【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症はもとより、ウクライナ危機に起因した資源高、米国を中心にインフレ抑制を目的とした継続的利上げによる円安に伴う物価高等、先行きに不透明感を残す形で終えました。
当社が属するメモリアル市場は、高齢者が増加傾向にあるにもかかわらず、お墓事業における埋葬の選択肢の多様化に伴い、高価格となる旧来の墓地墓石の購入層は年々減少しており、施工単価は下落傾向にあります。
一方、首都圏に永住する消費者が所有する故郷のお墓を引っ越しする需要は、緩やかに増加しております。
当社は、こうした流れに対応すべく、消費者ニーズに寄り添った様々なお墓の形態を兼ね備えた霊園を改造、増設すると共に、供養の全てを網羅し価格においてもご満足いただける納骨堂(堂内陵墓)の販売拡大に取り組んでおります。
また、葬祭事業においては、超高齢化を背景に葬儀の簡素化が顕著となる中、インターネット媒体を中心とした同業者間の価格競争により、施行単価が下落するという厳しい環境下にあります。
それに加え、コロナ禍に伴う価値観の変化等により、通夜式を自粛し告別式のみを執り行う密葬や直葬を選択するご葬家が依然あることから、魅力的な葬儀プランの開発、葬儀専門のポータルサイトとの連携等を通じ受注件数の増大に努めております。
しかしながら、記録的な円安や物価高等の影響による売上原価高騰の対応に時間を要した結果、売上高は前年同四半期に比べ増加したものの、利益は改善途上の形で終えました。
この結果、当第2四半期累計期間の経営成績は、売上高14億8千5百万円(前年同四半期比5.5%増)、営業損失8百万円(前年同四半期は営業利益7千4百万円)、経常損失5千6百万円(前年同四半期は経常利益1千2百万円)、四半期純損失5千9百万円(前年同四半期は四半期純利益0百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①お墓事業
a.屋外墓地
屋外墓地につきましては、高齢者の増加により成約件数は増加傾向にあるものの、埋葬に対する価値観の変化や選択肢の多様化に伴い、高価格となる旧来の墓地墓石の購入層は年々減少しております。
それに対し、樹木葬や共有墓等の需要は急激に増加しており、施工単価の下落がより顕著化している状況を踏まえ、募集販売を受託している既存霊園の改造や増設等、販売戦略の見直しを適宜行っております。
売上高は、5億9千9百万円(前年同四半期比5.4%増)となりました。
b.納骨堂
納骨堂につきましては、現在、第六号「赤坂一ツ木陵苑(東京都港区)」並びに第七号「大須陵苑(名古屋市中区)」の募集代行を行っております。
コロナ禍による外出自粛の影響や埋葬の選択肢の多様化等を踏まえ、広告戦略の抜本的な見直しや徹底した感染防止対策等に努めております。
また、2022年4月より赤坂一ツ木陵苑において、DX戦略の一環として、デジタルサイネージ機能「家系樹」を追加しました。
「家系樹」という家系図作成、タッチパネルによる閲覧機能を兼ね備えた新たなサービスは、今後の収益に寄与するものと確信をもって提供しております。
売上高は、1億2千9百万円(前年同四半期比25.1%増)となりました。
②葬祭事業
葬祭事業につきましては、死亡者数が年々増加傾向にある中、春夏秋冬に発行する会報の配布やコロナ禍を踏まえ少人数に限定した終活セミナーの開催等、潜在顧客を受注に繋げる施策を継続して行っております。
当社は、さくら・あおい倶楽部会員に対して葬儀等を会員価格で提供するだけでなく、終活や葬儀後の諸手続きを総合的にサポートするコンサルティング企業として発展することを目指しております。
また、魅力的な葬儀プランの開発、葬儀専門のポータルサイト等と連携した潜在顧客以外の受注拡大を図り、当社収益の核となるよう注力しております。
売上高は、7億5千6百万円(前年同四半期比2.9%増)となりました。
b.財政状態の状況
当第2四半期会計期間末における財政状態の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(資産)
当第2四半期会計期間末における流動資産は、前事業年度末に比べ、7億8千3百万円減少し、10億5千9百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金7億4千4百万円の減少等によるものであります。
当第2四半期会計期間末における固定資産は、前事業年度末に比べ、5百万円減少し、75億9千1百万円となりました。その主な要因は、差入保証金1億3千5百万円の増加、保険積立金4千3百万円、霊園開発協力金3千8百万円及び建物(純額)3千2百万円の減少等によるものであります。
この結果、総資産は、86億6千8百万円となり、前事業年度末に比べ7億9千8百万円減少いたしました。
(負債)
当第2四半期会計期間末における流動負債は、前事業年度末に比べ、1億7千9百万円減少し、24億2千4百万円となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金8千9百万円、預り金4千7百万円及び未払消費税4千3百万円の減少等によるものであります。
当第2四半期会計期間末における固定負債は、前事業年度末に比べ、6億2千5百万円減少し、19億2千3百万円となりました。その主な要因は、長期借入金5億5千6百万円の減少等によるものであります。
この結果、負債合計は、43億4千7百万円となり、前事業年度末に比べ8億5百万円減少いたしました。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べ、6百万円増加し、43億2千万円となりました。その主な要因は、資本金3千3百万円及び資本剰余金3千3百万円の増加、利益剰余金5千9百万円の減少等によるものであります。
この結果、自己資本比率は49.8%(前事業年度末は45.5%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ3億2千3百万円減少し、3億8千9百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、5千3百万円(前年同四半期は1百万円の使用)となりました。これは主に、利息の支払3千6百万円及び法人税等の支払3千2百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、3億4千3百万円(前年同四半期は4億7千2百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入4億2千万円、差入保証金の純増による支出1億1千4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、6億1千3百万円(前年同四半期比72.3%増)となりました。これは主に、長期借入金の純減による支出6億4千5百万円等によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。