【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、資源価格上昇の影響を受けつつも、新型コロナウイルス感染症による行動制限からの経済正常化が進む中での回復の動きとなりました。海外経済は、金融引き締めや感染拡大などを背景に減速の動きが見られました。このようななか、輸出や鉱工業生産は、海外需要の減速などにより持ち直しに足踏みがみられました。一方、設備投資は堅調な企業収益等を背景に底堅い動きが見られたほか、個人消費も行動制限の緩和に伴い回復基調を維持しました。また、エネルギーや食品など幅広い品目の価格上昇により、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)の前年同月比が1981年以来の3.7%まで上昇しました。株式市場においては、中国の都市封鎖による先行き不透明感や、欧米中銀の性急な金融引き締めを嫌気した場面が見られたものの、中国の外出制限緩和や景気刺激策の発表、国内での入国者に対する水際対策緩和などを好感し、日経平均株価は7月末まで25,000~28,000円台のレンジで推移しました。8月には、堅調な日米企業決算や、一時的に和らいだ米インフレ懸念などを受けて約7ヵ月半ぶりとなる29,000円台を回復しましたが、米連邦準備制度理事会(FRB)の長期的な金融引き締め姿勢や資源価格の高騰による欧州の景気後退懸念を受け、10月初旬に再び25,000円台まで下落しました。その後は、米国のインフレ鈍化を背景に金融引き締めが減速するとの期待などから11月下旬にかけて上昇しましたが、グローバル景気の悪化や日銀による金融緩和策の修正などを嫌気し、年末に向けて上げ幅が縮小し、26,094円50銭で年内の取引を終えました。為替市場では、日銀の金融緩和姿勢の維持による内外金利差の拡大から円売り圧力が強まり、10月にドル円相場は1990年以来となる1ドル=150円台まで円安ドル高が進行しました。その後、米国においてインフレ率の頭打ちの兆しがみられたことや、FRBの利上げペース鈍化観測が浮上したことから、ドル円相場は反転しました。また、日銀が12月にイールドカーブ・コントロールの見直しを決定し、内外金利差が縮小したことを受け、1ドル=130円台前半の水準で年内の取引を終えました。このような状況のもと当社グループでは中期経営計画の基本方針に基づき、さまざまな施策を推進しました。効率的かつ機動的なグループ運営を行うことを目的として子会社6社を完全子会社化したほか、グループの枠を超えた成長戦略として資産運用ビジネスの基盤拡大を図るため、SBIグループとの間で岡三アセットマネジメント株式会社を合弁会社化しました。また、中核子会社の岡三証券株式会社では、引き続きCX(お客さま体験価値)向上に取り組み、お客さまとの接点拡充のための店舗戦略として首都圏で新たにサテライトプレイスを開設したほか、岡三オンライン証券カンパニーにおいて丸三証券からのインターネット取引口座「マルサントレード」の事業を譲り受け、営業基盤の強化を図りました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は494億44百万円(前年同期比12.7%減)、純営業収益は483億67百万円(同13.3%減)となりました。販売費・一般管理費は503億16百万円(同0.8%減)となり、経常損失は7億5百万円(前年同期は62億27百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は24億98百万円(前年同期比36.8%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態(資産)当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ865億45百万円減少し7,300億22百万円となりました。これは主に、信用取引資産が198億81百万円増加した一方で、有価証券担保貸付金が472億27百万円、トレーディング商品が463億50百万円、現金・預金が181億59百万円減少したことによるものであります。
(負債)負債は、前連結会計年度末に比べ850億27百万円減少し5,416億79百万円となりました。これは主に、約定見返勘定が209億61百万円、預り金が166億70百万円増加した一方で、トレーディング商品が573億57百万円、有価証券担保借入金が374億10百万円、短期借入金が265億84百万円減少したことによるものであります。
(純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ15億17百万円減少し1,883億42百万円となりました。これは主に、資本剰余金が134億24百万円、その他有価証券評価差額金が13億49百万円増加したものの、非支配株主持分が95億87百万円、自己株式が63億57百万円減少(純資産は増加)したことによるものであります。
2) 経営成績当第3四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は494億44百万円(前年同期比12.7%減)、純営業収益は483億67百万円(同13.3%減)となりました。販売費・一般管理費は503億16百万円(同0.8%減)となり、経常損失は7億5百万円(前年同期は62億27百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は24億98百万円(前年同期比36.8%減)となりました。
受入手数料受入手数料の合計は323億17百万円(前年同期比8.2%減)となりました。主な内訳は次のとおりです。
前第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日至 2021年12月31日)(百万円)
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至 2022年12月31日)(百万円)
委託手数料
14,721
11,840
