【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが第5類に移行したことにより、社会経済活動正常化への動きが一段と進み、企業業績・個人消費ともに緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、今後もウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引き締めによる影響が懸念され、景気の先行きは依然不透明な状況が継続しております。
このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および事業領域の拡大を進めたことに加え、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことにより、売上高は前年同四半期比で増加いたしました。また、営業利益は売上高が増加したことに加え、さまざまなコスト削減活動を実施した結果、同様に増加いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が212億6千7百万円で前年同四半期比5億2千2百万円の増収(2.5%増)、営業利益は2億5千3百万円で前年同四半期比3億6千3百万円の増益(前年同四半期は1億9百万円の営業損失)、経常利益は円安による為替評価増等により4億9千9百万円で前年同四半期比3億5千1百万円の増益(239.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億8千3百万円で前年同四半期比2億6千9百万円の増益(236.2%増)となりました。
今後も日本経済の緩やかな回復基調は継続すると見込んでおりますが、原油価格や為替の動向等による当社グループの業績への影響が不透明な状況であるため、引き続き市況を注視しながら対応してまいります。
(単位:百万円)
23年3月期
第2四半期
24年3月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
20,745
21,267
522
2.5%
営業利益又は営業損失(△)
△109
253
363
-
経常利益
147
499
351
239.2%
親会社株主に帰属する四半期純利益
113
383
269
236.2%
「売上高・営業利益の第2四半期業績推移」 (単位:百万円)
次にセグメント別に概況をご報告いたします。
当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当第2四半期の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。
詳細につきましては、「第4「経理の状況」1「四半期連結財務諸表」「注記事項」(セグメ
ント情報等)」をご参照ください。
第2四半期業績推移
セグメント売上高 (単位:百万円) セグメント利益又は損失(△)(単位:百万円)
(インキ事業)
オフセットインキおよび印刷用材料は、産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、行動制限解除に伴い各種イベント等が増加したことで、商業印刷において需要回復が見られました。そのような状況下、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が一定程度進捗したことにより、前年同四半期に比べ売上高は増加いたしました。また、売上高の増加に加え、前期末に実施した固定資産の減損処理に伴う減価償却費の減少等により、利益は改善いたしました。
グラビアインキは、新規顧客の開拓および製品販売価格改定が進捗したものの、物価高に伴う消費意欲低下の影響等により、売上高は前年同四半期並みになりました。また、環境に配慮した製品や高利益率製品である機能性インキが伸長したことで、利益は改善いたしました。
インクジェットインクは、欧米向け受託製品の需要が悪化していた前年同四半期に比べ若干の回復が見られたものの、建材用途等の自社製品が低調に推移したこと等により、売上高は前年同四半期並みになりました。また、販売構成差により、利益は減少いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、インキ事業の当第2四半期連結累計期間の業績は、前年同四半期に比べ増収となり、利益は損失を計上した前年同四半期から黒字転換いたしました。
今後のインキ事業につきまして、オフセットインキは、産業構造の変化に伴う市場縮小が今後も継続することが考えられますので、製品開発および重点顧客への販売活動を強化し、今後更なる事業構造改革に努めてまいります。グラビアインキは軟包装分野の需要が堅調に推移し、インクジェットインクは徐々に需要が回復し、中長期的には産業用途の需要が今後も拡大することが見込まれますので、製品開発および販売活動を強化してまいります。また、事業全体を通じて収益力向上に向けて製品ポートフォリオの再構築を進めてまいります。
(単位:百万円)
23年3月期
第2四半期
24年3月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
6,654
6,779
125
1.9%
セグメント利益又は損失(△)
△300
16
317
-
(化成品事業)
自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドは、半導体不足の緩和に伴う国内自動車生産台数増加の影響が継続したことにより、前年同四半期に比べ売上高は大きく増加いたしました。
包装材・容器用マスターバッチは、物価高に伴う消費意欲低下の影響および環境対応の影響等により、前年同四半期に比べ売上高は減少いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、化成品事業の当第2四半期連結累計期間の業績は、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が一定程度進捗したことにより、前年同四半期に比べ増収となりました。一方、タイ国連結子会社が好調であったものの、包装材・容器用マスターバッチの減収影響が大きく、減益となりました。
今後の化成品事業につきまして、自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドは、国内自動車生産回復の継続により需要が堅調に推移することが見込まれますので、製品開発および販売活動を強化してまいります。包装材・容器用マスターバッチは、環境対応の加速化による市場縮小の継続が考えられますが、環境に配慮した製品需要の高まりが期待できますので、対応した製品開発および販売活動を強化してまいります。また、事業全体を通じてサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
23年3月期
第2四半期
24年3月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
10,157
10,528
371
3.7%
セグメント利益
127
118
△8
△6.6%
(加工品事業)
