【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、雇用情勢や企業の設備投資等に改善が見られる中、長引くインフレ傾向等のマイナス要因もあり、景気回復の基調はより一層緩やかなものとなりました。新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが5類へ移行されたことにより、海外渡航に対する規制がほぼ撤廃される等、社会を取り巻く環境が通常へと戻りつつある中、ポストコロナへの対応を模索してゆく時期へ本格的に突入したと考えられます。
このような経営環境のもと、当社グループは、2023年2月に公表した「新中期経営計画(2023-2025年)」において定めた長期ビジョンの実現に向け取り組みを始めました。新市場の創造に挑戦できる「変化対応型企業」、地域特性への対応など「多様性を感受できる企業」、防除及び栽培技術やバイオスティミュラント分野で「農業の未来に貢献する企業」という、グループ全体で共有している「ありたい姿」を目指して一丸となり邁進しております。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は163億64百万円(前年同四半期比9億95百万円増加、同6.5%増)、営業利益は32億53百万円(前年同四半期比2億96百万円増加、同10.0%増)、経常利益は33億99百万円(前年同四半期比2億90百万円増加、同9.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億75百万円(前年同四半期比1億72百万円増加、同8.2%増)となりました。
なお、当社グループの第1四半期及び第2四半期連結会計期間の経営成績は、国内農薬事業を中心に需要盛期に備えた出荷が集中するため、売上高及び営業利益等が他の四半期会計期間と比較して多額となる傾向にあります。
当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントでありますが、各分野別の経営成績につきましては以下のとおりであります。
農薬分野において、国内市場では、主力製品である殺虫剤「オリオン」「オンコル」、殺菌剤「ショウチノスケ」が好調を維持しております。また、当社が注力しているグリーンプロダクツの殺虫剤「トアロー」「トモノール」なども堅調に推移しました。一方、海外市場においては殺ダニ剤「ダニサラバ」が引き続き順調に推移し、また、グリーンプロダクツの殺ダニ剤「アカリタッチ」も大幅に伸長しました。それらの結果、農薬分野の売上高は76億78百万円(前年同四半期比1億75百万円増加、同2.3%増)となりました。
肥料・バイオスティミュラント分野において、国内市場では、光合成を促進し成長を促すバイオスティミュラント剤「ポテトール」や、スペインの関連会社LIDA Plant Research, S.L.の製品である「リダバイタル」「アルガミックス」「フルボディ」などが売上を伸ばしました。海外市場では「アトニック」が好調を維持し、中南米やアジア地域への展開も進んでまいりました。さらに、切り花鮮度保持剤などPost-Harvest製品に強みを持つオランダのBlue Wave Holding B.V.も堅調に売上高を伸ばしており、スペインのLIDA Plant Research, S.L.においては中南米を中心に好業績を維持しております。それらの結果、肥料・バイオスティミュラント分野等の売上高は86億86百万円(前年同四半期比8億20百万円増加、同10.4%増)となりました。
② 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は380億1百万円で、前連結会計年度末に比べ69億92百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加13億87百万円、受取手形の増加5億59百万円及び売掛金の増加26億43百万円、原材料及び貯蔵品の増加2億91百万円、仕掛品の増加13億72百万円、為替換算の影響によるのれんの増加3億25百万円によるものであります。
負債につきましては226億40百万円で、前連結会計年度末に比べ35億80百万円の増加となりました。これは主に短期借入金の増加34億99百万円、支払手形及び買掛金の増加12億72百万円、未払法人税等の増加3億91百万円、長期借入金の減少20億76百万円によるものであります。
純資産は153億61百万円で、前連結会計年度末に比べ34億11百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上22億75百万円、剰余金の配当4億75百万円、為替換算調整勘定の増加14億18百万円によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は47億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億58百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、6億76百万円の収入(前年同四半期は3百万円の支出)となりました。主な収入要因は税金等調整前四半期純利益33億99百万円、減価償却費4億56百万円、のれん償却費3億27百万円、仕入債務の増加11億32百万円等によるものであります。また、主な支出要因は売上債権の増加28億70百万円、棚卸資産の増加9億15百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億26百万円の支出(前年同四半期は2億62百万円の支出)となりました。主な支出要因は有形固定資産の取得による支出1億97百万円、無形固定資産の取得による支出34百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、6億42百万円の収入(前年同四半期は3億34百万円の収入)となりました。主な収入要因は短期借入金の増加18億80百万円によるものであります。また、主な支出要因は長期借入金の返済による支出6億69百万円、配当金の支払額4億74百万円、リース債務の返済による支出83百万円等によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9億66百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。