【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、不安定な世界情勢の中でも米国は堅調な景気を維持し、金融の引き締めが長期化している一方で、欧州ではエネルギー供給への懸念や物価高などにより景気は足踏みしております。一方、わが国経済は、行動制約の解消が進み、個人消費は行楽需要が回復へ向かっており、インバウンド需要が増加したことで景況感が改善しております。企業活動においては、半導体の供給不足が解消され製造業を中心に生産が回復軌道にありますが、資源高や円安による物価の上昇圧力と人手不足の深刻化への懸念が、経済の先行きを不透明なものにしております。
このような状況の下、当社グループは生産性の維持・向上、顧客への訪問やオンライン会議を活用し、国内住宅関連市場の占有率拡大や非住宅関連市場の開拓などを目指し、戦略的な製品開発、生産、営業活動を展開いたしましたが、今年に入り各社の在庫調整等により受注が低迷した影響などにより、前年同期を下回る結果となりました。国内における売上は、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに前年同期から減少しました。また、海外での売上は、米国向けは増加しましたがアジア向けを中心に減少し、当第2四半期連結累計期間の売上高は101億3千5百万円(前年同期比6.6%減)となりました。
利益面につきましては、中国およびベトナムでの売上原価率が上昇したことなどから、営業利益は6億6千1百万円(前年同期比33.0%減)、営業外収益として為替差益3億8千9百万円を計上したことから、経常利益は10億2千7百万円(前年同期比24.3%減)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億6千4百万円(前年同期比24.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 日本
国内向けでは、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに減少し、海外向けでは自動車関連刃物および木工関連刃物が減少したことから、売上高は75億4千万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は2億4千1百万円(前年同期比66.5%減)となりました。
② インドネシア
木工関連刃物および製紙関連刃物が減少したことから、売上高は18億5千3百万円(前年同期比15.1%減)、営業利益は7千3百万円(前年同期比67.5%減)となりました。
③ 米国
鋼管関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、売上高は12億2千9百万円(前年同期比32.2%増)、営業利益は1億7百万円(前年同期比52.5%増)となりました。
④ 欧州
鋼管関連刃物が減少したことから、売上高は11億9千9百万円(前年同期比6.5%減)、展示会への出展費用がかさみ営業利益は70万円(前年同期比99.3%減)となりました。
⑤ 中国
中国国内における経営環境の悪化により、売上高は8億4百万円(前年同期比16.2%減)、営業損失は1億3千5百万円(前年同期は4千5百万円の営業損失)となりました。
⑥ ブラジル
鋼管関連刃物が減少したことから外貨建てでは減少しましたが円換算では微増となり、売上高は3億8千4百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益は5千1百万円(前年同期比17.7%減)となりました。
⑦ ベトナム
自動車関連刃物および鋼管関連刃物などが減少したことから、売上高は4億2千2百万円(前年同期比18.8%減)、営業損失は1千7百万円(前年同期は8千2百万円の営業利益)となりました。
なお、セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当第2四半期末における流動資産は191億4千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億4千8百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が11億6千万円減少したものの、原材料及び貯蔵品が8億8千2百万円増加し、商品及び製品が4億4千7百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は158億5千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億8千2百万円増加いたしました。これは有形固定資産が前連結会計年度末に比べ6億2千1百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は349億9千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億3千万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期末における流動負債は44億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億1千1百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が1億6千5百万円増加したものの、流動負債その他が4億7千9百万円減少したことなどによるものであります。固定負債は20億6千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億9百万円増加いたしました。これは主に固定負債その他が1億3千1百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、負債合計は64億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ1百万円減少いたしました。
(純資産)
当第2四半期末における純資産合計は285億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億3千2百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が7億1千6百万円増加し、利益剰余金が3億7千9百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は81.5%(前連結会計年度末は80.9%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億6千万円減少し、当第2四半期末には56億7千4百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1億2千5百万円(前年同期は17億5千1百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益10億2千7百万円、減価償却費8億4千2百万円であります。支出の主な内訳は、棚卸資産の増加11億円、その他5億2百万円、法人税等の支払額3億1千3百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は10億4千万円(前年同期比30.6%増)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出10億2千7百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億2千7百万円(前年同期比15.2%減)となりました。これは、主として配当金の支払額2億8千4百万円であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は1億3千1百万円でありました。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。