【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。このため、当事業年度における経営成績に関する説明におきまして、売上高につきましては、前期比増減率は記載しておりません。営業利益以下の各利益につきましては、影響が軽微であるため、当該会計基準等を適用する前の数値を用いて前期比増減率を記載しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度(2022年1月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のオミクロン変異株による第6波、第7波及び第8波は大きな感染拡大となりましたが、行動制限の段階的な緩和に伴い社会経済活動は正常化に向かいました。一方、世界経済がコロナ禍から回復に向かうなか、供給制約を背景に資源・エネルギー価格が高騰を続けました。さらに、ウクライナ問題の長期化の影響が加わり、各国は急激なインフレを抑えるために金融引き締め政策を進め、金利上昇による世界経済の景気後退が懸念される状況となっております。わが国経済におきましても、金融緩和政策の維持を背景として、日米の金利差拡大による急速な円安進行がインフレに拍車をかけ、急激な物価上昇に伴う景気の下振れが懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。体外診断用医薬品業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、新型コロナウイルスの遺伝子検査や抗原検査等の検査需要は急激に高まりましたが、一方では、インフルエンザウイルスをはじめとした既存の感染症は、新型コロナウイルス感染症に対する感染防御の効果の波及や受診控え等により、検査需要が減少するという影響を受けており、当事業年度におきましても、オミクロン変異株による感染拡大を繰り返すなど、依然としてその影響は続いております。オミクロン変異株は、それまでの変異株より感染力は高いものの重症化リスクは低下しているといわれており、このような変異株による感染再拡大に対応するため、正常な社会経済活動の維持を優先しながら感染拡大防止との両立を目指す試行錯誤が続きました。今後の感染症全般の検査需要の見通しにつきましては、今春予定されている新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類5類への移行により、新型コロナウイルス感染症と共生する社会へと大きくかじが切られることとなりますが、その共生する状況下において、過去3年程の間に免疫獲得の機会を十分に持てなかった既存の感染症全般(インフルエンザ等)はどのような影響を受けるのかなど、状況の推移を注視していく必要があります。
このようななか、当社は、新型コロナウイルス感染症の繰り返す感染拡大に伴い需要が急増した遺伝子検査キット及び抗原キットの増産に取り組み、安定供給に尽力いたしました。また、他方では、「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」を用いる新たな検査項目として、2022年1月にインフルエンザウイルス核酸キット「スマートジーン Flu A,B」、同年2月にクロストリジウム・ディフィシル核酸キット「スマートジーン CD トキシンB」、さらに、同年12月にヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出キット「スマートジーン H.pylori G」の発売を開始するなど、スマートジーンシリーズの検査項目の拡充にも注力いたしました。
このような環境下におきまして、当事業年度の売上高は、175億81百万円(前期は131億37百万円)となりました。当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントでありますが、市場分野別の売上高は、以下のとおりであります。
(単位:百万円、%)
市場分野の名称
2022年12月期
2021年12月期
対売上高構成比
対前期増減率
対売上高構成比
病院・開業医分野
17,236
98.0
-
12,723
96.8
OTC・その他分野
345
2.0
-
414
3.2
合計
17,581
100.0
-
13,137
100.0
病院・開業医分野におきましては、新型コロナウイルス感染症はオミクロン変異株による第6波、第7波、第8波と繰り返す感染拡大により、検査薬の高い需要が継続しました。この影響により、遺伝子検査キット「スマートジーン SARS-CoV-2」は、約215万テスト(第1四半期 55万テスト、第2四半期 45万テスト、第3四半期 69万テスト、第4四半期 46万テスト)を出荷しました。また、新型コロナウイルス抗原キット、新型コロナウイルス抗原・インフルエンザウイルス抗原同時検出キット及び新型コロナウイルス抗原キット(銀増幅イムノクロマト法)の需要も急増し(抗原キット合計 約448万テスト)、新型コロナウイルス検査薬全体の売上高は、151億79百万円(前期は97億94百万円)となりました。一方、インフルエンザ検査薬につきましては、新型コロナウイルス感染症の発生以来、インフルエンザの流行は極めて低い水準となっておりましたが、2022/2023シーズンにおいて3年ぶりに流行入りした影響により、インフルエンザ検査薬全体の売上高は、4億16百万円(前期は2億39百万円(返品分除く))となりました。その他感染症項目の検査薬につきましては、新型コロナウイルス感染症が長期化している状況のなか、感染症項目によって増減はあるものの、全体としては前期と同水準の売上高となりました。「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」につきましては、世界的な半導体不足の影響により出荷は断続的となり、当事業年度は約800台(前期は約3,200台)を出荷し、累計販売台数は約5,000台となりました。これらの結果、その他感染症項目の検査薬を含むその他の検査薬及び機器全体の売上高は、主に「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」の減収の影響により、16億40百万円(前期は26億89百万円)となりました。以上により、病院・開業医分野全体の売上高は、172億36百万円(前期は127億23百万円)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、OTC・その他分野全体の売上高は、3億45百万円(前期は4億14百万円)となりました。
