【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、前事業年度より事業年度の末日を3月31日から12月31日に変更しており、また全ての連結子会社が3月決算から12月決算に変更しております。このため前期比較にあたっては、2022年1月から2022年6月までの6カ月間を「前年同一期間」として算出した参考数値と比較しております。また、当社は第1四半期会計期間より、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおり、セグメント利益の測定方法の変更を行っております。以下の前年同一期間との比較については、前年同一期間の数値を変更後の数値に組み替えて計算しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染の収束や経済活動の正常化に伴い、個人消費を中心に緩やかな持ち直しが続いています。海外経済は、米国では足元の雇用環境は堅調に推移しているものの、累積的利上げの影響による財需要の低下、サービス需要へのシフトに伴い、製造業が世界的な調整局面に入っており、わが国の輸出産業にとっても厳しい事業環境となりました。このような状況下、当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)の当社グループの売上高は308億80百万円(前年同一期間比0.6%の増収)、営業利益は37億86百万円(前年同一期間比5.7%の減益)、経常利益は47億20百万円(前年同一期間比8.0%の減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は32億12百万円(前年同一期間比12.3%の減益)となりました。当第2四半期連結会計期間において当社を取り巻く市況は一段と厳しさを増しておりますが、化学品事業、建材事業ともに販売価格への転嫁や為替レートの円安影響等で増収を確保する一方、営業利益は製造原価や販売費等のコスト上昇により減益となりました。また前年においては多額の為替差益や投資有価証券売却益が発生し、その反動減により経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益も減益となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
①化学品事業(無機化成品)ラジアルタイヤ向け原料である不溶性硫黄は、中国等で需給の緩みが見られ、販売は低調に推移しました。レーヨン・セロハン向けの二硫化炭素は国内販売に加え、輸出も販売先の新規開拓により、いずれも好調に推移しました。浴用剤・合成洗剤向けの無水芒硝は、国内販売において、為替レートの円安による仕入価格高騰の影響を価格転嫁し、収益性の回復を図りました。(有機化成品)殺菌消毒剤塩素化イソシアヌル酸は、国内市場は、前年並みで推移しました。米国市場は、顧客在庫の積み上がりや在庫調整により荷動きは鈍化しましたが、為替の円安影響や販路の多様化等で販売単価は高値を維持しており、前年を上回りました。(ファインケミカル)プリント配線板向けの水溶性防錆剤タフエースを中心とする電子化学材料は、半導体、エレクトロニクス市場の市況悪化を受けて販売先やサプライチェーン上の在庫調整が発生し、実需要以上に販売が減少しました。機能材料は、エポキシ樹脂硬化剤(イミダゾール類)や樹脂改質剤(グリコールウリル誘導体等)は電子分野の市況悪化で停滞しましたが、半導体プロセス材料は評価需要や案件獲得などで前年を大きく上回りました。
この結果、化学品事業の売上高は208億30百万円(前年同一期間比0.0%の増収)と前年を上回りましたが、セグメント利益は、為替レート円安の影響や輸出物流コストの低下等の追い風があったものの、稼働開始した塩素化イソシアヌル酸の新プラント(NEO2022)の償却負担や、収益性の高いファインケミカル分野の電子材料の販売が低調に推移したことから、28億98百万円(前年同一期間比6.3%の減益)と、前年を下回りました。
②建材事業新設住宅着工戸数は、持家の着工が弱い動きを続けており、壁材、エクステリアともに需要は低調に推移しています。当期1月より価格改定を実施し、原材料費の上昇に係る価格転嫁に努めましたが、値上げ前の駆け込み受注の反動減で出荷が低調に推移し売上高が伸び悩む一方、原材料費の高騰やコロナ後の営業活動の再開等で販売費が増加し、減益となりました。
この結果、建材事業の売上高は95億70百万円(前年同一期間比2.2%の増収)、セグメント利益は7億15百万円(前年同一期間比15.5%の減益)となりました。
財政状態は、総資産は、前連結会計年度末比86億24百万円増加し、1,258億0百万円となりました。主な増加は、投資有価証券28億57百万円、建設仮勘定17億47百万円、主な減少は、機械装置及び運搬具8億57百万円であります。負債は、前連結会計年度末比67億58百万円増加し、421億28百万円となりました。主な増加は、繰延税金負債23億46百万円、1年内返済予定長期借入金19億83百万円、主な減少は、長期借入金8億47百万円であります。純資産は、前連結会計年度末比18億65百万円増加し、836億71百万円となりました。主な増加は、その他有価証券評価差額金19億76百万円、主な減少は、利益剰余金5億3百万円であります。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の69.4%から66.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、60億10百万円(前年同期比26億23百万円の増加)となりました。主な収入項目は、税金等調整前四半期純利益47億0百万円、減価償却費16億23百万円であります。投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、31億62百万円(前年同期比16億73百万円の増加)となりました。主な収入項目は、有価証券の償還による収入30億円であります。主な支出項目は、有価証券の取得による支出30億円、有形固定資産の取得による支出23億58百万円であります。財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、18億14百万円(前年同期比1億23百万円の減少)となりました。主として、自己株式の取得による支出30億39百万円であります。以上の結果、現金及び現金同等物は、380億80百万円(前連結会計年度末比13億97百万円の増加)となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は8億67百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において研究開発活動の状況に重要な変更はありません。