【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における当グループの事業領域は、中国の景気減速に加えて、欧州のエネルギー危機やサプライチェーン混乱の継続等により世界的に鋼材需要は減退しました。このような状況において、鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格)は、当期首から下落傾向で推移し、8月後半からは荷動きの悪さによる需給の引き締まりや、急激な円安の進展等により価格は上昇しました。これらの結果、当第1四半期連結累計期間の鉄スクラップ平均価格は46,532円と、前年同期の49,461円を下回りました。また、リチウムイオン電池の主原料であるコバルト、ニッケル、銅価格については、海外市況の下落はあるものの円安の影響もあり、前年同期を上回りました。このような環境の中で、当第1四半期連結累計期間においては「持続可能社会実現の一翼を担う」のミッションステートメントのもと、「サーキュラーエコノミーの具体的事例の実現」を戦略コンセプトに事業を推進しました。加えて、今後の成長を根底から支えるための企業理念共有レベルの向上、攻めの姿勢を貫くための環境整備や安全管理、及び人的資本への積極的投資等による内部体制強化の取り組みを進めてまいりました。以上の結果、売上高は11,174百万円(前年同期比21.8%減)、営業利益は388百万円(前年同期比51.2%減)、経常利益は569百万円(前年同期比38.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は373百万円(前年同期比43.9%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
セグメント別業績の概要 ≪売上高≫ (単位:百万円)
前第1四半期連結累計期間
当第1四半期連結累計期間
増減比(%)
資源循環事業
4,762
4,179
△12.2
グローバルトレーディング事業
11,109
7,872
△29.1
リチウムイオン電池リサイクル事業
147
326
122.3
その他
127
135
6.1
調整額
△1,853
△1,340
-
合 計
14,292
11,174
△21.8
≪セグメント利益≫ (単位:百万円)
前第1四半期連結累計期間
当第1四半期連結累計期間
増減比(%)
資源循環事業
685
364
△46.8
グローバルトレーディング事業
302
156
△48.0
リチウムイオン電池リサイクル事業
18
104
452.6
その他
45
50
11.4
調整額
△130
△107
-
合 計
921
569
△38.2
(注)セグメント利益は四半期連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業当期首からの金属スクラップ価格の急落による在庫販売分の利幅の縮小に加え、主力工場の大型シュレッダーラインの1か月程度の故障停止による取扱量の減少等により収益が減少しました。一方で、広域の片付け解体工事の受注増加が収益に貢献しましたが、減収減益となりました。なお、前期に実施したM&Aに伴い人件費等の固定費が増加しております。以上の結果、資源循環事業の売上高は4,179百万円(前年同期比12.2%減)、セグメント利益は364百万円(前年同期比46.8%減)となりました。当期9月に静岡県富士市の新工場が竣工し、2月稼働に向けて設備建設工事を開始しております。
②グローバルトレーディング事業鉄スクラップの海外需要の減退に対し、国内電炉の粗鋼生産が安定して推移したことで、国内高海外安の展開となり内外価格差は縮小しました。加えて、自動車生産の減産等による取扱量の減少もあり収益が減少しました。一方で、急激な円安の進展による為替差益が収益に貢献したものの、減収減益となりました。以上の結果、グローバルトレーディング事業の売上高は7,872百万円(前年同期比29.1%減)、セグメント利益は156百万円(前年同期比48.0%減)となりました。
③リチウムイオン電池リサイクル事業レアメタルの需要増加による販売条件の向上及び円安の影響により、コバルト、ニッケル、銅価格は前年同期を上回って推移しました。加えて、ブラックマス等の出荷量が増加したことで、増収増益となりました。また、静岡県富士市の新工場において、電極板リサイクルラインが稼働を開始しました。引き続き、新工場の設備拡張を進めてまいります。以上の結果、リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は326百万円(前年同期比122.3%増)、セグメント利益は104百万円(前年同期比452.6%増)となりました。
④その他環境経営コンサルティング事業は、CDP評価向上支援、TCFD対応支援等のカーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミー関連コンサルティングの継続受注により、増収増益となりました。障がい福祉サービス事業は、長野エリアに新たな事業所を開設し、農福連携による野菜栽培等の新たなサービスを開始しましたが、延利用者数の減少等により、減収減益となりました。
以上の結果、その他事業の売上高は135百万円(前年同期比6.1%増)、セグメント利益は50百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
(2) 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末における総資産は27,359百万円(前連結会計年度末比1,604百万円の減少、5.5%減)となりました。流動資産は16,330百万円(前連結会計年度末比2,117百万円の減少、11.5%減)となりました。これは、その他流動資産が238百万円、商品及び製品が125百万円増加したものの、現金及び預金が1,445百万円、受取手形及び売掛金が1,018百万円減少したこと等によります。固定資産は11,028百万円(前連結会計年度末比513百万円の増加、4.9%増)となりました。これは、建設仮勘定が481百万円減少したものの、建物及び構築物が807百万円、機械装置及び運搬具が111百万円、投資有価証券が90百万円増加したこと等によります。当第1四半期連結会計期間末における負債合計は11,473百万円(前連結会計年度末比1,270百万円の減少、10.0%減)となりました。流動負債は8,719百万円(前連結会計年度末比1,248百万円の減少、12.5%減)となりました。これは、その他流動負債が524百万円、賞与引当金が148百万円増加したものの、短期借入金が1,290百万円、未払法人税等が571百万円減少したこと等によります。固定負債は2,753百万円(前連結会計年度末比22百万円の減少、0.8%減)となりました。これは、リース債務が38百万円増加したものの、長期借入金が66百万円減少したこと等によります。当第1四半期連結会計期間末における純資産は15,885百万円(前連結会計年度末比333百万円の減少、2.1%減)となりました。これは、利益剰余金が367百万円減少したこと等によります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題については、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、10百万円であります。主な活動の内容はリチウムイオン電池等のレアメタルを含んだ廃棄物からの効率的な分離精製技術の開発であります。