【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
1) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は36,903百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,122百万円増加いたしました。
流動資産は27,386百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,452百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が461百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が3,543百万円、電子記録債権が394百万円、商品及び製品が1,391百万円、原材料及び貯蔵品が990百万円、仕掛品が213百万円増加したことによるものであります。固定資産は9,516百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,329百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が64百万円増加した一方で、無形固定資産が1,168百万円減少したことによるものであります。
流動負債は22,758百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,212百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が3,898百万円、短期借入金が2,022百万円増加したことによるものであります。固定負債は5,433百万円となり、前連結会計年度末に比べ65百万円減少いたしました。これは主に退職給付に係る負債が78百万円減少したことによるものであります。
純資産合計は8,711百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,023百万円減少いたしました。これは主に為替換算調整勘定が808百万円増加した一方で、利益剰余金が1,822百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は23.6%(前連結会計年度末は30.6%)となりました。
2) 経営成績
長引く新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、政府政策が社会・経済活動の正常化へと移行し回復が期待される中、ロシアによるウクライナ侵略の長期化による資源・エネルギー高や円安進行、世界的なインフレなどにより、先行き不透明な状況が続いています。
現状の経済状況のもと、当社グループは、「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の重点4市場に対し、コア技術である「映像&IT」と「ロボティクス」により、持続可能で豊かな社会を実現するための仕組みやソリューションを提供しています。また、引き続き注力分野の事業強化を目的としたM&Aや、事業・組織の最適化を推進することで、企業価値の最大化を推進しております。
このような中、当社グループの業績は、グループ企業が貢献したことにより売上高は43,765百万円(前期比26.8%増)と大幅な増収となったものの、物価上昇や円安によるエネルギー・電子部品価格の高騰、部品調達難による生産効率の低下など売上原価が上昇するとともに、積極的なM&A戦略によるのれん償却額や営業組織強化に伴い販売費及び一般管理費が増加したことから、営業損失は530百万円(前期は営業利益749百万円)、経常損失は405百万円(前期は経常利益955百万円)となりました。また、繰延税金資産の取り崩しや、のれんについて経営環境の変化等により今期事業計画からの乖離が生じ、一時的に超過収益力が見込めなくなった子会社について減損処理を行った結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,553百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益431百万円)となりました。経営上の目標の指標である売上高営業利益率は△1.2%、自己資本当期純利益率は親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前年の数値並びに比較増減は、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(映像&IT事業)
映像&IT事業の売上高は34,835百万円となり、前年同期に比べ27.5%増加いたしました。同事業の営業損失は586百万円(前期は営業利益526百万円)となりました。
(ロボティクス事業)
ロボティクス事業の売上高は8,929百万円となり、前年同期に比べ24.0%増加いたしました。同事業の営業利益は50百万円(前年同期比75.0%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ461百万円減少し、3,683百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により支出した資金は1,271百万円(前年同期は営業活動により得られた資金1,029百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失770百万円、減価償却費899百万円、減損損失483百万円、のれん償却額728百万円、負ののれん発生益116百万円、退職給付に係る負債の減少額84百万円、売上債権の増加額3,457百万円、棚卸資産の増加額2,204百万円、仕入債務の増加額3,458百万円、法人税等の支払額382百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は864百万円(前年同期比81.1%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出482百万円、無形固定資産の取得による支出227百万円、関係会社株式の取得による支出138百万円、事業譲受による支出150百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は1,524百万円(前年同期は財務活動により支出した資金789百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,700百万円、長期借入れによる収入2,600百万円、長期借入金の返済による支出2,255百万円、配当金の支払額269百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
映像&IT事業
6,566,935
+45.1
ロボティクス事業
8,608,446
+14.5
合計
15,175,382
+26.0
(注)金額は販売価格によっております。
2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
映像&IT事業
15,598,935
47.9
5,418,212
+77.8
ロボティクス事業
10,737,831
40.4
4,159,598
+66.5
合計
26,336,767
44.7
9,577,810
+72.7
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.映像&IT事業のうち、光学ユニット等の精密光学部品については受注生産を行っております。
3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
映像&IT事業
34,835,852
+27.5
ロボティクス事業
8,929,214
+24.0
合計
43,765,067
+26.8
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、主として連結会計年度末現在の判断に基づく見積りによるものがあります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において行われる重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに与える影響は現時点において軽微と見込んでおります。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、翌期に影響を及ぼす可能性があります。