ネトロン®(注)は、一部の軟包装用途が低調に推移したものの、工業材料である水処理用資材の輸出需要が引き続き堅調に推移した結果、売上高は前年同四半期並みになりました。一方、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が十分ではなく、利益は減少いたしました。
一軸延伸フィルムは、ダンボール用途が低調であったものの、食品包装用途が堅調に推移いたしました。また、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品価格改定が進捗したことにより、前年同四半期に比べ売上高は増加いたしましたが、利益は前年同四半期並みになりました。
土木資材は、昨年発生した豪雨災害の復興需要の影響等により、防災・減災用途に使用されるジオセル工法の採用が増加したことで、前年同四半期に比べ売上高および利益ともに増加いたしました。
農業資材は、燃油価格上昇の影響により保温資材等の高機能製品が好調でありましたが、国内農業における産業構造の変化に伴う市場縮小により汎用製品の需要が低迷した影響が大きく、前年同四半期に比べ売上高は減少いたしました。一方、高利益率製品の比率が向上したことにより、利益は前年同四半期並みになりました。
この結果、下記の表に記載のとおり、加工品事業の当第2四半期連結累計期間の業績は、前年同四半期に比べ増収となり、高利益率製品比率の向上等により増益となりました。
今後の加工品事業につきまして、ネトロン®の水処理用資材は、市場拡大の継続により需要の高まりが見込まれ、土木資材は、多発している豪雨等の災害に対応するため国が「国土強靭化計画」を推進していることから、防災・減災用途製品の需要の高まりが見込まれますので、生産能力、製品開発および販売活動を強化してまいります。包装資材や農業資材は、環境対応の加速化および産業構造の変化に伴う市場縮小の継続が考えられますが、環境に配慮した製品需要の高まりが期待できますので、対応した製品開発および販売活動を強化してまいります。
(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。
(単位:百万円)
23年3月期
第2四半期
24年3月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
3,894
3,915
20
0.5%
セグメント利益
176
238
61
35.0%
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当第2四半期連結累計期間の業績は、前年同四半期に比べ増収増益となりました。
(単位:百万円)
23年3月期
第2四半期
24年3月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
39
44
4
12.3%
セグメント利益
21
27
6
29.1%
(2)財政状態の分析
(単位:百万円)
区分
2023年3月期
2024年3月期
第2四半期
増減額
増減率
資産
47,797
50,104
2,307
4.8%
負債
20,531
22,047
1,515
7.4%
純資産
27,265
28,056
791
2.9%
当第2四半期連結会計期間末の総資産は501億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億7百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金の増加6億1百万円、受取手形の増加2千8百万円、電子記録債権の増加6億7千6百万円、売掛金の減少3千5百万円、棚卸資産の増加3億9千4百万円、有形固定資産の減少2千3百万円及び投資有価証券の時価上昇等に伴う増加5億7千万円等によるものです。
負債合計は220億4千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億1千5百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加11億9百万円、短期借入金の増加5億3千万円、1年内返済予定の長期借入金の減少1億8千1百万円、未払法人税等の増加8千3百万円、未払消費税等の増加6千3百万円および長期借入金の減少3億3千9百万円および繰延税金負債の増加3億1千万円等によるものです。
純資産の部は280億5千6百万円となり前連結会計年度末に比べ7億9千1百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加1億7千3百万円及びその他の包括利益累計額の増加6億1千2百万円等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
区分
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー
117
1,226
1,108
投資活動によるキャッシュ・フロー
△489
△440
49
フリー・キャッシュ・フロー
△372
785
1,158
財務活動によるキャッシュ・フロー
743
△238
△982
現金及び現金同等物の期首残高
3,622
3,374
△248
現金及び現金同等物の四半期末残高
4,227
3,974
△252
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は39億7千4百万円で、前連結会計年度末に比べ6億円の増加(17.8%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、12億2千6百万円の収入となりました(前年同四半期は、1億1千7百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前四半期純利益5億6千3百万円、減価償却費6億4千7百万円が計上され、売上債権の増加5億9千1百万円、仕入債務の増加11億3百万円、棚卸資産の増加3億8千2百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億4千万円の支出となりました(前年同四半期は、4億8千9百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出5億2百万円、無形固定資産の取得による支出1千3百万円、投資有価証券の売却による収入1億2千2百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億3千8百万円の支出となりました(前年同四半期は、7億4千3百万円の収入)。主な要因は、短期借入金の純増額5億3千万円、長期借入金の返済による支出6億4千万円、配当金の支払額2億9百万円等によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載しました「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載に重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5億9千7百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数の著しい増減はありません。
(9)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(10)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。