【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間の当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限緩和により経済活動が活発化する一方、資源価格の高止まり、インフレに起因する世界経済の鈍化など景気の先行きは不透明な状況となっております。
このような経済環境のもとで、当第3四半期連結累計期間の売上高は、自動車生産低迷、液晶パネル生産在庫調整の影響により輸送業界向け及び情報・電子業界向けの顔料・着色剤・樹脂が低調に推移しました。一方、販売価格の見直しを進めたこと並びに円安による海外子会社の円換算後売上高が増加した結果、928億6百万円(前年同期比1.6%増)と増収になりました。一方、営業利益は、販売価格の見直しを進めましたが、販売数量の減少により、24億8千7百万円(同60.8%減)、経常利益は32億1千6百万円(同54.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、24億3千2百万円(同54.0%減)と減益になりました。
次に報告セグメントの業績についてご報告します。
(カラー&ファンクショナル プロダクト)
当事業は、顔料、繊維用着色剤、プラスチック用着色剤、コンパウンド、顔料分散体、機能性材料の製造・販売を行っております。
情報電子業界向けの顔料及び顔料分散体の売上高は、オフィス事務機器用途は回復が続きましたが、ディスプレイ用途は、液晶パネルの在庫調整及び巣ごもり需要の減少により低調となりました。家電OA機器及び車両業界向けのコンパウンド・着色剤の売上高は、国内は半導体不足等による自動車生産低迷により低調となりましたが、海外は、中国華南地区・東南アジアなどが堅調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は、512億2千8百万円(同2.7%減)と減収になり、営業利益は20億7千8百万円(同48.7%減)と減益になりました。
(ポリマー&コーティング マテリアル)
当事業は、UV・EBコート剤、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っております。
ウレタン樹脂の売上高は、自動車生産低迷の影響により車両業界向けを始めとして全般的に低調に推移しました。情報電子業界向けのコーティング剤は、ディスプレイ用途が、液晶パネルの在庫調整及び巣ごもり需要の減少により低調となりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は、179億7千3百万円(同2.1%増)と増収になりましたが、営業利益は14億6千3百万円(同45.3%減)と減益になりました。
(グラフィック&プリンティング マテリアル)
当事業は、グラビアインキ、オフセットインキの製造・販売を行っております。
包装業界向けのグラビアインキは、国内は飲料ラベル用途等が堅調に推移しました。海外は、インドネシア子会社でロックダウンからの回復により増収となりました。オフセットインキは、需要減少により低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は235億4千8百万円(同12.0%増)と増収になりましたが、原材料価格高止まり及び新工場移転費用の計上により、10億7千4百万円の営業損失(前年同期は4億7百万円の営業損失)となりました。
②財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は2,021億6千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ54億5千4百万円増加しました。これは主に「受取手形及び売掛金」及び「棚卸資産」が増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は858億3千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億8千8百万円減少しました。これは主に「未払法人税等」が減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,163億3千万円となり、前連結会計年度末と比べ58億4千3百万円増加しました。これは主に「為替換算調整勘定」が増加したことによるものであります。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
なお、会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下「会社の支配に関する基本方針」といいます。)の内容は以下のとおりであります。
1.会社の支配に関する基本方針
創業者 高橋 義博の「自分の生活が好きな色彩によって包まれたいと思うのが私たちの念願」との言葉にもありますように、世界中の「もっと自由に彩りたい」という願いをかなえるために、当社グループは、彩りと機能性を持った素材をさまざまな分野での企業活動を通じて提供し、社会やお客様の願いに貢献することとしております。当社は、「彩り」と「アイディアをカタチにする」化学メーカーとして、「お客様のニーズ」を的確に捉え、創業以来磨き続けた「3つのコア技術」を生かしてアイディアをカタチにするとともに、国内外に展開する「生産現場力」により高品質な製品を安定的に供給する、「三位一体の経営サイクル」を強みとしています。取扱製品は色材、機能材、合成樹脂、天然物由来高分子など多岐にわたっており、自動車・電気機器・建材などの部品から日常生活に関連する繊維・パッケージ・情報関連素材まで広範囲な製品に活用されています。営業部門と技術部門の連携、また、技術部門と生産部門の連携により、お客様にソリューションを提供するとともに、ものづくりを通した社会・環境への貢献を通して、サステナブル社会の実現と持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を目指しております。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、企業価値の様々な源泉、当社をご支持くださる多数のステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。
