【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、政府の推進する積極的な経済対策や日銀による継続的な金融緩和政策を背景に、ウィズコロナの進展から正常化に向けた動きが続いたことに加え、水際対策の緩和や円安を追い風にインバウンド需要が回復傾向を示したことによって、景気は緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、足元では依然として原材料や資材、エネルギー価格の高騰が続き、物価上昇による実質所得の下押し圧力が強まるなど、停滞感の強い状況が継続いたしました。一方、世界経済を巡っては、ウクライナ情勢や米中対立の強硬化など、地政学的リスクへの警戒感が危惧される中、欧米で広がる金融不安への懸念に加え、中国では不動産市況が低迷を続けるなど、不確実な世界情勢に伴う国内外経済の下振れリスクが大きく膨らみ、景気の先行きに対する不透明感は、依然として払拭できない厳しい状況の下で推移いたしました。
当社の関連する住宅市場におきましては、低水準にある住宅ローン金利や住宅ローン減税の導入、省エネ住宅への補助金制度など、政府による各種住宅取得支援政策が下支えしたものの、新設住宅着工戸数の利用関係別においては、木造住宅での顕著な建設費用の上昇を主要因に、持家が減少傾向で推移いたしました。また建設業界における慢性的な人工不足に加え、世界的な資源価格の高騰を背景に建設資材・物流のコストは高止まりしており、さらにはコロナ禍で郊外に住宅を求める動きが一巡するなど、住宅業界を取り巻く環境は依然として厳しく、本格的な市場の回復には未だ至らない水準で推移いたしました。
このように、新型コロナウイルス感染症対策と社会的・経済的活動との両立が求められる中、当社はお客様を始めとする関係各位の健康と安全の確保及び事業活動の維持継続に向けて、各ショールームにおいては事前予約制での運用を継続、またWeb会議等のコミュニケーションツールを積極的に活用するなど、新型コロナウイルス感染症との共存を図りつつ、新たな提案商品の紹介とともにお客様との情報交換の場を設けることに注力して参りました。また今期を中間年度とする「第11次中期経営計画(第68期~第70期)」において掲げた「伝統を活かし、変革に挑む」とのスローガンの下、連綿と受け継いできた当社独自の事業スタイルの優位性を活かしながら、社員一人ひとりが自覚と責任を持って積極的に行動できる環境の整備と将来に向けた発想豊かな人材の育成に努めたことに加え、当社の情報発信基地としての性格を持つアトムCSタワーでは、コロナ禍の収束後に備えた事業展開を推進するとともに、金物のみならず広くインテリアに関わる商品を常設展示して準備を整えつつ、オンライン上での問い合わせには積極的に対応するなど、お客様との商談機会の創出に取り組んで参りました。併せて販売費及び一般管理費の圧縮、さらには原材料価格高騰への対応策として逐次、販売価格を改定するなど、調整かつ管理可能な諸施策を講じて、困難な市場環境に対応し得る営業体制とこれを支える管理体制の強化を図るべく、当面する各々の課題に取り組んで参りました結果、当第3四半期累計期間の業績は売上高7,883百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益331百万円(前年同期比34.8%減)、経常利益360百万円(前年同期比31.5%減)、四半期純利益304百万円(前年同期比15.0%減)となりました。
②財政状態の状況
当第3四半期会計期間末の資産総額は13,055百万円となり、前事業年度末に比べ166百万円の増加となりました。主な内容は、現金及び預金が790百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が109百万円、電子記録債権が79百万円、有価証券(譲渡性預金)が400百万円、投資有価証券が304百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債につきましては3,068百万円となり、前事業年度末に比べ8百万円の減少となりました。主な内容は、電子記録債務が164百万円増加しましたが、役員退職慰労引当金が189百万円減少したこと等によるものです。
純資産につきましては9,987百万円となり、前事業年度末に比べ175百万円の増加となりました。主な内容は、配当金支払で131百万円減少しましたが、当第3四半期累計期間における四半期純利益で304百万円増加したこと等によるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発費の総額は69百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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