【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2023年4月~2023年6月)におけるわが国経済は、ウィズコロナの生活様式が浸透するなか、外食や旅行といったサービス消費を中心に個人消費が持ち直し、また、堅調な企業業績を背景とした設備投資の増加や円安の追い風によるインバウンド消費の回復などにより、国内景気は緩やかな回復基調が見られました。しかしながらロシア・ウクライナ情勢の長期化、エネルギー価格や原材料価格の高止まり、さらには欧米の経済減速による下振れリスクの懸念など、見通しは依然として不透明な状況にあります。 当社グループの関連する建築業界におきましては、新設住宅着工戸数が建売住宅や分譲マンションなどで底堅い動きとなっている一方、民間非住居建築物においては倉庫、工場、店舗などが前年同期比で減少していることから、全体的な建設需要はやや低調な動きを示しています。 こうした経営環境の中で当社グループは、2022年度からスタートした中期3ヵ年経営計画の2年目を迎え、人の成長への投資、資本効率の向上などによる経営基盤の強化や新たな市場の創出と新製品開発、設計指定活動の強化とIT化の推進による販売戦略の高度化など、基本経営戦略を更に推し進め、グループでの計画達成を目指し邁進してまいりました。 以上の結果、当第1四半期連結累計期間における経営成績は、全体の売上高は6,217百万円(前年同期比20.5%増)となり、利益面におきましては、営業利益270百万円(前年同期営業損失48百万円)、経常利益333百万円(前年同期比1,981.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益176百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純損失41百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。①
三洋工業主力製品群である軽量壁天井下地につきましては、ビルや商業施設用の製品や地震対策用天井の受注量が伸び悩んだものの、戸建住宅用製品において受注量が好調に推移したことから、軽量壁天井下地全体の売上高は増加となりました。また、床システムにつきましては、マンションなど集合住宅用の遮音二重床製品が低調であったものの、主力製品である学校体育館などスポーツ施設用の鋼製床下地材製品やスチール製OAフロア、リサイクル素材を原料としたデッキ製品が伸長したことから、床システム全体の売上高は増加となりました。アルミ建材につきましては、アルミ笠木や手摺などの受注量が伸長しましたが、主力製品であるエキスパンションジョイント・カバーやルーバー等が低調だったことなどから、アルミ建材全体の売上高はやや減少となりました。この結果、売上高は4,969百万円(前年同期比11.3%増)、セグメント利益201百万円(前年同期比399.3%増)となりました。②
システム子会社当社の子会社であるシステム会社(株式会社三洋工業九州システムほか)におきましては、主力取扱い製品である鋼製床下地材製品やデッキフロアシステムの受注量が好調に推移したことなどから、システム会社全体の売上高は1,511百万円(前年同期比90.1%増)、セグメント利益は45百万円(前年同期セグメント損失109百万円)となりました。③
その他 その他につきましては、売上高156百万円(前年同期比14.9%増)、セグメント損失1百万円(前年同期セグメント損失13百万円)となりました。
財政状態の状況については、次のとおりであります。当第1四半期連結会計期間末の資産は、主に商品及び製品が増加した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ1,055百万円減少し、27,623百万円となりました。負債は、主に支払手形及び買掛金、電子記録債務、未払法人税等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ1,127百万円減少し、9,111百万円となりました。 純資産は、配当金の支出があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したこと等により前連結会計年度末に比べ71百万円増加し、純資産合計は18,512百万円となりました。この結果、自己資本比率は67.0%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は37百万円であります。