【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況① 経営成績に関する説明当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、経済活動の正常化に向けた動きがみられたものの、第7波・第8波となる感染者数の増加、ロシア・ウクライナ情勢に起因する世界的な資源価格の上昇や急激な円安の進行など、先行きは未だ不透明な状況であります。当社グループが属する医療衛生材料業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、感染管理製品をはじめとした医療消耗品の市場は拡大いたしました。感染管理製品につきましては、感染者数によって製品の需要に増減はあるものの、感染拡大が始まった2020年度と比較するとその需要は減少しております。また、当業界は政府による医療費適正化に向けた取組みの流れの中にあり、衛生材料を含む医療消耗品は引き続き価格競争に晒されております。加えて、原材料価格やエネルギーコストの高騰、円安に起因する輸入品価格の上昇や国際的なサプライチェーンの混乱など、厳しい事業環境が継続すると予想されます。育児用品の業界におきましては、2021年の国内出生数は81万人となり、6年連続で減少するなどマーケットの縮小に直面しており、こちらも厳しい事業環境が予想されます。このような状況の下、当社はメディカル事業、コンシューマ事業ともに自社製品の売上高の拡大及び利益率の改善を最重要課題として認識しております。当第3四半期連結累計期間においては、継続して感染管理製品や口腔ケア製品を重点販売製品として拡販することに加え、工場稼働率を上げるための設備投資や製造受託の拡大、医療機関や商業施設、一般家庭の感染防止に貢献する製品開発に取り組みました。利益面では、綿糸価格や電力代等の高騰による製造原価の上昇、円安による輸入品価格の上昇によって、売上総利益率が低下しております。経費面では、国内卸売事業の売上が拡大したことで、物流費が増加しております。結果、第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は23,116,780千円(前年同四半期比2.5%増)、営業利益は515,443千円(同2.2%減)、経常利益は584,734千円(同5.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は620,259千円(同29.6%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(メディカル事業) メディカル事業では感染管理製品の販売を中心に、口腔ケア製品や手術関連製品の販売及び製造受託の拡大に努めました。売上面では、感染管理製品は新型コロナウイルス感染症の第7波・第8波により、販売数は堅調に推移いたしましたが、販売単価が下落している製品もあり、前年同四半期比で減少しております。手術関連製品につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染者数増加を受けて一部の医療機関や施設において手術件数が減少したことで、売上は減少いたしました。口腔ケア製品につきましては、前期より取り組んでおりました販売促進活動により、前年同四半期比で売上が増加しております。製造受託では、積極的に営業活動を実施したことで医療消耗品の製造受託が増加しており、結果、工場稼働率が向上しております。利益面では、綿糸価格や電気代等の上昇に加え、円安により輸入している原料や商品の仕入価格の上昇により、売上総利益率が悪化しております。結果、売上高は6,390,901千円(前年同四半期比1.4%減)、経常利益は243,778千円(同13.2%減)となりました。
(コンシューマ事業) コンシューマ事業では、感染管理製品をはじめとして育児用品、介護用品、口腔ケア製品、各種衛生材料及び医療用品等の幅広い製品を、大手量販店、ドラッグストアや通信販売事業者などの多くの顧客に対し積極的に販売いたしました。国内卸売事業においては、特に専門店や通信販売事業者向けの売上が好調に推移しております。国内製造事業においては、新製品であるマスクの販売が好調に推移し、売上が増加いたしました。経費面では、国内卸売事業の売上増加に伴い物流費が増加しております。結果、売上高は16,725,879千円(前年同四半期比4.1%増)、経常利益は754,541千円(同5.7%増)となりました。
② 財政状態に関する説明当第3四半期連結会計期間において、クロス工業株式会社及び同社の子会社を連結の範囲に含めたことにより、新規連結時の影響として資産合計が1,273,270千円、負債合計が452,828千円、非支配株主持分が601,328千円増加しております。以下では、当該影響を含めて記載しております。
(資産)当第3四半期連結会計期間末の総資産は21,039,548千円となり、前連結会計年度末に対して3,884,006千円増加いたしました。流動資産は15,970,138千円で、前連結会計年度末に対して2,493,837千円増加いたしました。「現金及び預金」が464,794千円増加、「受取手形及び売掛金」に「電子記録債権」を加えた売上債権が1,079,848千円増加、「商品及び製品」が506,321千円増加したことが主な要因です。固定資産は5,069,409千円で、前連結会計年度末に対して1,390,168千円増加いたしました。「有形固定資産」が1,176,683千円増加したことが主な要因です。(負債)当第3四半期連結会計期間末の負債は13,803,149千円となり、前連結会計年度末に対して2,612,878千円増加いたしました。流動負債は10,716,454千円で、前連結会計年度末に対して2,494,880千円増加いたしました。「支払手形及び買掛金」が1,008,581千円増加、「短期借入金」「関係会社短期借入金」「1年内返済予定の長期借入金」を合わせた借入金が1,406,848千円増加したことが主な要因です。固定負債は3,086,694千円で、前連結会計年度末に対して117,998千円増加いたしました。「長期借入金」が117,323千円減少した一方で、「その他」が244,016千円増加したことが主な要因です。(純資産)当第3四半期連結会計期間末の純資産は7,236,398千円となり、前連結会計年度末に対して1,271,127千円増加いたしました。「利益剰余金」が539,122千円増加、「非支配株主持分」が610,282千円増加したことが主な要因です。
(2)経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は47,346千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)従業員数当第3四半期連結累計期間において、クロス工業株式会社及び同社の子会社を連結の範囲に含めたことにより従業員数が58名増加しております。なお、従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。