当社株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決定されるものであり当社の支配権の移転を伴う大規模な買付提案等がなされた場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概に否定するものではなく、これに応じるか否かのご判断も、最終的には株主の皆様のご意思に基づき行われるべきものと理解しております。
しかしながら、近年、資本市場における株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、当社や株主の皆様に対して買付けに係る内容及び代替案等を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、買付けに応じることを株主の皆様に強要するような仕組みを有するもの、買付条件が不適切であるもの等々、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも想定されます。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切でないと考えております。
2.会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み
当社は、1931年に顔料の製造・販売を目的に設立し、プラスチック時代の幕開けとなった1940年代半ばより、国産化・自社開発に拘りながらプラスチック製品の着色化に貢献、また合成繊維の誕生に合わせて化・合成繊維の原液着色の技術を開発しました。1970年代より海外市場へ展開し、日本企業の海外進出に合わせ、エリアを拡大してまいりました。創業以来培ってきました技術の継承と新規分野の研究開発を背景に、材料特性を熟知した素材メーカーとして、カラー化時代の先取りと様々なユーザーニーズに応える分散加工等の基本技術と応用展開の結実として、現在、プラスチック用着色剤、印刷インキ、合成樹脂に加えて時代の要請に即した機能性付与製品や情報記録関連の製品、環境配慮型製品まで多様な製品ラインナップを擁し、広範な業界の多数のお取引先から厚い信頼を得ております。
このように、当社は創立以来90年にわたり磨いてきた「有機無機合成・顔料処理技術」「分散加工技術」「樹脂合成技術」の3つのコア技術を企業価値の源泉とし、品質・コスト競争力とブランドの向上に努めながら、株主の皆様、取引先の皆様、従業員、さらには地域社会等との長年に亘る信頼関係を構築しております。これらは、数値に表れ難い企業価値として重要な要素と認識しております。
また、当社グループは、環境の変化に的確に対応し、持続的な社会の実現に貢献する製品、サービスを提供する技術オリエンテッドのソリューションカンパニーとして、事業の収益性、資本効率を重視する点から、ROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%を中長期的な経営目標として掲げることとしております。
このために、次の3つの施策を重点的に進めております。
ア.技術主導による競争優位性確保
当社グループでは、技術マネジメント手法を用いて保有する技術を再評価し、社会的なニーズ(ESG)への貢献を最優先課題として、オープンイノベーション、セグメント間のシナジー、知財戦略などを組み合わせ、市場規模・収益性・成長性を評価して、保有している3つのコア技術(1 有機無機合成・顔料処理技術、2 分散加工技術、3 樹脂合成技術)を深化させた技術開発に取り組んでおります。
従来の注力4分野(環境、エネルギー、パーソナルケア、IT・エレクトロニクス)を改めて、①IT・エレクトロニクス 機能性材料、②ライフサイエンス・パーソナルケアの二つを新規発展分野、③モビリティ、④パッケージングの二つを継続発展分野として開発対象の中心に据え、資金と人財を積極的に投入することを行い、技術主導による競争優位の確保を目的とした「技術オリエンテッド」体制の構築を目指すことといたします。これにより、製品の差別化、品質向上により社会貢献度を高め、同時に収益性の確保を図ってまいります。
①IT・エレクトロニクス 機能性材料・・・二次電池用部材、導電性部材、熱伝導性材料、機能性ポリマーなどにおいて、基礎技術に目途を付けると同時に、サンプルワークによる性能評価を進め、また、産学連携による新技術を付加することにより、着実な一歩を踏み出すことができました。今後、早期の実績化、生産体制増強に向けて、研究開発を進めてまいります。
②ライフサイエンス・パーソナルケア・・・生分解性微粒子、化粧品材料において、量産化設備に目途を付け、また、植物由来キトサンの開発に着手するなど一定の進捗を得ることができました。今後、一層の性能面のアップなどを目指して、継続的に注力してまいります。
③モビリティ・・・ウレタン、アクリル、シリコーンポリマー、軽量・高強度樹脂コンパウンドなどにおいて、水性化、バイオマス化などの環境配慮強化、リサイクル素材を利用した高強度コンパウンドの生産プロセスに目途をつけることができました。今後、早期の実績化を目指し、引き続き注力してまいります。
④パッケージング・・・ガスバリア性を付与したインキ、パッケージおよびラベルのリサイクルが可能なインキ、バイオマス由来のインキなどを上市し、サンプルワークを開始しました。現時点でグラビアインキの50%以上をESG製品で占めており、今後もバイオマス由来の原材料の採用を増やし環境配慮製品の開発、販売の鋭意強化に努めてまいります。
イ.ESGを重視した経営による企業価値向上に向けた改革の推進
ESGへの取組みは、当社グループを取り巻くサプライチェーン全体の重要な課題として認識し、原材料調達段階から当社製品を使用した製品が廃棄される段階までを含めたライフサイクル全体において以下の施策を実施してまいります。