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
749
441
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
8,098
8,591
その他の受入手数料
11,644
11,443
合計
35,214
32,317
委託手数料当第3四半期連結累計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は17億19百万株(前年同期比3.3% 増)、売買代金は3兆4,992億円(同5.8%増)となりましたが、国内外の市況が不安定ななか、個人のお客さまにおける国内外株式の売買が減少しました。これらの結果、株式委託手数料は113億60百万円(同20.6%減)となりました。また、債券委託手数料は0百万円(同27.8%減)、その他の委託手数料は4億79百万円(同16.5%増)となり、委託手数料の合計は118億40百万円(同19.6%減)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料当第3四半期連結累計期間における株式の引受けは、市場全体の募集売出額が前年同期比で減少した影響から、当社の引受金額も減少しました。また、債券の引受けは、地方債や事業債、財投機関債等の主幹事を務めたものの、起債環境の悪化により発行額が減少した影響を受け、引受金額も減少しました。これらの結果、株式の手数料は2億12百万円(前年同期比52.7%減)、債券の手数料は2億29百万円(同23.8%減)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は4億41百万円(同41.1%減)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。当第3四半期連結累計期間においては、公募投資信託の販売額が前年同期比で増加しました。医療関連株式に投資するファンドや高い利回りに着目したファンド、新興国に投資するファンドなどの販売が堅調でした。これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は85億91百万円(前年同期比6.1%増)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により114億43百万円(同1.7%減)となりました。
トレーディング損益
前第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日至 2021年12月31日)(百万円)
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至 2022年12月31日)(百万円)
株券等トレーディング損益
12,298
8,914
債券等トレーディング損益
6,844
6,078
その他のトレーディング損益
△107
△224
合計
19,035
14,768
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。当第3四半期連結累計期間においては、外国株式は不安定な米国株式市況等を背景に国内店頭取引の売買が前年同期比で減少しました。また、法人向けの外国債券販売が増加した一方で、金利変動に伴う影響等により国内債券に係る損益は悪化しました。これらの結果、株券等トレーディング損益は89億14百万円(前年同期比27.5%減)、債券等トレーディング損益は60億78百万円(同11.2%減)となり、その他のトレーディング損益2億24百万円の損失(前年同期は1億7百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は147億68百万円(前年同期比22.4%減)となりました。
金融収支金融収益は16億60百万円(前年同期比1.6%増)、金融費用は10億77百万円(同26.0%増)となり、差引の金融収支は5億82百万円(同25.2%減)となりました。
その他の営業収益金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、6億98百万円(前年同期比4.9%減)となりました。
販売費・一般管理費販売費・一般管理費は、減価償却費や人件費の減少等により、503億16百万円(前年同期比0.8%減)となりました。
営業外損益及び特別損益営業外収益は受取配当金の計上等により14億9百万円、営業外費用は1億65百万円となりました。また、特別利益は持分変動利益の計上等により30億63百万円、特別損失は80百万円となりました。
b.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容証券ビジネス証券ビジネスにおいては、国内外株式に係るトレーディング損益や委託手数料が減少したことにより、当第3四半期連結累計期間における証券ビジネスの営業収益は443億50百万円(前年同期比13.7%減)、セグメント損失は20億91百万円(前年同期は53億19百万円の利益)となりました。
アセットマネジメントビジネスアセットマネジメントビジネスにおいては、運用資産平均残高の減少により、当第3四半期連結累計期間におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は70億54百万円(前年同期比2.2%減)、セグメント利益は98百万円(同68.8%減)となりました。
サポートビジネス当第3四半期連結累計期間におけるサポートビジネスの営業収益は106億23百万円(前年同期比6.6%増)、セグメント利益は11億82百万円(同354.8%増)となりました。
なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第3四半期連結累計期間において、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。
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