【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況(イ) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあって緩やかな回復が続いたものの、世界的な金融引締めに伴う景気の下振れや、物価高騰による影響が今後も懸念され、先行き不透明な事業環境が続いております。このような環境の中、当社グループはビジョンである「Change the office mirai」の実現と中長期の成長を目指して策定した中期経営計画「Growth Plan」に沿って、サプライ事業を基盤事業、ITソリューション事業を成長事業と位置付け、当社グループを挙げて重点施策を推進してまいりました。ITソリューション事業においては、グループ各社が引き続き伸長したことで、売上・利益貢献に繋がりました。サプライ事業においては、製品の価格改定に努めたことで原価高騰による影響は最小となりました。しかしながら、ペーパーレス化や脱コロナの動きが売上・利益に影響しました。さらに、退職給付費用等の増加に伴う販売費及び一般管理費増加も利益に影響しました。これらの結果、売上高は17,611,835千円(前連結会計年度比2.4%増)、営業利益は361,360千円(前連結会計年度比10.6%減)、経常利益は466,958千円(前連結会計年度比7.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は310,193千円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。セグメント別の業績は次の通りであります。
(サプライ事業)
すみやかな価格改定に努めたことで原材料費や仕入原価の高騰による影響は最小に抑えられたものの、環境衛生商品の需要の減退、ペーパーレス化の普及、新規開拓活動の停滞等が影響しました。 これらの結果、売上高は14,177,039千円(前連結会計年度比0.9%減)、セグメント利益は794,163千円(前連結会計年度比4.4%減)となりました。
(ITソリューション事業)
グループ各社におけるITソリューション事業が引き続き伸長したことが売上・利益貢献に繋がりました。また、株式会社イコリスにおいては決算期変更に伴う会計期間短縮の影響があったものの、デジタルマーケティングを活かしたEC事業の成長により、売上・利益ともに貢献しました。 これらの結果、売上高は3,434,795千円(前連結会計年度比18.4%増)、セグメント利益は128,062千円(前連結会計年度比28.3%増)となりました。
(ロ)財政状態
(資産)当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べ74,676千円増加し、8,452,938千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ54,348千円増加し、5,478,845千円となりました。これは、主に売掛金が28,205千円、現金及び預金が13,597千円増加したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ20,327千円増加し、2,974,092千円となりました。これは、無形固定資産が22,594千円、投資その他の資産が49,368千円増加し、有形固定資産が51,635千円減少したことによります。
(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ188,315千円減少し、4,113,303千円となりました。これは、主に未払法人税等が25,130千円、株主優待引当金が12,983千円増加し、短期借入金が207,550千円、支払手形及び買掛金が41,926千円減少したこと等によります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ5,435千円増加し、463,551千円となりました。これは、主に繰延税金負債が15,667千円増加し、長期借入金が21,630千円減少したこと等によります。
(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ257,555千円増加し、3,876,084千円となりました。これは、主に利益剰余金が193,942千円、その他有価証券評価差額金が52,549千円増加したこと等によります。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ13,746千円増加の1,882,172千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は405,498千円となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益511,284千円であり、支出の主な要因は、法人税等の支払額187,945千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は46,353千円となりました。収入の主な要因は、投資有価証券の売却による収入77,967千円であり、支出の主な要因は、無形固定資産の取得による支出78,111千円、投資有価証券の取得による支出35,889千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は345,398千円となりました。収入の主な要因は、長期借入による収入50,000千円であり、支出の主な要因は、短期借入金の純減額180,000千円、配当金の支払額116,218千円、長期借入金の返済による支出99,180千円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ) 生産実績当社グループにおいて、製品の生産は行っておりませんが、当社においてトナーカートリッジ等の再生業務を行っております。当連結会計年度における再生実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年8月21日至 2023年8月20日)
再生高(千円)
前年同期比(%)
サプライ事業
831,763
△6.4
合計
831,763
△6.4
(注) 金額は、製造原価によっております。
(ロ) 受注実績当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
(ハ) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年8月21日至 2023年8月20日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
サプライ事業
14,177,039
△0.9
ITソリューション事業
3,434,795
18.4
合計
17,611,835
2.4
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)当連結会計年度の売上高は、前期に比べ412,916千円増加の17,611,835千円となりました。 サプライ事業においては、すみやかな価格改定に努めたことで原材料費や仕入原価の高騰による影響は最小に抑えられたものの、環境衛生商品の需要の減退、ペーパーレス化の普及、新規開拓活動の停滞等が影響しました。ITソリューション事業では、グループ各社におけるITソリューション事業が引き続き伸長したことが売上・利益貢献に繋がりました。また、株式会社イコリスにおいては決算期変更に伴う会計期間短縮の影響があったものの、デジタルマーケティングを活かしたEC事業の成長により、売上・利益ともに貢献しました。
(売上原価・販売費及び一般管理費)売上原価は、2022年3月31日付けでグループ会社(子会社)として迎えた株式会社イコリスの売上高及び売上原価が増加したこと等により、前期に比べ161,115千円増加の13,628,076千円となり、結果、売上総利益は、前期に比べ251,801千円増加の3,983,759千円となりました。販売費及び一般管理費は、上記に加え、退職給付費用及び株主優待費用の増加により、前期に比べ294,551千円増加の3,622,398千円となりました。
(営業利益)営業利益は、上記理由により、前期に比べ42,750千円減少の361,360千円となりました。
(営業外損益・特別損益)経常利益は、営業外収益122,346千円、営業外費用16,748千円を計上した結果、前期に比べ35,107千円減少の466,958千円となりました。特別利益は、保有する株式の一部を売却したことにより、投資有価証券売却益が35,658千円、保険積立の見直しによる保険解約益が8,830千円発生しました。結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ8,026千円増加の511,284千円となりました。
(法人税、住民税及び事業税)親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税を212,977千円、法人税等調整額を△11,886千円計上したことにより、前期に比べ5,142千円減少の310,193千円となりました。
指標
当期実績(千円)
当初予想(千円)
当初予想比(%)
前期実績(千円)
前期比(%)
売上高
17,611,835
17,600,000
0.1
17,198,918
2.4
営業利益
361,360
430,000
△16.0
404,110
△10.6
経常利益
466,958
520,000
△10.2
502,065
△7.0
親会社株主に帰属する当期純利益
310,193
325,000
△4.6
315,335
△1.6
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(イ)キャッシュ・フローの状況当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。(ロ)資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要の主なものは、商品及び製品、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要は、設備工事資金であります。運転資金及び設備資金は、自己資金及び金融機関からの借入により調達しております。なお、2023年8月20日現在、短期借入金の残高は853,300千円、長期借入金は55,100千円であり、全て金融機関からの借入であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び仮定を必要としておりますが、結果としてこれらの見積りと実績が異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。