(ア)ESG貢献製品開発・拡販
上記アで一部述べたとおり、地球温暖化防止、資源循環促進、水資源保護、フードロス削減などの観点から、二次電池用部材、導電性部材、熱伝導性材料の開発やバイオマス由来製品の開発などを積極的に進めてまいりました。今後も、この分野の製品開発・拡販には注力してまいります。
(イ)気候変動への取り組み
省エネ対策として、太陽光発電設備の設置、ボイラーの運用改善、生産機械の高効率化、照明器具のLED化を実施すると同時に、買電を再生可能エネルギーによる電力に切り換えることを進めました。合わせて、インターナルカーボンプライシングに関する社内整備を進めました。今後も、これらの施策をTCFD提言に沿って鋭意継続することとし、海外生産拠点も含めたグローバルな展開を行うことといたします。
(ウ)資源循環促進
プラスチック製品の原材料のバイオマス化への対応を加速化させると同時に、廃プラスチックの排出量抑制とリサイクル促進を進めてまいりました。今後も、これらの対策を鋭意継続するとともに、生産工程から生じるロスを削減するため工程管理を強化することなども行うことといたします。
(エ)社会貢献の一層の促進
お客様とのかかわりにおいては、適切な化学物質管理(新管理システムの導入、リスクアセスメントなど)、品質管理(ISO 9001による全社的なQMS活動実施、内部監査実施)、責任ある原材料調達(CSR調達基準によるサプライヤー調査)、サステナブルな物流業務の展開(輸送ロットアップ、在庫拠点集約など)に取り組んでまいりました。従業員とのかかわりにおいては、ワークライフバランスの充実、女性、外国人、中途採用者の一層の活躍などの点から、人事制度の充実を図っております。合わせて地域社会とのかかわりにおいては、生産拠点の近隣に対する安全・安心を最優先に防災活動と環境負荷低減に努めてきております。これらの諸施策は着実に、継続的に実施することにより効果を得られるものであるため、今後も注力して対応してまいります。
(オ)コーポレート・ガバナンスへの一層の取り組み
単に法令順守、ルール順守に留まるだけでは実質的なガバナンスの向上につながらないとの認識から、コンプライアンスの徹底のために経営層からのメッセージの発信・従業員からのフィードバックを継続的に実施、社内イントラシステムなどを利用した継続的な研修の実施、ガバナンス体制上の委員会活動にESGの視点を大幅に追加するなど、より一層「風通し」のよい組織体制づくりに向けて、今後も地道な活動をひとつずつ積み上げてまいります。
ウ.海外事業拡大に向けた事業基盤の強化~海外売上高比率の向上~
当社グループの収益、成長の源泉は、国内・海外双方に存在し、GDP高伸長国での事業展開もバランスよく事業育成をしていく必要があるとの認識の基に、中期経営計画を策定するにあたり、(ア)「地産地消」の推進と海外拠点の拡充、(イ)新規ビジネスの創出に注力してまいります。
(ア)「地産地消」の推進と海外拠点の拡充
自動車内装材用をはじめとした、環境配慮型ウレタン樹脂製品に対する海外からの強い供給要請に応えるため、積極的な事業展開を実施してきました。今後も、新規採用のための拡販活動に取り組んでまいります。
(イ)新規ビジネスの創出
東南アジア、中国、欧州におけるエンジニアリングプラスチック事業の展開と生産設備の増強、欧州の商業印刷分野におけるデジタル印刷需要取り込みなどの事業を展開いたしました。海外における新規ビジネスの創出は一朝一夕に成就しがたいものであるとの認識に立ち、これらの事業を中心におき、今後とも、鋭意、注力していくことといたします。
中期経営計画の公表に合わせ掲げましたROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%の経営目標を達成するためにも、以上のような施策を引き続き強力に推し進めていくことといたします。
合わせて、当社グループの置かれている経営環境と要請される事項に的確に対応するため、DXの推進により、デジタル技術を更に活用し、社内データの整備や業務改善に直結する事象の把握と改善への取組みなど、生産性の向上や経営基盤の強化に積極的に取り組んでまいります。また、デジタルリテラシー向上のための研修や、具体的なプロジェクトなどを活用したOJTなども効果的に行うことなどにより、一層のデジタル人財の基盤強化を図ることといたします。
当社は、「大日精化環境方針」を制定し、人類文化の保護発展と自然環境を護り、「環境・安全・健康・品質」を良好に保つことを企業目的の一つとしております。具体的には、国際規則及び国内外の関係法令の順守を徹底するとともに、地球温暖化対策としてエネルギーの有効利用の推進、PRTR(*)対象物質の排出量削減、廃棄物排出量の削減とリサイクルの推進、地域社会の環境保全活動などに積極的に取り組み、それらの実績や改善情報を社内外に公開すると同時に、担当する本社・支社及び製造事業所に適時にフィードバックすることにより、これからも環境に対する社会的責任を一層果たしてまいる所存です。
(*) Pollutant Release and Transfer Register
有害性のある多種多様な化学物質がどのような発生源からどの程度環境中に排出されたか、あるいは廃棄物などに含まれて事業所の外に移動したかというデータを集計・報告し公表する制度。
加えて、企業活動を通じた社会貢献は当然のことながら、企業市民として地域に貢献し、地域とともに発展していくために、地域の皆様と密接な交流を行っております。地域と密着したさまざまな活動へ積極的に参加することにより一層の交流を図ると同時に、地震災害等に備えた防災活動に取り組んでおります。
さらに、当社の従業員も当社の重要なステークホルダーであるとの認識の元に、企業理念である「人に興味を持とう 新しいことに興味を持とう 未来に興味を持とう」を軸として、豊富な専門知識やいろいろな経験から得られた知識・知恵・スキルと向上心を持った人財を育てることにより企業内で高いパフォーマンスを発揮してもらうべく、OJT、Off-JT、各階層別研修等個々人の個性を生かした能力開発を積極的に支援する体制を整えております。
