月に今年2回目となるチーズ製品の販売価格改定を実施するとともに需要喚起の対策を進めました。さらに、原材料の安定調達に尽力するとともに、経費の削減、販売の促進および生産能力の増強と生産効率の向上を目指し、全生産ラインの安定稼働に引き続き努めました。なお、稲美工場で一部の製品を生産しておりましたが、7月に閉鎖いたしました。今後、ウクライナ情勢不安の長期化等の影響によるエネルギー価格や原材料価格の更なる上昇が見込まれます。これらは、当社の主力分野である乳製品相場の一段の上昇要因となることから今後の国際的な乳製品需給動向に注視してまいります。
今秋の新製品としては、チーズ部門において「トイ・ストーリーまるいチーズ」、「チーズデザート6P神戸産シャルドネ」、「厳選おつまみベビーチーズアンチョビアヒージョ味」、「包みトリュフオイル入り」、「厚くて大きいとろけるスライスピザ味」を発売いたしました。
その結果、当第3四半期累計期間の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当第3四半期会計期間末の資産は、原材料が520百万円、繰延税金資産が476百万円、商品及び製品が414百万円増加した一方で、売掛金が1,860百万円、現金及び預金が1,757百万円、有形固定資産が1,443百万円減少したこと等により、前事業年度末と比較し3,268百万円減少し、50,941百万円となりました。
(負債)
当第3四半期会計期間末の負債は、短期借入金が2,000百万円、未払消費税等が386百万円、未払法人税等が357百万円、未払費用が323百万円減少したこと等により、前事業年度末と比較し3,087百万円減少し、21,424百万円となりました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末と比較し180百万円減少し、29,516百万円となりました。なお自己資本比率は前事業年度末の54.8%から57.9%となりました。
b.経営成績
当第3四半期累計期間の経営成績につきましては、売上高につきましては29,913百万円(前年同四半期比103.5%)となりました。利益面につきましては、原材料価格の上昇による原価高によって、営業利益は175百万円(前年同四半期比14.2%)、経常利益は251百万円(前年同四半期比22.1%)となりました。四半期純利益は、前年同四半期累計期間に固定資産売却益及び補助金収入が計上されていたことから、186百万円(前年同四半期比8.0%)となりました。売上高の内訳はチーズ部門が28,041百万円(前年同四半期比103.2%)、チョコレート部門が1,319百万円(前年同四半期比107.4%)、ナッツ部門が467百万円(前年同四半期比107.6%)、その他部門が84百万円(前年同四半期比134.7%)となっております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は217百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金需要
設備投資、運転資金及び利息の支払い並びに配当金の支払いに資金を充当しております。
2)資金の源泉
事業活動に必要な運転資金及び設備資金につきましては、自己資金による充当のほか、銀行借入による調達も行っております。