利益面につきましては、新型コロナウイルス感染症のオミクロン変異株による感染再拡大を背景として、遺伝子検査キット及び抗原キットの需要拡大に伴い大幅な増収となり、営業利益は111億4百万円(前期比65.8%増)、経常利益は110億70百万円(前期比65.2%増)、当期純利益は78億38百万円(前期比62.7%増)となりました。
当事業年度末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ69億9百万円増加し、191億2百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加43億75百万円、売掛金の増加20億42百万円及び電子記録債権の増加3億39百万円があったことによるものであります。当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ6億55百万円増加し、48億19百万円となりました。これは主に、買掛金の増加1億71百万円、未払消費税等の増加1億32百万円及び電子記録債務の増加62百万円があったことによるものであります。当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ62億54百万円増加し、142億82百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加62億54百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ30億48百万円増加し、73億75百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動により増加した資金は、61億72百万円(前期は55億96百万円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払32億円及び売上債権の増加23億81百万円によるキャッシュ・フローの減少があったものの、税引前当期純利益110億70百万円、仕入債務の増加2億19百万円、減価償却費1億86百万円及び未払消費税等の増加1億32百万円によるキャッシュ・フローの増加があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動により減少した資金は、15億53百万円(前期は1億59百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の預入13億73百万円及び有形固定資産の取得1億78百万円によるキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動により減少した資金は、15億70百万円(前期は11億64百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払15億70百万円によるキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況については市場分野別に記載しております。
イ.生産実績当事業年度の生産実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。
市場分野の名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
病院・開業医分野
19,977,868
188.6
OTC・その他分野
338,135
87.0
合計
20,316,004
185.0
(注) 1.金額は販売価格によっております。2.当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、病院・開業医分野におきまして、主に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、遺伝子検査や抗原検査の検査需要が急激に高まるなか、設備投資などで生産体制を強化しつつ、新型コロナウイルス検査薬の安定供給に注力したため、生産実績が大幅に増加しております。
ロ.受注状況当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ハ.販売実績当事業年度の販売実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。
市場分野の名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
病院・開業医分野
17,236,030
―
OTC・その他分野
345,799
―
合計
17,581,830
―
(注) 1. 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しているため、前年同期比は記載しておりません。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前事業年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)
当事業年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
株式会社メディセオ
2,441,431
18.6
2,884,801
16.4
株式会社スズケン
1,803,888
13.7
2,421,177
13.8
東邦薬品株式会社
1,576,957
12.0
2,123,390
12.1