併せて、職階と役割に応じた目標設定と適切な評価で構成される「人事考課制度」、役割貢献度に適切に反映した「賃金制度」を設定し、キャリアパスでは従業員の持つ多様な働き方を尊重し、さまざまな部署や職種での経験から幅広い知識を習得することを目指す、あるいは高い専門性を生かして特定分野での活躍を目指すなど、自己実現を可能にする制度を導入しています。勤務エリア限定職や、障がい者雇用、育児・介護制度、定年再雇用制度も導入することなどにより、従業員が働きやすい環境づくりに努めてきています。併せて、これまで女性社員の配属が少なかった技術職や営業職にも配属・登用することにより、女性活躍推進にも注力してきております。
また、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化を通じて、経営の透明性及び効率性を確保し、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの信頼をより高め、社会責任を全うするため、ガバナンス機能の充実が経営上の重要な課題であると認識しております。法令順守及びリスク管理等の徹底のために「CSR・ESG推進本部」を設置し、内部監査の独立部門である内部監査室と情報の共有化を図り、内部統制システムの充実に積極的に取り組んでおります。
以上、当社では多くの投資家の皆様に中長期的に当社への投資を継続していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上のため、役員・社員一丸となって上記のような取組みを実施しております。今後とも株主の皆様、お取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーからの信頼を磐石なものとするため一層その充実、拡充に努める所存であります。これらの取組みは上記1.会社の支配に関する基本方針の実現にも資するものと考えております。
3.会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組み
当社は、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための取組みとして「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)について、2020年6月26日開催の第117期定時株主総会(以下「本株主総会」といいます。)において、株主の皆様にご承認いただき継続しております。
本プランの対象となる当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。
本プランにおける大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関しては、次のとおり一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設けており、大規模買付ルールによって、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付けの場合は最長60日間、またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間、また株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを順守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを順守しなかった場合、順守しても当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとることがあります。
このように対抗措置をとる場合、その判断の客観性及び合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役または社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。なお、本プランの有効期限は2023年6月に開催予定の当社第120期定時株主総会の終結の時までとします。本プランは、本株主総会において継続が承認され発効した後であっても、①当社株主総会において本プランを廃止する旨の株主の一定割合の意思表示が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議等が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
継続後の本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト
(https://www.daicolor.co.jp)に掲載しております。
4.本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
本プランは、①買収防衛策に関する指針において定める三原則を充足していること及び経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年(平成20年)6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっていること、②当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、③株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること、④独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の判断を重視するものであること、⑤デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策でないこと等の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、22億9千5百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。