1) 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の評価基準について原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しており、個別に簿価の切下げを行うほか、入庫から一定期間を経過した在庫について、期間の経過に応じ規則的に簿価の切下げを行うなど、状況に応じ適時に棚卸資産の評価減を実施しております。ただし、他社新製品の開発により当社グループの販売数量が減少した場合や、当社グループにおいて管理できない要因など、見積り及びその基礎となる仮定とは異なる結果が生じた場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。
2) のれん
当社グループは、新たな成長戦略の一つとして、企業買収を行っています。企業買収により発生したのれんは、投資効果の発現する期間を個別に見積り均等償却しておりますが、投資先の将来の収益力の低下などが発生した場合には、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。
3) 繰延税金資産
当社グループは、事業計画に基づき将来の課税所得を見積ったうえで、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。
4) 関係会社株式
当社は、関係会社株式について、実質価額が取得原価に比べて50%以上低下した場合には、事業計画をもとに回復可能性を検討しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
1) 経営成績の状況
当社グループは、「教育」「安全・生活」「医療」「FA」分野を重点市場とし、映像&IT事業とロボティクス事業をグローバルに展開しております。
長引く新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、政府政策が社会・経済活動の正常化へと移行し回復が期待される中、ロシアによるウクライナ侵略の長期化による資源・エネルギー高や円安進行、世界的なインフレなどにより、先行き不透明な状況が続いています。
現状の経済状況のもと、当社グループは、「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の重点4市場に対し、コア技術である「映像&IT」と「ロボティクス」により、持続可能で豊かな社会を実現するための仕組みやソリューションを提供しています。また、注力分野の事業強化を目的としたM&Aを積極的に推進するとともに、現状に甘んじず、変化を恐れることなく事業・組織の最適化を推し進めて時代の潮流に対応することにより、企業価値の最大化に取り組んでおります。
教育市場では、主力である書画カメラと電子黒板を中心とした教育のデジタル化を支援するICT機器を提供しております。今後本格化する誰もが・いつでも・どこでも・誰とでも学べる「教育のデジタル化」社会の実現に向けて、販売したプロダクトと連動するデジタルコンテンツやDXソリューション等の提供に向けた施策を講じています。また、お客様の声を反映してプラダクトをアップデートし、経営支援ソフト等と組み合わせてビジネス向けに展開することで新たな市場の開拓を進めております。このような戦略を進めるために当社は注力分野の事業を強化するためにM&Aを積極的に推進しています。このグループ経営戦略の効果が発揮されつつあり、シンガポールの子会社2社(アジア地域でのサイバーセキュリティ商品やオフィスなどのAVシステム)の販売が堅調に推移するなど、当該事業全体の売上高は伸長しました。
安全・生活市場では、業務用車載器等に加え、市街地、企業内、家庭、工場現場といった様々なシチュエーションで活用される監視カメラや、決済端末の開発を行っています。機器で取得したデータをAI解析し、新たな価値を提供するシステムの開発等も進めております。
医療市場では、超高齢化社会の到来により介護人口の増加や対応する人手不足といった介護業界が抱える課題に対し、当社のセンシング技術を利用して開発した睡眠見守りシステムや電子黒板・DXソリューションと、当該業界の課題解決に資する他社の製品と連携して当該課題の解決に向けたトータルソリューションの展開を行っております。また、当社グループがこれまで蓄積してきた画像解析のノウハウを活用して、高度化する医療の課題解決のため、大学法人との共同研究を継続して実施しております。
FA市場では、既存顧客への新たな提案や新規顧客を開拓すべく国内外の展示会へ出展して露出を増やすとともに、当社のマシンビジョン技術とグループ企業の画像解析技術、AIなどを組み合わせた新たなコンセプトの製品開発を進めています。中国現地法人では、引き続き現地企業との取引拡大に注力しております。
このように、重点4市場に対する施策を実行したことにより売上高が大幅に伸長しました。利益面では、物価上昇や円安によるエネルギー・電子部品価格の高騰、部品調達難による生産効率の低下などにより売上原価が上昇し、積極的なM&A戦略によるのれん償却額や営業組織強化に伴い販売費及び一般管理費が増加したことが下方圧力となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は43,765百万円、営業損失は530百万円、経常損失は405百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,553百万円となりました。経営上の目標の指標である売上高営業利益率は△1.2%、自己資本当期純利益率は親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(映像&IT事業)
教育市場では、教育市場向けの書画カメラや電子黒板の販売は、国内市場では前期並みの水準を維持しましたが、欧米市場では急激な物価上昇やサプライチェーンの混乱が継続するなど、世界景気に対する不透明感が強まり計画を下回りました。業務用車載機器(ドライブレコーダ・デジタルタコグラフ)においては、堅調な需要を背景に多くの受注を獲得したものの、年間を通じて半導体関連部品の調達難の影響を受けて出荷が後ろ倒しとなりました。一方で、シンガポールの子会社2社(アジア地域でのサイバーセキュリティ商品やオフィスなどのAVシステム)の販売が堅調に推移するなどグループ経営戦略の効果が発揮され、当該事業全体の売上高は伸長しました。
営業損益につきましては、グループ入りした子会社が貢献したものの、物価上昇や円安に伴うエネルギー及び電子部品価格の高騰、部品調達難に伴う生産効率の低下などにより売上原価が上昇し、期首の想定以上に利益の下押し圧力が強まりました。また、更なる事業の拡大・顧客満足度の向上を目指して営業組織を強化したことにより活動費用や管理費用が増加しました。
これらの結果、映像&IT事業における当連結会計年度の売上高は34,835百万円(前年同期比27.5%増)、営業損失は586百万円(前期は営業利益526百万円)となりました。
(ロボティクス事業)
FA関連機器は、国内市場では受注は堅調に推移しているものの、半導体関連部品の調達難から出荷が後ろ倒しとなる状況が継続しております。中国市場では新型コロナウイルス感染症による市場環境の悪化が影響しました。一方で、前期に買収した子会社(はんだ付けロボットなど工場自動化システム)の販売が国内外ともに堅調に推移し、当該事業全体の売上高は伸長しました。
営業損益につきましては、映像&IT事業と同様に、グループ入りした子会社が貢献したものの、物価上昇や円安に伴うエネルギー及び電子部品価格の高騰、部品調達難に伴う生産効率の低下などにより売上原価が上昇し、期首の想定以上に利益の下押し圧力が強まりました。
これらの結果、ロボティクス事業における当連結会計年度の売上高は8,929百万円(前年同期比24.0%増)、営業利益は50百万円(前年同期比75.0%減)となりました。
2) 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(財務政策)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、電子機器や部品の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新製品生産に伴うライン設備及び金型やソフトウエア等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金、長期運転資金、M&A資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は16,297百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,683百万円となっております。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。
3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