3.当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、病院・開業医分野におきまして、主に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、遺伝子検査や抗原検査の検査需要が急激に高まるなか、設備投資などで生産体制を強化しつつ、新型コロナウイルス検査薬の安定供給に注力したため、販売実績が大幅に増加しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.経営成績の分析「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。このため、販売促進費等の顧客に支払われる対価について、前事業年度は販売費及び一般管理費として販売促進費2億24百万円を計上しておりましたが、当事業年度は販売促進費として計上せず、売上高から4億30百万円を控除しております。また、返品されると見込まれる商品及び製品について、前事業年度はインフルエンザ検査薬に係る返品調整引当金繰入額2億51百万円を計上しておりましたが、当事業年度は売上高10百万円及び売上原価2百万円を計上しております。(売上高)売上高は、175億81百万円(前期は131億37百万円)となりました。上記の会計基準の適用による影響のほか、市場分野別の売上高の状況の認識及び分析等は以下のとおりであります。病院・開業医分野におきましては、新型コロナウイルス感染症はオミクロン変異株による第6波、第7波、第8波と繰り返す感染拡大により、検査薬の高い需要が継続しました。この影響により、遺伝子検査キット「スマートジーン SARS-CoV-2」は、約215万テスト(第1四半期 55万テスト、第2四半期 45万テスト、第3四半期 69万テスト、第4四半期 46万テスト)を出荷しました。また、新型コロナウイルス抗原キット、新型コロナウイルス抗原・インフルエンザウイルス抗原同時検出キット及び新型コロナウイルス抗原キット(銀増幅イムノクロマト法)の需要も急増し(抗原キット合計 約448万テスト)、新型コロナウイルス検査薬全体の売上高は、151億79百万円(前期は97億94百万円)となりました。一方、インフルエンザ検査薬につきましては、新型コロナウイルス感染症の発生以来、インフルエンザの流行は極めて低い水準となっておりましたが、2022/2023シーズンにおいて3年ぶりに流行入りした影響により、インフルエンザ検査薬全体の売上高は、4億16百万円(前期は2億39百万円(返品分除く))となりました。
その他感染症項目の検査薬につきましては、新型コロナウイルス感染症が長期化している状況のなか、感染症項目によって増減はあるものの、全体としては前期と同水準の売上高となりました。「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」につきましては、世界的な半導体不足の影響により出荷は断続的となり、当事業年度は約800台(前期は約3,200台)を出荷し、累計販売台数は約5,000台となりました。これらの結果、その他感染症項目の検査薬を含むその他の検査薬及び機器全体の売上高は、主に「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」の減収の影響により、16億40百万円(前期は26億89百万円)となりました。以上により、病院・開業医分野全体の売上高は、172億36百万円(前期は127億23百万円)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、OTC・その他分野全体の売上高は、3億45百万円(前期は4億14百万円)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)売上原価は、34億81百万円(前期は32億34百万円)、売上原価率は19.8%(前期は24.6%)となりました。これは主に、上記の会計基準の適用による影響のほか、前事業年度にインフルエンザ検査薬に係る棚卸資産廃棄損及び評価損の計上があったものの、当事業年度は前事業年度に比べ当該廃棄損及び評価損が低い水準に抑えられたこと、また、売上構成比が変化したことによるものであります。販売費及び一般管理費は、29億95百万円(前期は29億53百万円)となりました。これは主に、上記の会計基準の適用による影響のほか、人件費の増加、販売に係る支払手数料及び運賃並びに遺伝子POCTをはじめとした新製品に係る研究開発費の増加によるものであります。
(営業利益)営業利益は、前事業年度に比べ44億5百万円増加して111億4百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)営業外収益は、前事業年度に比べ11百万円増加して16百万円となりました。これは主に、受取利息及び配当金の増加によるものであります。営業外費用は、前事業年度に比べ47百万円増加して50百万円となりました。これは主に、外国為替相場の急激な変動のなか、当社が保有する外貨建資産を期末為替レートで評価替えしたことにより発生した為替差損によるものであります。
(経常利益)経常利益は、前事業年度に比べ43億70百万円増加して110億70円となりました。また、売上高経常利益率は63.0%となり、前事業年度に比べ12.0ポイント改善し、収益性が上昇しております。
(特別利益、特別損失)特別利益及び特別損失の計上はありませんでした。
(当期純利益)当期純利益は、前事業年度に比べ30億21百万円増加して78億38百万円となりました。
インフルエンザ検査薬は、過去7年(2013年~2019年)ほどにわたり、当社の売上高の約50%を占める主力製品でありましたが、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、インフルエンザの流行は世界的に著しく低い水準に抑えられ、2020年第1四半期よりインフルエンザ検査薬の売上高は大幅に減少しております。一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、遺伝子検査の需要が急激に高まるなか、2020年第3四半期より発売を開始した遺伝子検査キット「スマートジーン SARS-CoV-2」の売上高が急激に増加しております。また、これに続き発売を開始した抗原キットの売上高も加わり、新型コロナウイルス検査薬全体の売上高が大幅に増加しております。結果として、2020年以降はインフルエンザ検査薬への依存度が低下し、新型コロナウイルス検査薬への依存度が高まる状況となっております。新型コロナウイルス検査薬は、今後の感染拡大の動向や感染症法上の分類変更に伴う医療・検査体制の変化によって、本検査薬の需要や売上高は大きく左右される可能性があります。一方、足元では3年ぶりにインフルエンザが流行入りしており、今後につきましては、これらの事業環境の変化に伴い特定製品への依存度がさらに変化する可能性があります。当事業年度(第46期)の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益は、以下のとおりであります。
