【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、前事業年度より事業年度の末日を3月31日から12月31日に変更しており、また全ての連結子会社が3月決算から12月決算に変更しております。このため前期比較にあたっては、2022年1月から2022年3月までの3カ月間を「前年同一期間」として算出した参考数値と比較しております。なお、当社は当第1四半期会計期間より、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおり、セグメント利益の測定方法の変更を行っております。以下の前年同一期間との比較については、前年同一期間の数値を変更後の数値に組み替えて計算しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染の収束や経済活動の正常化に伴い、個人消費を中心に緩やかな持ち直しが続いています。海外経済は、米国は足元の雇用環境や個人消費は堅調に推移していますが、高インフレや金融引き締めの長期化に伴い、景気後退入りが予想されています。中国はゼロコロナ政策撤廃後の混乱により景気減速が鮮明になりつつあり、当社を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しております。このような状況下、当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年3月31日)の当社グループの売上高は146億85百万円(前年同一期間比1.5%の減収)、営業利益は24億8百万円(前年同一期間比7.5%の増益)、経常利益は26億10百万円(前年同一期間比1.6%の増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億44百万円(前年同一期間比16.3%の減益)となりました。厳しい市況の中で化学品事業、建材事業ともに収益性を向上させ、営業利益は増益となりましたが、前年同一期間において多額の為替差益や投資有価証券売却益が発生し、その反動により親会社株主に帰属する四半期純利益は減益となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
①化学品事業(無機化成品)ラジアルタイヤ向け原料である不溶性硫黄は、中国自動車市場の需要の落ち込みによる生産低調等で需給の緩みが見られ、販売は低調に推移しました。レーヨン・セロハン向けの二硫化炭素は国内販売に加え、輸出も販売先の新規開拓により、いずれも好調に推移しました。浴用剤・合成洗剤向けの無水芒硝は、国内販売において、為替レートの円安による仕入価格高騰の影響を価格転嫁し、収益性の回復を図りました。(有機化成品)殺菌消毒剤塩素化イソシアヌル酸は、国内市場は、前年並みで推移しました。米国市場は、サプライチェーンの混乱による顧客在庫積み増しが一巡したことで市場の飽和感が出てきつつあり、前年比では反動減が見られました。(ファインケミカル)プリント配線板向けの水溶性防錆剤タフエースを中心とする電子化学材料は、半導体、エレクトロニクス市場の市況悪化を受けて低調に推移しました。機能材料は、半導体プロセス材料の評価需要や案件獲得などにより堅調に推移しました。
この結果、化学品事業の売上高は90億84百万円(前年同一期間比4.3%の減収)と前年を下回りましたが、セグメント利益は、為替レート円安の影響や輸出物流コストの低下等により収益性が改善し、15億43百万円(前年同一期間比3.6%の増益)と、前年を上回りました。
②建材事業新設住宅着工戸数は、持家の着工が弱い動きを続けており、壁材、エクステリアともに需要は低調に推移していますが、当期1月より価格改定を実施し、原材料費の上昇に係る価格転嫁に努めた結果、売上高、セグメント利益のいずれも前年を上回りました。
この結果、建材事業の売上高は53億51百万円(前年同一期間比3.1%の増収)、セグメント利益は7億78百万円(前年同一期間比11.0%の増益)と、いずれも前年を上回りました。
財政状態は、総資産は、前連結会計年度末比76億15百万円増加し、1,247億92百万円となりました。主な増加は、現金及び預金22億98百万円、建設仮勘定15億55百万円、主な減少は、機械装置及び運搬具5億41百万円、売掛金4億12百万円であります。負債は、前連結会計年度末比59億89百万円増加し、413億59百万円となりました。主な増加は、1年内返済予定長期借入金19億91百万円、繰延税金負債17億9百万円、主な減少は、長期借入金10億17百万円であります。純資産は、前連結会計年度末比16億26百万円増加し、834億32百万円となりました。主な増加は、利益剰余金10億56百万円であります。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の69.4%から66.5%となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は3億83百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において研究開発活動の状況に重要な変更はありません。