【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの回復等により緩やかな回復基調と
なりました。一方、エネルギー価格の高騰継続や円安の進展を含めた世界的な金融引き締めの影響など、
依然として先行き不透明な状況は継続しております。
このような情勢下、当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比76百万円増(0.8%増)の
10,041百万円になりました。
損益面では、営業利益は、前年同期比664百万円減(66.3%減)の337百万円となりました。
また、経常利益は、前年同期比633百万円減(45.2%減)の768百万円、
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比294百万円減(44.4%減)の369百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間の各セグメントの概況は次のとおりであります。
〔機能性色素セグメント〕
イメージング材料事業は、プリンター向け材料の需要が海外を中心に低迷しており、大幅な減収となりました。
色素材料事業は、アルミ着色用染料のスマートフォン向けを中心に販売が減少しましたが、
繊維向け染料の海外での需要が回復し、また、天然色素において食品向けに加え、
工業製品での採用等により増加し、前年同期並みとなりました。
有機EL材料事業は、当社の子会社におけるPCR診断キット用材料の、アフターコロナでの需要の大幅減少が
見られましたが、スマートフォン向けを中心とするディスプレイ分野において、
有機EL材料の需要が引き続き増加し、有機EL材料事業全体としては大幅な増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比446百万円増(11.1%増)の4,487百万円となりました。
〔機能性樹脂セグメント〕
建築材料事業は、材料販売を中心に、前年同期並みとなりました。
一方、特殊化学品事業は、医薬向け及び剥離剤向け等が低調に推移し、また、樹脂材料事業においても、
海外向けを主とするウレタン材料の在庫調整の影響を受け、大幅な減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比540百万円減(21.6%減)の1,962百万円となりました。
〔基礎化学品セグメント〕
過酸化水素は数量減に対し価格転嫁を進めたことで前年同期並みに推移し、
過炭酸ナトリウムの需要取り込みにより、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比117百万円増(6.7%増)の1,871百万円となりました。
〔アグロサイエンスセグメント〕
家庭園芸及び農耕地向け除草剤の需要好調等により大幅な増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比147百万円増(12.9%増)の1,292百万円となりました。
〔物流関連セグメント〕
輸出貨物の取り扱いにおいて、中国等での景気減速により大幅な減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比122百万円減(23.9%減)の388百万円となりました。
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末(6月末)における資産合計は、75,373百万円となり、
前連結会計年度末(3月末)比3,322百万円の増加となりました。
主な増減要因は、現金及び預金の増加2,955百万円、有形固定資産の増加2,252百万円、
長期貸付金の減少1,231百万円等であります。
負債合計は、22,849百万円となり、前連結会計年度末比695百万円の増加となりました。
主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加225百万円、未払法人税等の増加117百万円等であります。
純資産合計は、52,523百万円となり、前連結会計年度末比2,626百万円の増加となりました。
主な増減要因は、非支配株主持分の増加1,349百万円、為替換算調整勘定の増加666百万円、
その他有価証券評価差額金の増加328百万円、利益剰余金の増加242百万円等であります。
以上の結果、自己資本比率は58.5%となり、前連結会計年度末の59.5%から1.0ポイント減少しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は10,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ、
3,717百万円増加いたしました。(前年同期比33百万円増)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加308百万円、引当金の減少238百万円があったものの、
売上債権の減少2,222百万円、税金等調整前四半期純利益760百万円等により、
2,713百万円の収入となりました。(前年同期は218百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入1,078百万円があった一方、
有形及び無形固定資産の取得による支出1,175百万円等により、222百万円の支出となりました。
(前年同期は1,233百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出231百万円等により、
321百万円の支出となりました。(前年同期は831百万円の収入)
なお、REXCEL CO.,LTD.を連結の範囲に含めたことにより、現金及び現金同等物は
1,280百万円増加しております。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの
状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について
重要な変更はありません。
(6)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について
重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、1,124百万円であります。