第46期(2022年12月期)の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益
(単位:百万円)
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
第46期
合計
売上高
4,188
3,125
5,967
4,300
17,581
内 新型コロナウイルス検査薬
3,684
2,730
5,383
3,381
15,179
内 インフルエンザ検査薬
107
30
78
198
416
営業利益
2,743
1,832
4,120
2,407
11,104
(ご参考) 直近2事業年度の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益又は営業損失
第45期(2021年12月期)
(単位:百万円)
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
第45期
合計
売上高
2,443
3,910
4,222
2,561
13,137
内 新型コロナウイルス検査薬
1,557
3,118
3,303
1,815
9,794
内 インフルエンザ検査薬(注)3
38
37
56
106
239
営業利益
877
2,246
2,544
1,029
6,698
第44期(2020年12月期)
(単位:百万円)
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
第44期
合計
売上高
1,052
610
828
1,714
4,205
内 新型コロナウイルス検査薬
―
―
249
1,020
1,270
内 インフルエンザ検査薬
420
165
30
134
750
営業利益又は営業損失(△)
△1
△127
△109
655
416
(注)1.新型コロナウイルス検査薬には、「スマートジーン SARS-CoV-2」、「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2」、富士フイルム株式会社向け機器試薬システムの試薬、「クイックチェイサー SARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)」及び「クイックチェイサー SARS-CoV-2」が含まれております。2.インフルエンザ検査薬には、「クイックチェイサー Flu A,B」、「クイックチェイサー Auto Flu A,B」、富士フイルム株式会社向け機器試薬システムの試薬及び「スマートジーン Flu A,B」が含まれております。3.返品分を除いた金額を記載しております。
ロ.財政状態の分析当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ69億9百万円増加し、191億2百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加43億75百万円、売掛金の増加20億42百万円及び電子記録債権の増加3億39百万円があったことによるものであります。当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ6億55百万円増加し、48億19百万円となりました。これは主に、買掛金の増加1億71百万円、未払消費税等の増加1億32百万円及び電子記録債務の増加62百万円があったことによるものであります。当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ62億54百万円増加し、142億82百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加62億54百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。当社の資金需要につきまして、運転資金として主なものは、原材料購入等の製造費用、商品の仕入のほか、研究開発費や人件費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金として主なものは、製造または研究開発のための設備の新設または更新であります。運転資金及び設備資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、手元資金、回収期間及びリスク等を勘案したうえで、必要に応じて金融機関からの短期借入または長期借入による調達を行う方針であります。また、機動的かつ安定的に資金の調達が行えるよう、取引銀行と当座貸越契約(総額16億円)を締結しており、緊急の資金需要や不測の事態にも備えております。株主の皆様への利益還元につきましては、当社は、業績に対応した配当を行うことを基本としつつ、配当性向、企業体質の一層の強化及び今後の事業展開に備えるための内部留保の充実などを総合的に勘案して決定する方針を採っております。この方針に基づき、配当性向30%を目標として配当を実施するよう努めております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や会社の状況・経営環境等に応じ、合理的だと想定される様々な仮定に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、将来の不確実性により、最善の見積りを行った結果としての見積られた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。