【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
<市場環境等>当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は一進一退の動きとなりました。鉱工業生産は7~8月に前四半期から悪化した一方、第3次産業活動指数は持ち直しの動きが継続しました。また、価格転嫁の進展などにより、大企業の製造業及び非製造業の業況判断は改善が続きました。消費者物価指数(生鮮食品・エネルギー除く)の上昇率は継続して4%を上回ったものの、年初から続いてきた伸び率の拡大は一服しました。こうした環境のなか、4月に28,000円台で始まった日経平均株価は、5月中旬に3万円台に回復して以降も堅調に推移しました。米国債の格下げを受けて米長期金利が上昇したことに加え、中国不動産企業の経営危機が拡大したことなどから一時軟調な動きを見せたものの、米国の過度な金融引締めに対する懸念後退や国内で内閣改造後に衆院解散・総選挙観測が浮上したことから9月中旬には33,500円台まで上昇しました。その後は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融引締めの長期化が示唆されたことを嫌気し、日経平均株価は31,857円62銭で9月の取引を終えました。債券市場では、7月の日銀金融政策決定会合で長期金利の変動幅を±0.5%から±1.0%に拡大する決定を受けて、長期金利は0.5%を上回りました。その後も金利上昇が続き、長期金利は2013年9月以来となる0.759%で取引を終えました。一方、為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀の金融緩和スタンスの違いから、円安ドル高基調で推移しました。7月には米FRBの利上げ停止期待の高まりを受けて、一時1ドル=138円台まで円高が進みましたが、その後は堅調な米国経済を受けて米FRBの利上げ観測が強まったことや、日銀の積極的な金融緩和スタンスに変化が見られないことから、日米金利差は拡大して円安ドル高が進行し、1ドル=149円台で取引を終えました。このような状況のもと、当社グループでは、創業100周年を迎えた当年度から始動した5ヵ年の新たな中期経営計画に基づき、持続的な成長を実現するための経営基盤の確立に取り組みました。当第2四半期連結累計期間においては、中核子会社の岡三証券株式会社において、創業100周年を記念した大規模のセミナーやお客さま向けキャンペーン等を実施したほか、成長戦略の一つとしてOne to One マーケティングを強化するなか、相続トータルサポートサービスを導入するなどソリューション営業の推進を継続しました。
当第2四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<経営成績等>
1) 財政状態(資産)当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,103億2百万円増加し9,863億60百万円となりました。これは主に、有価証券担保貸付金が718億37百万円、信用取引資産が258億96百万円、約定見返勘定が164億71百万円増加したことによるものであります。
(負債)負債は、前連結会計年度末に比べ976億8百万円増加し7,880億27百万円となりました。これは主に、トレーディング商品が838億83百万円、預り金が258億24百万円、有価証券担保借入金が232億32百万円増加した一方で、約定見返勘定が243億14百万円、短期借入金が164億1百万円減少したことによるものであります。
(純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ126億94百万円増加し1,983億32百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が68億98百万円、利益剰余金が38億93百万円増加したことによるものであります。
2) 経営成績当第2四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は412億6百万円(前年同期比22.8%増)、純営業収益は402億28百万円(同22.5%増)となりました。販売費・一般管理費は328億89百万円(同2.6%減)となり、経常利益は85億21百万円(前年同期は2億16百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は79億96百万円(前年同期の252.4倍)となりました。
受入手数料受入手数料の合計は251億17百万円(前年同期比14.7%増)となりました。主な内訳は次のとおりです。
前第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至 2022年9月30日)(百万円)
当第2四半期連結累計期間(自 2023年4月1日至 2023年9月30日)(百万円)
委託手数料
7,697
11,470
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
206
849
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
6,219
8,095
その他の受入手数料
7,782
4,702
合計
21,905
25,117
