【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中でも、
行動制限が緩和され経済活動に持ち直しの動きが見られましたが、エネルギー価格の高騰や
ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、及び急激な円安の進行など、先行きが不透明な状況は継続しています。
また、世界的にインフレ懸念が広がる中、消費の抑制に伴う需要減少の動きもあり、
不透明感は一層強まっています。
このような情勢下、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比716百万円増(2.3%増)の
31,824百万円になりました。
損益面では、営業利益は、前年同期比1,850百万円減(37.1%減)の3,132百万円となりました。
また、経常利益は、前年同期比1,726百万円減(32.5%減)の3,581百万円、
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比1,077百万円減(38.3%減)の1,734百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間の各セグメントの概況は次のとおりであります。
〔機能性色素セグメント〕
色素材料事業は、繊維向け染料の需要が減少しましたが、文具染料でのコロナ禍からの需要回復や、
アルミ着色用染料のスマートフォン向け販売が引き続き好調に推移したことにより増加し、
前年同期並みとなりました。
有機EL材料事業は、当社の子会社におけるPCR診断キット用材料の、
前年度での新型コロナウイルス向け需要が大幅に減少しましたが、
スマートフォン向けディスプレイ分野においては、有機ELパネルの需要が引き続き増加し、
有機EL材料事業全体としては前年同期並みとなりました。
イメージング材料事業は、プリンター向け材料の需要が海外向けを中心に好調に推移し、
大幅な増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比654百万円増(4.9%増)の14,016百万円となりました。
〔機能性樹脂セグメント〕
特殊化学品事業は、医薬向け及び剥離剤向け等が好調に推移したことから、大幅な増収となりました。
一方、建築材料事業は、材料販売は前年同期並みに推移しましたが、大型防水工事の受注減により、
減収となりました。
樹脂材料事業は、半導体不足の長期化等に伴う自動車の減産を受けタイヤ用接着剤の需要が減少し、
また、海外向けを主とするウレタン材料の販売減少により、樹脂材料事業全体として減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比97百万円減(1.2%減)の8,266百万円となりました。
〔基礎化学品セグメント〕
過酸化水素は、工業薬品向けで半導体市場を中心に需要が好調に推移し、
また経済活動の回復に伴う紙パルプ向け需要が堅調に推移したことから、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比207百万円増(4.0%増)の5,359百万円となりました。
〔アグロサイエンスセグメント〕
農耕地向け除草剤及び殺虫剤等での需要が好調に推移しましたが、
家庭園芸向け除草剤の巣ごもり需要の後退等により、減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比122百万円減(4.4%減)の2,662百万円となりました。
〔物流関連セグメント〕
国内外での経済活動の回復に伴い輸出取扱量が堅調に推移したこと等により、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、前年同期比131百万円増(10.0%増)の1,452百万円となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末(12月末)における資産合計は、70,965百万円となり、
前連結会計年度末(3月末)比4,517百万円の増加となりました。
主な増減要因は、商品及び製品の増加1,977百万円、原材料及び貯蔵品の増加1,858百万円、
長期貸付金の増加1,001百万円等であります。
負債合計は、21,630百万円となり、前連結会計年度末比3,094百万円の増加となりました。
主な増減要因は、短期・長期借入金の増加2,266百万円、
支払手形及び買掛金の増加1,126百万円等であります。
純資産合計は、49,335百万円となり、前連結会計年度末比1,422百万円の増加となりました。
主な増減要因は、利益剰余金の増加1,239百万円、非支配株主持分の増加632百万円、
資本剰余金の減少769百万円等であります。
以上の結果、自己資本比率は59.5%となり、前連結会計年度末の62.3%から2.8ポイント減少しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は6,038百万円となり、
前連結会計年度末に比べ、4,326百万円減少いたしました。(前年同期比4,948百万円減)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益3,646百万円、
減価償却費1,390百万円、棚卸資産の増加4,190百万円等により、
919百万円の収入となりました。(前年同期は5,125百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出3,857百万円、
有形及び無形固定資産の取得による支出2,446百万円等により、
6,003百万円の支出となりました。(前年同期は2,148百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額3,000百万円、
連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出987百万円、
長期借入金の返済による支出733百万円、
非支配株主への配当金の支払額253百万円及び配当金の支払額236百万円等により、
689百万円の収入となりました。(前年同期は1,309百万円の支出)
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの
状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について
重要な変更はありません。
(6)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について
重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、3,528百万円であります。