【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における当社グループの事業領域においては、中国不動産市況の低迷の長期化、地政学的リスクの世界各地での顕在化、エネルギー価格の高騰などにより、先行きは不透明な状況が続いているものの、一部地域では鋼材需要が回復傾向にあり、世界の粗鋼生産量は増加しました。国内においては鉄スクラップ発生量が低調に推移する中、円安により鉄スクラップのドル建て価格が低下し、輸出市場において日本産の競争力が高まりました。このような状況において、鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格)は、当期首から上昇傾向で推移し、当第1四半期連結累計期間の鉄スクラップ平均価格は1トン当たり49,559円と、前年同期の46,532円を上回りました。またリチウムイオン電池の主原料においては、コバルト、ニッケル及びリチウムの平均価格は前年同期を下回りましたが、銅の平均価格は前年同期を上回って推移しました。このような環境の中で、当第1四半期連結累計期間においては、「サーキュラーエコノミー(CE)をリードする」という戦略コンセプトのもと、「モノづくりを支えるCE」、「地域を支えるCE」という2つの戦略に分類し、CEの具体的事例を他社に先駆けて数多く実現していくべく、事業を推進してまいりました。人的資本、設備等への積極的な投資、安全管理等の推進に加え、不採算事業からの撤退と新規事業の拡大によるポートフォリオの組み換えも進めてまいります。以上の結果、売上高は12,812百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は412百万円(前年同期比6.3%増)、経常利益は523百万円(前年同期比8.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は359百万円(前年同期比3.7%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
セグメント別業績の概要 ≪売上高≫ (単位:百万円)
前第1四半期連結累計期間
当第1四半期連結累計期間
増減比(%)
資源循環事業
4,179
4,916
17.6
グローバルトレーディング事業
7,872
8,709
10.6
リチウムイオン電池リサイクル事業
326
356
9.1
その他
135
157
16.4
調整額
△1,340
△1,326
-
合 計
11,174
12,812
14.7
≪セグメント利益≫ (単位:百万円)
前第1四半期連結累計期間
当第1四半期連結累計期間
増減比(%)
資源循環事業
364
391
7.4
グローバルトレーディング事業
156
124
△20.6
リチウムイオン電池リサイクル事業
104
81
△22.2
その他
50
66
30.9
調整額
△107
△140
-
合 計
569
523
△8.0
(注)セグメント利益は四半期連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業廃自動車の発生台数が依然として低調で、国内製造業における生産量の回復は鈍く、金属スクラップの発生量も停滞した環境下において、取扱量は前期を下回りました。一方で片付け・解体工事及び焼却灰からの金銀滓回収が収益に貢献しました。以上の結果、資源循環事業の売上高は4,916百万円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は391百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
②グローバルトレーディング事業リサイクル資源の流通においては金属スクラップの仕入環境は依然低調ながらも、国際的には緩やかな販売環境の回復が見られ、取扱量は増加しました。しかしながら価格は国内高海外安の市況は変わらず、利幅を確保する事が難しく、為替の影響もあり利益は減少しました。また物流代行サービスにおいてはコンテナ等の海上運賃の下落による輸送環境の改善に伴い、取扱量が増加しました。以上の結果、グローバルトレーディング事業の売上高は8,709百万円(前年同期比10.6%増)、セグメント利益は124百万円(前年同期比20.6%減)となりました。2023年7月にオランダ支店を開設しました。引き続き事業領域の拡大を目指してまいります。
③リチウムイオン電池リサイクル事業電池材料の需要は引き続き堅調に推移する中で取扱量が増加しました。一方で電池材料であるレアメタルの需給が緩和されたことで、相場は前年同期と比較して低調に推移しました。以上の結果、リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は356百万円(前年同期比9.1%増)、セグメント利益は81百万円(前年同期比22.2%減)となりました。2024年6月稼働予定の茨城工場の準備を進めてまいります。
④その他環境経営コンサルティング事業は、TNFD対応支援、サーキュラーエコノミー関連コンサルティング、CO₂算定システムの開発等の新規取組を進める中で、人的資本投資を増強しました。一方で、CDP評価向上支援の増加が収益に貢献しました。障がい福祉サービス事業は、認知度向上により就労継続支援B型を中心に新規利用者数及び延べ利用者数が増加しました。また就労移行支援において報酬単価の上昇がありました。
以上の結果、その他事業の売上高は157百万円(前年同期比16.4%増)、セグメント利益は66百万円(前年同期比30.9%増)となりました。
(2) 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末における総資産は33,571百万円(前連結会計年度末比115百万円の減少、0.3%減)となりました。流動資産は18,724百万円(前連結会計年度末比364百万円の減少、1.9%減)となりました。これは、受取手形及び売掛金が473百万円、商品及び製品が391百万円増加したものの、その他流動資産が724百万円、現金及び預金が563百万円減少したこと等によります。固定資産は14,847百万円(前連結会計年度末比248百万円の増加、1.7%増)となりました。これは、建設仮勘定が292百万円減少したものの、機械装置及び運搬具が441百万円、投資有価証券が140百万円増加したこと等によります。当第1四半期連結会計期間末における負債合計は16,763百万円(前連結会計年度末比97百万円の減少、0.6%減)となりました。流動負債は10,530百万円(前連結会計年度末比115百万円の増加、1.1%増)となりました。これは、その他流動負債が472百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が458百万円、賞与引当金が178百万円増加したこと等によります。固定負債は6,232百万円(前連結会計年度末比213百万円の減少、3.3%減)となりました。これは、長期借入金が195百万円、リース債務が17百万円減少したこと等によります。当第1四半期連結会計期間末における純資産は16,807百万円(前連結会計年度末比17百万円の減少、0.1%減)となりました。これは、自己株式の処分により131百万円増加したものの、非支配株主持分が112百万円、利益剰余金が56百万円減少したこと等によります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題については、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、33百万円であります。主な活動の内容はリチウムイオン電池等のレアメタルを含んだ廃棄物からの効率的な分離精製技術の開発であります。