委託手数料当第2四半期連結累計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は19億78百万株(前年同期比18.3% 増)、売買代金は4兆2,205億円(同23.4%増)となりました。こうしたなか、中核子会社である岡三証券株式会社においては、堅調な株式市況を背景に国内株式、外国株式ともに委託売買代金が前年同期比で増加しました。これらの結果、株式委託手数料は111億80百万円(同51.2%増)となりました。また、その他の委託手数料は2億90百万円(同4.7%減)となり、委託手数料の合計は114億70百万円(同49.0%増)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料当第2四半期連結累計期間における株式の引受けは、新規株式公開市場の回復に加えて、主幹事案件の引受け等により、引受金額が前年同期比で大きく増加しました。また債券の引受けも、地方債や事業債の主幹事獲得や、個人向け社債の大口の引受け等により、引受金額が増加しました。 これらの結果、株式の手数料は2億69百万円(前年同期比246.7%増)、債券の手数料は5億79百万円(同350.9%増)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は8億49百万円(同311.6%増)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。当第2四半期連結累計期間における公募投資信託の販売額は、成長が期待されるインド、新興国企業の株式に投資するファンドや高い配当利回りに着目した日本株式ファンドを中心に増加したほか、新規に導入した世界の半導体関連企業に投資するファンドの販売も堅調となりました。 これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は80億95百万円(前年同期比30.1%増)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により47億2百万円(同39.6%減)となりました。
トレーディング損益
前第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至 2022年9月30日)(百万円)
当第2四半期連結累計期間(自 2023年4月1日至 2023年9月30日)(百万円)
株券等トレーディング損益
5,888
10,513
債券等トレーディング損益
4,421
3,406
その他のトレーディング損益
△211
△306
合計
10,098
13,613
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引等によるものであり、また債券等トレーディング損益は国内外債券の顧客向け取扱いやポジション管理等に伴うものであります。当第2四半期連結累計期間においては、外国株式は総じて堅調な市況により、主に個人のお客さまにおける国内店頭取引の売買が前年同期比で増加しました。債券においては、外国債券の販売が個人向けを中心に減少しました。 これらの結果、株券等トレーディング損益は105億13百万円(前年同期比78.5%増)、債券等トレーディング損益は34億6百万円(同23.0%減)となり、その他のトレーディング損益3億6百万円の損失(前年同期は2億11百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は136億13百万円(前年同期比34.8%増)となりました。
金融収支金融収益は16億73百万円(前年同期比54.6%増)、金融費用は9億78百万円(同35.7%増)となり、差引の金融収支は6億95百万円(同92.2%増)となりました。
その他の営業収益金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、8億1百万円(前年同期比69.1%増)となりました。
販売費・一般管理費販売費・一般管理費は、取引関係費や不動産関係費の減少等により、328億89百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
営業外損益及び特別損益営業外収益は12億44百万円、営業外費用は62百万円となりました。また、特別利益は投資有価証券売却益の計上等により17億12百万円、特別損失は1億10百万円となりました。
なお、当社グループは、従来「証券ビジネス」「アセットマネジメントビジネス」及び「サポートビジネス」の3つの報告セグメントに区分しておりましたが、第1四半期連結会計期間より「投資・金融サービス業」の単一セグメントに変更しております。これにより、セグメントごとの経営成績については記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末に比べ66億95百万円減少し、当第2四半期連結累計期間末には773億42百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、142億34百万円(前年同期は87億45百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、トレーディング商品の増減503億75百万円、預り金の増減255億72百万円、税金等調整前四半期純利益101億23百万円による資金の獲得と、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減486億4百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減242億44百万円、顧客分別金信託の増減78億10百万円による資金の使用との差引によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、21億42百万円(前年同期は31億18百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入20億64百万円、有価証券の売却による収入10億円による資金の獲得と、無形固定資産の取得による支出8億46百万円による資金の使用との差引によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、237億31百万円(前年同期は171億8百万円の資金の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純増減179億53百万円、配当金の支払41億2百万円、長期借入金の返済による支出12億94百万円による資金の使用によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第2四半期連結累計期間において、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動該当事項はありません。
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