【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の経営環境を振り返りますと、世界的な金融引き締め政策の継続による景気下振れリスクや金融資本市場の変動等の懸念はなお拭えず、また中国経済低迷の影響も加わり、当社グループを取り巻く環境としては先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループはこのような環境のもとで、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減や、生産革新活動に注力するとともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におきましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,854億42百万円となり、前年同期間に比べて119億74百万円の減収となりました。また、営業利益は94億61百万円と前年同期間に比べて107億23百万円の減益、経常利益は130億34百万円と前年同期間に比べて113億66百万円の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は103億59百万円と前年同期間に比べて70億60百万円の減益となりました。
セグメントの業績は、次の通りであります。
(エラストマー素材事業部門)
合成ゴム関連では、為替影響などにより売上高は前年同期間を上回ったものの、中国経済低迷に伴う出荷の伸び悩みや市況価格下落等により、営業利益は前年同期間を下回りました。
合成ラテックス関連では、医療・衛生用手袋の流通在庫が引き続き過剰で需給の緩みが解消せず、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
化成品関連では、粘着テープ・ラベル向けの世界的な需要回復の遅れによる出荷減や市況価格下落等により、売上高、営業利益ともに前年同期間を大幅に下回りました。
以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて66億80百万円減少し1,047億31百万円、営業利益は前年同期間に比べて56億87百万円減少し36億44百万円となりました。
(高機能材料事業部門)
高機能樹脂関連では、大型テレビ向け光学フィルムは回復基調にあるものの、スマホ、モバイル端末向け光学フィルムはテレワーク特需が一巡したことにより、また光学樹脂は医療、その他用途にて主力生産工場の定期修理に伴う出荷調整、半導体市場の低迷、並びに一部顧客の在庫調整等の影響を受け、高機能樹脂関連全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
電池材料関連では、第2四半期に入ってから中国顧客の稼働率は回復基調にあるものの、中国経済低迷による第1四半期の需要落ち込みの影響を挽回するには至らず、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
化学品関連では、合成香料の販売が一時的な市場の需給緩和の影響を受けたことに加え、特殊溶剤が主力生産工場の定期修理に伴う出荷量調整を行ったこと等により、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
電子材料関連では、半導体市場の低迷による半導体メーカーの稼働率低下の影響を受け、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
トナー関連では、第2四半期に入り中国経済低迷による需要落ち込みの影響を受け、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は、前年同期間に比べて、51億54百万円減少し514億9百万円、営業利益は前年同期間に比べて50億44百万円減少し、65億92百万円となりました。
(その他の事業部門)
その他の事業においては、子会社の商事部門等の売上高が前年同期間を下回りましたが、営業利益は前年同期間を上回りました。
以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は、前年同期間に比べて1億49百万円減少し314億63百万円、営業利益は前年同期間に比べて6億79百万円増加し、13億99百万円となりました。
(資産)
当四半期連結会計期間末の資産合計は前連結会計年度末に比べ、128億23百万円増加し、5,356億91百万円となりました。前連結会計年度末との差の主な要因は、有形固定資産の増加等によるものであります。
(負債)
当四半期連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末に比べ、44億78百万円減少し、1,790億81百万円となりました。前連結会計年度末との差の主な要因は、支払手形及び買掛金の減少等によるものであります。
(純資産)
当四半期連結会計期間末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ、173億1百万円増加し、3,566億9百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同四半期連結会計期間末に比べ67億74百万円増加(前年同期比27.0%増)し、318億41百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は227億87百万円となり、前年同四半期連結累計期間に比べ144億84百万円の増加(前年同期比174.4%増)となりました。これは主として、仕入債務の増減額が純増から純減へと転じたことにより資金が減少したものの、棚卸資産の増減額が純増から純減へと転じたことにより資金が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は175億82百万円となり、前年同四半期連結累計期間に比べ13億48百万円の資金支出の増加(前年同期比8.3%増)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出が増加したこと及び貸付けによる支出が増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は38億13百万円となり、前年同四半期連結累計期間に比べ99億2百万円の資金支出の減少(前年同期比72.2%減)となりました。これは主として、社債の償還による支出が減少したこと及び自己株式の取得による支出が減少したこと等によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は92億22百万円であります。なお当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。